その頃、漫画家を志望するCはアラスカの高校のクラスで、放課中に友人とおしゃべりをしていた。
友人:「C. How are you?」
C:「Not fine.」
友人:「What? What happened?」
C:「いやね。I'll give up my dream. It's difficult for me to come true. 色々と世に出ているアニメーターの話なんかを聞いちゃうと、夢が叶うのに何十年もかかるんだって。花開くまでのその膨大な年月を考えると、私は…」
友人:「そう?じゃ、もう諦める?……でも、日本はアニメ大国なんだから」
そう言って、友人はCを元気づけると、Cはしょぼんとしてはいるものの、いくらか元気を取り戻した。何とか持ち直してはみせるものの、やはりその夢実現への年月を聞かされると、ため息が漏れる。だからこそ、粋がって見せて、しゃにむに成功例を友人に話すCがいた。
C:「大暮維人さんの例なんだけど、大暮さんの華麗な描線、ひろきさんのクールな画面構成。プロのマンガ家はどんなふうにマンガを描いているのだろうか、と考えた。使い込まれた大暮さんの机と画材。インクをつけると机の天板で一度試し描きをするのが大暮さんの癖で、机の右側にはペンや筆の跡が多数残っているのが印象的だ。取材中は、まめに羽根ぼうきをかけ、ペンを拭き、カッターの刃を取り替えていた。美しい原稿は細かい気遣いから生まれている」
友人:「あなたのそのマンガに対する知識やモチベーションは高い。頑張って」
そうこう話しているうちに、そこにクラスメートで男子の100が会話に入ってきて、弱気なCに寄り添う。
100:「What are you talking about?」
友人:「The motive toward C's Anime」
100:「I see. C. Tell me your passion to Anime.」
その言葉を受けて、Cは緊張気味に自分のマンガ(アニメ)への情熱を熱く語った。
C:「【使用画材】は紙(アイシーのマンガ原稿用紙135kg)、シャープペン(ステッドラーの真鍮のもの)、消しゴム(トンボのMONO)、ペン(ゼブラのGペン)、インク(パイロットの製図用インク)、筆ペン(プラチナの静雅)、ホワイト(ニッカーのポスターカラー、ライオンのミスノン(青))、その他(Tooのコピックマルチライナー0.05、ヌーベルのピグマ0.8)だけど、私も買い揃えた」
100:「Okay. I got it. Your passion is very very tremendous.」
そして、次の瞬間、100はCの肩をぽんと叩いて、Cの心にグッとくるような刺さる言葉を発した。
100:「Never Give Up On Your Dream.
そう言って、100はその場を去って行くと、Cはドキッとし、高鳴る心臓の鼓動を抑えて100の背中をじっと見つめていた。この時、Cは初めて100を異性として意識した。その言葉が小さく、何度もCの心の中に響き渡っていた。
思わず呆然とするC。
友人:「C.」
Cはじっと100の背中を見つめている。まさに夢見心地だ。
友人:「C.Do you hear me?」
この時、友人もうすうす気づき、どうやら今の100の言葉に効果があったことを自覚した。

C:「私も彼(100)と同情のある同上よ」

その後、Cと友人はいつものようにおしゃべりを続け、音楽やニューヨークアート、ジャズ、カナダ料理などを話し込んだ。
→BGM:New Jeans, “Ditto.”