弊ブログでは、これまで私が愛した音楽関連の色々なことをふり返ってまいりましたが、5年にわたる執筆の間に大どころの音楽家はあらかた制覇してしまい、新譜に目ぼしいものがない最近は正直ネタに事欠いております。そんな中、ふと未着手であることに気がついたのが「今までに訪れたコンサートのまとめ」でした。「しめしめ、これでしばらく食えるな」とアタマの中に電球が灯ったようで、早速音楽を聴き始めて間もない1972年から書いていきたいと存じます。

 

※ 入場券の半券。さまざまな意匠で、今見ると楽しめます

 

(1) Cleedence Clearwater Revival

'72年2月28日@大阪(四ツ橋)厚生年金大ホール、特別席2,900円

初めてのロック・コンサートはちょうど「浅間山荘事件」解決の日で、巷はその話題で持ちきりでした。初来日のCCRは、John Fogerty (g, vo)、Stu Cook (b)、Doug Clifford (ds)の3人。私は直前にヒットした"Sweet Hitch Hiker"しか知らず、予習もしていない俄かファンだったので、演目については確かな記憶がありません。好きだった"Proud Mary"くらいは憶えていてもよさそうなものですが…。でも、「ロック・コンサートの何たるか」は(予習不足を咎められることはない点も含めて)掴むことができました。

 

(2) Chase

'72年4月15日@大阪(難波)府立体育会館、S席2,500円

彼らのデビュー曲「黒い炎 (Get It On)」が人生で最初に買ったシングル3枚のうちの1枚で、その高音ブラス・サウンドに魅せられていたので、同曲がヒットして間もなくのコンサートに喜び勇んで向かいました。メンバーは、Bill Chase (tp)、G.G. Shinn (vo, tp)、Ted Piercefield (tp)、Jerry van Blair (tp)、Alan Ware (tp)、Angel  South (g)、Dennis Johnson (b)、Phil Porter (org)、Gary Smith (ds)。2代目歌手のシンがtpも吹くので、このときはペットが最大5本でした。

終盤でサウスが長いソロを取ったあとギターを放り投げたりしたのは、今思えばバンドのカラーにそぐわない演出ですが、その時は「ああこれがロック・コンサートなんや」と感じ入ったものです。残念ながらバンドは公演後間もなく解散、リーダーのチェイスが飛行機事故で命を落とすなど何かと不遇でしたが、このバンドの「ペット・サウンド」はその後テレビのSEとしてながく聴くことができました。

 

(3) Chicago

'72年6月13日@京都会館第1ホール、特別席3,500円

シカゴは前年に続く来日で、その間に私は彼らのファンになったので、この2回目は観に行かない訳にはいきませんでしたが、大阪公演のチケットが入手できず、やむなく京都まで遠征。中学の授業を終えて急いだもののやはり遅刻し、第1部は1階の席に入れてもらえず2階で立ち見する破目に。チケットに「29列」とあったのでそれほど期待してはいなかったのですが、第2部で自分の席に座ってみると結構眺めが良くて、遅刻を今更ながら悔やみました。

メンバーは、Terry Kath (g, vo)、Peter Cetera (b, vo)、Robert Lamm (kbd, vo)、Danny Seraphine (ds)、James Pankow (tb)、Lee Loughnane (tp)、Walter Parazaider (sax)の「オリジナル7」。当時未発表だった"Chicago V"からの新曲も演奏したようですが、例によって予習不足で判別できず。

 

(4) Emerson, Lake & Palmer / Free

'72年7月24日@阪神甲子園球場・3塁側D(内野)席2,500円

最初に出たフリーは、Paul Rodgers (vo, g)、Simon Kirke (ds)、山内哲 (b)、Rabbit (kbd)の4人。ちょうど来日前に"Kosoff - Kirke - Tetsu - Rabbit"というLPが出ており、それ(-)コゾフ(+)ロジャーズという編成でした。「ロジャーズ、ギターも上手いやん」という印象。

フリーが1時間くらいで終わったので、続くKeith (kbd) - Greg (b, g, vo) - Carl (ds)が出てきたときはまだ明るかったと記憶しています。アリーナ席がなかったので「内野席」が一番いい場所でしたが、ステージは2塁ベースの辺りで結構遠かったです。そのためか、山場で大勢のファンがフェンスを越えてグラウンドに乱入したため、主催者判断でPAの電源が落とされコンサートは突然終わってしまいましたが、その後しばらくカールがドラムを叩き続けていたので、私は「これで終わり」と気付きませんでした。

 

(5) James Gang

'72年9月25日@大阪フェスティバルホール、S席2,700円

Jim Fox (ds)とDale Peters (b)のリズム隊に新しくRoy Kenner (vo)とDomenic Troiano (g)を加えた4人組で初来日。残念ながらJoe Walshは既におらず、またTommy Bolinが加わるのはこの後のことなのですが、このメンバーで作ったLP "Straight Shooter"が好きだったので、ケナーの歌とショーマンシップ、トロイアーノの艶やかなギターを楽しみました。

 

(6) Three Dog Night

'72年12月18日@大阪(難波)府立体育館、S席2,900円

LP "Seven Separate Fools"を発表し最も勢いがあった時期の初来日。メンバーは、Danny Hutton (vo)、Chuck Negron (vo)、Cory Wells (vo)、Mike Allsup (g)、Joe Schermie (b)、Jimmy Greenspoon (kbd)、Floyd Sneed (ds)の、シカゴ同様「オリジナル7」。前の3人、後ろの4人、いずれも「職人」でした。

 

(7/6/2024)