啓蟄を過ぎ春分に近づき、少しずつ暖かくなってまいりましたが、黄砂の如く青空を曇らせる花粉の威力には驚かされます。そんな中、まずは小噺から。

☆ 私が永く愛している英・The Milk and Honey Bandの主幹Robert WhiteとFBでつながることができ、モノクロを中心とした写真家でもある彼の写真とMV作品を楽しむことができるようになりました。この春の一大収穫です。

☆ Blood, Sweat & Tears主演のドキュ映画"What the Hell Happened to B.S.&T.?"のDVD入手に、依然として苦労しています。元々、発売直後からずっと「再入荷の見込みなし」だったDVDが、発売元が変わったためか?再売出しされたのを見逃さず、2/23にAmazon本体に発注し3/13~15に送達予定だったのが、3/15になってそれが「発送日未詳。すみません」に変化。代わって米国の業者経由で入手できそうなのを新たに発見しやむなく重複発注、現時点ではそちらの方が早く(それでも4/7ですが)着きそうです。どうやら字幕などは付いてなさそうなので、届いてからまた一苦労ありそうですが…。

 

さて、先月の弊ブログでさんざん紹介済の英バンドThe Coralから袂を別ち、現在はソロとして活動している元リード・ギターリストBill Ryder-Jonesの2024年新譜"Iechyd Da"(ウェールズ語で「健康」)と、その前作"Yawn" ('18)が、相次いて届きました。BR-Jがソロでどのような音楽を展開しているのか全く知らないまま「元コーラルの人」という予備知識だけを持って、まず"Yawn"を聴き始めました。

 

※ "Yawn"と"Iechyd Da"。後者のジャケットは油絵のようです

 

ドラムやチェロを除いた全ての楽器と歌をBR-Jが一人でこなす宅録系の作りですが、聞こえてきたのは最近私の耳にはたえて久しい、どっしりしたリズムに呟くような歌と轟音ギターを中心にして奏でられる旋律がのっかる、殆ど「'80年代ニュー・ウェイブ音楽」でした。所属していたコーラルのどちらかといえば軽めのリズムとは随分と異なっていて、なるほど彼はかつてのコーラルにあった重暗い要素を持って独立したわけか、と納得しましたが、聴き進むと4曲目/全10曲"Mither"あたりからメロディの佳さが耳に引っ掛かるようになり、「さすが、コーラルの因子持ち」とも感じるようになりました。

6年経った後の"Iechyd Da"は、制作方法に変化はないものの管・弦・子供合唱などの助演が増えて、ぐっと軽く明るくなった印象を受けます。途中からメロディの豊かな曲が続いていくアルバムの構成も共通していて、こちらは6曲目/全13曲"This Can't Go On"あたりで頂点をむかえます。もはや「元コーラル」とか「ギターリスト」とかの肩書とは離れた音楽を紡いでいると感じますね。

 

(3/16/2024)