4月はスタジオのBGMを兼ねてのレコード蒐集が久々順調で、新・旧譜あわせて9種をかぞえました。その中で「2001年3月16日、東京厚生年金会館に於けるRenaissance初来日公演時の実況をSACDで再現!」の謳い文句を伴って紙で再発された"In the Land of the Rising Sun"を、今聴いております。

ルネッサンス古の名曲群に、再結成後の新譜"Tuscany"からの曲、Annie Haslamのソロ曲を交えたセットを、ハズラム/Michael Dunford/Terence Sullivanの「オリジナル」3名に鍵盤(Mickey SimmondsとRave Tesar)、David Keyes (b)を加えた顔ぶれで煌びやかに演奏していますが、なにしろ鍵盤が強力で、古曲が湛える「常にオーケストラと共演感」を2名で楽々と再現しています。

…と、ここまで書いたところでふと「これは観に行っていないはずはないよね」と思い始め、'72年2月のC.C.R.にはじまり半世紀にわたるコンサート・チケット半券の束を遡ってみると、やはり23年前の3月16日、現地2階5列31番から盛んに拍手をしておりました。ハズラムは兎も角、ダンフォードとサリバンを直に観ていたことを忘れるなんて、自分が嫌になりますね。

さて、ディンディスクのシングル振り返り第3弾、今回はカタログ16番目から。全て'80年の発売です。

 

※ 右中、M+Mのカラー・ビニールには、昔のオート・リターン・プレイヤーは上手く反応しませんでした

 

DINZ16 … The Revillos "Scuba Scuba" c/w "Scuba Boy Bop"

レヴィロスのシングルその3は、前作"Motor Bike Beat"のエンディングで海に飛び込んだ続きなのか、一転水中が舞台になっていますが、超ポップなメロディのネタが豊富なのは変わりません。

DIN17 … Martha and the Muffins "Saigon" c/w "Copacabana"

アルバム"Metro Music"から2枚目のシングル。いかにもN.W.ポップな曲調もさることながら、アルバムとはバージョンが異なり、更にB面はアルバム未収録、ジャケットはエンボス加工、と何かと魅力の多いシングルです。

DIN18 … The Monochrome Set "The Strange Boutique" c/w "Surfing S.W.12"

Rough Trade時代のシングルで注目を浴びた実績を引っ提げての真打登場! ともいうべき、モノクローム・セットのディンディスクでのデビュー盤。アルバム"Strange Boutique" (DID4)と同じく写真の縁に型押しが施された(たかがシングルに!)ジャケットは、芸が細かいことに写真がアルバムの「飛び込み中」から「着水済」に変わっています。

DIN19 … Martha and the Muffins "About Insomnia" c/w "146"

2枚目のアルバム"Trance and Dance" (DID5)からの最初のシングルは、ジャケットの図柄に合わせた緑色のカラー・ビニール盤でした。"Metro Music"がお気に入りだった私は"Trance and Dance"にも飛びつきましたが、この第2作も曲の粒が揃っていて楽しめた上に、おまけの7吋33回転4曲入り"1980 Tour, Live" (DEP1)も付いていて、至れり尽くせりでした。 

DINZ20 … The Revillos "Hungry for Love" c/w "Voodoo 2"

この頃にレヴィロスとして最初のLP "Rev Up"が発売されていて、それのプロモーションのために切られたシングルのようです。レコード番号中の彼らのシングルだけに付けられた"Z"は、バンド名のスペル"z"を"v"に変えさせられた恨みを表しているのでしょうか。

DIN21 … Martha and the Muffins "Suburban Dream" c/w "Girl Fat"

またもM+Mのシングル。想像するに、この時期はレーベルの旗艦バンドのLP発売が相次ぎ彼らのシングル企画対応で手一杯だったのではないでしょうか。発足当時のような個性的かつ泡沫感の強い音楽家のリリースが途絶えていて、少し残念です。

 

(5/4/2024)