今年も師走に入りました。開業月の11月単月のお客さまは5年目にして最多で、この流れが続いてくれればと祈っています。新しく入れた待合室のBGMは、米・シカゴのジャズ・グループResavoirの夢見るような第2作  です。

一方FZ師"Over-Nite Sensation"のCDは、やはりBGMとしては…ということで、お客さまの居ない時間帯でひとり聴き込んでおります。今回はその「箱」のDisc3と4、実況録音部分について、気付き・感想を下表"Notes"欄のとおりまとめました。

尚、表には「箱」に含まれていない(別途入手済み)1973年6月以降のライブ・データを付けています。

 

Titles

Hollywood

(3/23/’73)

Detroit

(5/12/’73)

(Sydney)

(6/24/’73)

(Helsinki)

(8/23-24/’73)

(Roxy, L.A.)

(12/9-10/’73)

Notes regarding Hollywood / Detroit

Montana

1

 

6

9

☆ハリウッド/デトロイト/シドニーの演奏順は真正で、ヘルシンキは元の演奏順を尊重しながら2日間・3回のギグから最良のテイクが選ばれています。尚、ハリウッドはテープの一部(ギグの出だし)が失われているようで、コンサート評によるとそこに残されるはずだった曲は表中△印のようです。

また、ロクシーの欄はダイジェストCD化された曲を収録順で、その他2日間4ステージで演奏された曲を○印で示しています。

☆ハリウッドでの顔ぶれは、FZ、Ian & Ruth Underwood、Jean-Luc Ponty、George Duke、Sal Marquez、Bruce & Tom Fowler、Ralph Humphreyに、この時だけRicky Lancelottiが参加。最近の師の発掘ものは、こういう1回こっきりとか特異なメンバー構成のときの記録が多いです。

この日は、マルケスのtpを前面に押し出して、”Waka”/”Wazoo”当時の雰囲気を醸し出す“Big Swifty”辺りから俄然面白くなり、各楽器のソロ廻しが豪快な”Wash that Thing?”から、ロクシーにおける”Cheepnis -  Percussion”の原形みたいな”FZ/Percussion”を経て、ランスロッティのお披露目目的?の”Jam”に至る組曲がハイライトです。

全体を通して、ソロにアンサンブルに大活躍のJLPのvln(特に、変てこな低音管楽器のような音色の合奏時)が印象的なのと、当時師がライブ強化のため熱心に自分の対となるフロントマンを探していた(この時の候補はマルケスとランスロッティ)のが窺えます。

☆デトロイトはランスロッティを外した9名で臨んでいて、ハイライトは(前回も述べましたが)マルケスが歌う"Inca Roads"。

聴いていると、"Inca"や"Dog/Meat"組曲が室内楽ロックになっているのに対して「新曲」"Yellow Snow"組曲にはそこにソウル・コーラスの要素が加わり、股裂き状態になっています。現場ではマルケス/デュークのコーラス隊が奮闘していますが、この後の選手交代でイアンUの後任として加入するNapoleon Murphy Brockがこの「股裂き」(と先述のフロントマン問題)を一気に解決することとなります。

通しでは、ハムフリーの「ジャズ手法の爆音ドラム」が素晴らしいと感じます。あらためて、R.I.P.

 

 

Dupree’s Paradise

2

 

1

11

Cosmik Debris

3

12

 

 

1

Big Swifty

4

 

 

16

13

“…The Successor to Willie the Pimp”

5

 

 

 

 

The Curse of the Zomboids (I’m the Slime)

6

 

 

 

12

Don’t You Ever Wash that Thing?

7

 

 

15

9

FZ & the Percussion Section

8

 

 

 

 

Palladium Jam

9

 

 

 

 

Exercise #4

1

2

4

 

Dog Breath

2

3

5

4

The Dog Breath Variations

3

 

6

4

Uncle Meat

4

4

7

5

Fifty-Fifty

5

5

 

 

Inca Roads

 

6

 

 

7

Don’t Eat the Yellow Snow

 

7

7

 

15

Nanook Rubs It

 

8

8

 

 

St. Alfonzo’s Pancake Breakfast

 

9

9

 

 

Father O’Blivion

 

10

10

 

 

Join the March

 

11

 

 

 

King Kong/Chunga’s Rvenge/Son of Mr. Green Genes

 

13

11

 

The Eric Dolphy Memorial Barbecue

 

 

 

1

 

Kung Fu

 

 

 

2

 

Penguin in Bondage

 

 

 

3

2

RDNZL

 

 

8

6

Your Teeth…/Pojama Prelude

 

 

 

10

 

All Skate/Dun-Dun-Dun

 

 

 

12

 

Village of the Sun

 

 

 

13

Echidna’s Arf (of You)

 

 

 

14

8

Farther O’Blivion (≒Be Bop Tango?)

 

 

 

17

14

Brown Shoes Don’t Make It

 

 

 

18

 

T’Mershi Duween

 

 

 

 

3

Cheepnis

 

 

 

 

10

Pygmy Twylyte

 

 

 

 

16

The Idiot Bastard Son

 

 

 

 

17

Dickies‘s Such an Asshole

 

 

 

 

18

 

尚、余談として、上表のうちシドニー実況は正規盤ではありませんが、今回の箱のライナーに「元々豪州ライブの発表を予定していたが、ロクシーの企画が出てそちらに吸収されボツになった」との記載がありますので、この録音はその時のものだったかと思われます。今回メンバーが同じでセットリストも近似しているデトロイトが蔵出しされたことで、シドニーは存在価値が下がるかもしれません。

あと、ロクシー全体のセットリスト(CD "The Roxy Performances")を眺めていて、DVD "Roxy the Movie"の出典が何となく … "Cosmik Debris"から"RDNZL"までは12月10日月曜日の1回目、"Inca Roads"は12月9日日曜日の2回目、"Echidna's Arf (of You)"から"Cheepnis"までは10日の2回目、"I'm the Slime"から"Be-Bop Tango"までは9日の2回目かな? … という風に見えてきました。

 

(12/2/2023)