部下:「地方検察庁刑事部の検察官で、事件の現場にも立ち会う刑事部の検察官の東京地方検察庁刑事部の方によりますと、本部係の検事の仕事。真相を解明するために工夫。実務修習で検事を志望。真相を解明できる検事の仕事。司法制度の変化とともに。これからはさらに広い視野を、と」
そんな話を随時、懐に忍ばせ、この事件の精髄を見透かす時、どこに膠着した盲点が潜んでいるかを見抜かなければならない。
部下:「Vさんの事件を担当していて思ったのが、なぜSNSのブログやX、メタまでもが拡散妨害(営業妨害)を?VさんはそれらのSNSにとってお客さまでしょ?アクセス数を制限していることといい、これも大きな賠償額ですよ」
T:「もはや戦後最大の大事件だ」
Tはテーブル上に置かれた紅茶を一口飲みながら、
T:「そもそもなぜこの担当の大学教授はメディアに卒論や答案メールを提出する前に『許可』を得なかった?また、なぜ被害者の作家のVが研究室を訪ね、そのことを論及した時に、虚偽の返事をしたんだ?」
部下:「どうですかねぇ。自分の落ち度を尻ぬぐいするのも嫌だったのでは?」
T:「そこまで教授としてのプライドに固執するか?メディアもなぜスカウティングに行かない?報道しないからこそ、大事件にまで発展しているだろ?」
→Change The Scene→場面をがらりと変え、今度は裁判官へ
ここは山梨県の裁判所で、控え室でVの事件を担当する裁判長のWはこしらえた知識と職歴を一時脳内に仕舞って、近所の住人から差し入れにいただいた「おやき」のまんじゅうを頬張っていた。
W:「このおやき、とてもウマい」
部下:「W裁判長。最近、体重が増えていません?食べ過ぎです。新年早々、Vさんの事件を担当するんです。少しは節制したらどうです?」
W:「君に言われるまでもない。君は裁判官の心得を知っているか?憲法や法律に基づき、良心に従って事件について判断を行う裁判官。民事事件や刑事事件、家事事件など多くの訴訟や手続きで裁判所書記官や裁判所事務官、家庭裁判所調査官らとともに当事者の言い分や証拠を調べて、法律上の判断をする」
そこにもう一人の裁判官の部下が割って入ってきて、その心得を確認がてら、公言して見せる。
部下:「裁判官というと、黒い法服を着た姿で被告に判決を言い渡す場面をイメージすることでしょう。日本には現在、約500の裁判所があり、裁判官約3500人、一般職員約2万2000人が働いています。法制度は、こうした人たちによって維持されているのです」
W:「いいところに目をつけているね、〇〇君。君の司法試験の結果を聞きたいよ」
そう言うと、その部下の〇〇は微笑んで、右手を挙げ、素早く振り下ろした。裁判長Wの年季の入った法服はおろか、その額に刻まれた皴の数や、白髪から、もうベテランの域に達しているのが分かる。また、この会話から推測できるように、非常に風通しの良い職場の雰囲気が嗅ぎ取れる。
・『裁判官になるには』(ぺりかん社/飯島一孝 著、最高裁判所 協力)