このシリーズ冒頭で「1970年末、ロック音楽家来日の草分け」として紹介したJohn Mayallが、7月22日90歳でなくなりました。
彼の学校(The Bluesbreakers、他)の卒業生の音楽をさんざん聴いてきた私ですが、結局彼自身のレコードに遡る機会は殆どありませんでした。メイオールさん、申し訳ありません、R.I.P.
※ 大学受験の前触れでもあるまいに、高校3年の5月で動きがぴたっと止まっております
さて、本編に移りたく。
(19) The Doobie Brothers
'76年1月13日@フェスティバルホール、S席3,800円
新年早々、初来日のドゥービーズ。Jeff Baxterが加わってギターが3本、ゴージャスな音を期待して7列目ほぼ中央に着席したまではよかったのですが、舞台のレイアウトに何か違和感を抱きそれを隣の友人に伝えたところ、反対側のお姉さんから「Tom Johnstonは来てへんよ」と教えていただきぶっ飛びました。前年末のツアーから欠席がちだったようです。
ジョンストンとPat Simmonsのうち私の贔屓はどちらかというとシモンズだったので、個人的影響は小さいといえば小さかったのですが、一方でこのバンドのリーダーはジョンストンだと思っていたので、彼なしでバンドが継続していることが理解できず、更に後任のMicheal McDonaldが全然ジョンストンの「代役」ではなかったので、面食らいっぱなしの一夜でした。このあと具体化するドゥービーズの音楽性の変化を聴きとることができなかったのは、残念です。
シモンズ/マクドナルド/バクスター以外は、Tiran Porter (b)、John Hartman (ds)、Keith Knudsen (ds)が来日メンバーでした。
(20) Frank Zappa and The Mothers
'76年2月3日@大阪厚生年金会館大ホール、S席2,500円
師唯一の大阪公演に関しては、弊ブログ'23年2月10日号で詳しくまとめておりますが、公演は内田裕也氏の肝煎りで、彼の1815スーパーロックンロールバンドが前座をつとめています。
師(g, vo) - Napoleon Murphy Brock (sax, vo) - Roy Estrada (b) - Andre Lewis (kbd) - Terry Bozzio (ds)の面子での演奏は希少で、いいモノを観ることができたとしみじみ感じます。
(21) Santana
'76年2月22日@フェスティバルホール、S席3,500円
サンターナは、'73年・'74年につづく3回目の来日公演。当初行くつもりはなかったのですが、叔父に誘われて足を運びました。顔ぶれは、Carlos Santana (g)、Greg Walker (vo)、Tom Coster (kbd)、David Brown (b)、Armando Peraza (per)、Leon Chancler (ds)。
私は当時、少しおすまししたアルバム"Welcome"期と"Borboletta"期の来日コンサートを見逃した(見送った)ことがじわじわとこたえていて、「サンターナが世俗に戻ってきた」という謳い文句でヒットした"Europa (「哀愁のヨーロッパ」)"には「好ましからぬ先祖返り」という感想を持ちました。ただ、今確認するとアルバム"Amigos"の発表は'76年3月で、私はまだそれを聴いていない時期に観に行ったこととなり、であれば、このコンサートに肯定的でない理由はその他、例えばファンだったMichael Shrieve (ds)が既に辞めていたから、ということになりそうです。
(22) Blood, Sweat & Tears
'76年5月1日@フェスティバルホール、S席3,000円
B.S.&T.は、絶頂期末期だった'71年以来5年ぶりの来日。'75年にその絶頂期の歌手David Clayton-Thomasがバンドに戻っていて、彼の「復帰記念コンサート」と銘打たれていました。DCT以外の顔ぶれは、Tony Klatka (tp)、Forrest Buchtell (tp)、Bill Tillman (sax)、Dave Bargeron (tb)、Mike Stern (g)、Danny Trifan (b)、Larry Willis (kbd)、Don Alias (ds)。
DCTの復帰作"New City"まではメンバーが(入れ替わりながらも)固定していたB.S.&T.は、その後液状化し、この年のアルバム"More Than Ever"は、来日メンバー以外にプロデューサーBob Jamesの息のかかった演奏者を大勢起用した半セッション・アルバムとなっています。
私は、DCTが復帰した段階でバンドが創造的な前進を止めた印象を抱いていたので、このコンサートには「歴史を目撃する」程度の興味を持って臨んだのですが、さすがに、好きだったリーダー兼ドラマーのBobby Colombyが来なかった(おまけに、直後に入手した"More Than Ever"にはドラマー兼協力プロデューサーとして参加していた)のには落胆しました。
T.O.P.のDavid Galibaldiといい、サンターナのシュリーブといい、よくよく私はドラマーに縁のない人間だと痛感します。
この年は、この後6月にSuzi Quatro、8月にSweet、10月にWishbone AshとBachman-Turner Overdrive、11月にStatus Quo、12月にRitchie Blacknmore's RainbowとTodd Rundgren's Utopiaが来日していますが、大学受験が近づいていたのと、面子にそれほど興味を抱けなかったのもあり、私のコンサート通いは'78年3月まで長い休みに入ります。「シーン復帰後」は、また次回以降で。
(7/27/2024)