ここ石川県では食卓でKとCが会話を挟んでいた。まだ被災地の復興状況が掴み切れていない中で、どうにかして希望の灯を見出そうとしていた。特に、防災士のKは神経を尖らせる。
K:「昨年は猛暑日が続き、記録を更新した。災害級の暑さとして、温暖化の影響で年々暑くなり、熱中症など。熱中症の対応として、水分・塩分補給、冷所で安静、冷却など応急処置。深刻な場合は医療機関で治療を受ける、などがある」
C:「そうね。でも、今は冬で、被災地の方々は温かい支援を求めている。そういう意味では、温かい食事や、身が温まるような入浴施設が必要ね」
K:「そうだな。日本は『温泉天国』とも呼ばれ、北海道から九州まで約300箇所以上の温泉がある。そのため、温泉地では火山活動がある。噴火警報に注意し、火砕流、噴石、火山灰、火山ガス、土砂崩れに警戒」
C:「いつなんどき災害に見舞われるか分からない。噴火と言えば、鹿児島の桜島が有名。それと、富士山も活火山でしょ?」
K:「そうだな。それを想像すると、本当に怖いよ」
そうした話が口から突いて出てくるのも普段から災害に対する備えを心掛けているからだろう。さすが防災士だ。
K:「そうした普段からの対策として、命を守る特別警報。注意報→警報→特別警報の順。緊急地震速報から避難情報で、①高齢者等避難②避難指示③緊急安全確保。防災情報を知るには、ラジオ、スマートフォンとモバイルバッテリーは重要だ。それと、ハザードマップ、近くの避難所を知っておく。災害用伝言ダイヤルの利用も貴重だな」
そう言って、Kは対策もしっかりと練ることが重要で、それにはまずは普段からの意識づけが大切になってくる。
Cはテーブル上のお酒の日本酒に手を伸ばし、そっと嗜めた。ぐびっと飲み、程よく酔いが回る。まだまだこの日本の未来には言い知れぬ大規模な災害が潜んでいる。それに備えるべく、日頃からこうして警戒を怠らない。
不断の努力があってこそ、いざという時に効果を発揮する。
K:「今後は災害もそうだが、春になると、スギやヒノキなどの花粉も厄介な季節になる。花粉症だ」
C:「目や鼻が大変よね」
K:「でも、春は卒業シーズンでもある。あいつ(R)も今年卒業がかかっていて、今は論文作成の真っただ中だ」
C:「春は日本では出会いと別れの季節っていうけど、やっぱり日本人なら桜かな…」
K:「そうだな。そういう意味では、被災地にも早く春が来るといいな」
C:「そうね」
そんな話をしながら、晩酌をするKとCがいた。日本酒が旨いと感じるのはこういう時だろう。普段はあまりお酒を飲まないKもここではここぞとばかりに飲む。
K:「今まではお酒を断っていたんだが…」
C:「少しはハメを外すのもいいわよ」