途切れながらもシリーズでお送りしている、アナログ17センチEPコレクション振り返り。第2回の今回は多士済々です。

 

①・②・③・④

 

① 本名をPhilip Wallach Blondheim III世と申されるScott McKenzieは、1967年"San Francisco"(「花のサン・フランシスコ」)の大ヒットで有名な歌手です。The Mamas and the PapasのリーダーJohn Phillipsとの関係が深く、同年のMonterey Popでもママパパのステージのゲストとして、ちょうどヒットし始めていた同曲を披露していました。

「花のサン・フランシスコ」は単独のシングルがなかなか見つからなかったので、大学卒業前に至り東京のとある中古盤屋で同曲を含むこの見本盤"The Voice of Scott McKenzie" (SONE70041)を見つけたときは狂喜しました。他の収録曲もDonovanの"Celeste"、Michel Polnareffの"No, No, No, No, No"(原題"La Poupee qui fait non"→「ノンノン人形」)、フィリップスの"12-30"と粒ぞろいで、言うことなしです。

② Chicagoは、一番最初に3作目までの日本編集ベスト"Gift Pack"と"At Carnegie Hall"を買ってしまったので、オリジナルLPへの接触ははるかに後、紙ジャケットCD時代となってからでした。"Gift Pack"には当時のコンサートのオープニング曲"In the Country"が入っておらず、そのスタジオ録音を聴くため(高価な2枚組オリジナルLPには向かわず)このEP(SONE70104、邦題は「シカゴの誓い」)を買ったのですが、何故か原アルバムからの大ヒット"25 or 6 to 4"は選曲されていません。一方、同じく"Gift Pack"未収録でこのEPで初めて聴いた"Movin' In"も素晴らしい曲で、「こんな良曲ばかり入っているのか!」とオリジナル2作目の奥深さを感じました。

③ 以前にも弊ブログで書きましたが、私のSantanaに係るコレクションはかなり歪で、CD移行までの期間でLPは3枚、シングルは2枚なのに対して、EPを4枚持っていました。写真の"Black Magic Woman" (SONE70131)はサンターナEP蒐集の手始めで、A面のシングル曲("B.M.W."と"Oye Como Va")だけでなくB面のGregg Rolie作の2曲"Mother's Daughter"・"Hope You're Feeling Better"をとても気に入ったのを記憶しています。

それにしても、シカゴもサンターナも先にベスト盤やEPから入ってそれっきり、長くオリジナルLPに向かわなかったというのは、そのおかげで一点集中することなく、より多くの音楽家を知ることができたという利点はあるものの、今となっては何となく残念な気もしております。

④ Mahavishnu Orchestraの"Birds of Fire"は、番号帯がSOPDに変わってこれはSOPD6、価格はここから100円上がって1枚700円でした。中・高生当時の私にとってJohn McLaughlinは見た目が実に格好良い音楽家で、オーケストラの前作('71年のデビュー盤)"The Inner Mounting Flame"をずっと気にしていたのですが、2作目「火の鳥」が発表されて「さあいよいよ」とは思ったものの、偶々"Celestial Terrestrial Commuters"(「天界と下界を行き交う男」)のシングルを見つけたのをよいことにそれを買い(シングルがあったのが驚きです)、更にこのEPへスケール・アップしたところで「皆上手いのは判るけど、なんか音の抜けが悪いよね」という印象を抱き、私のマハヴィシュヌへの旅はあっけなく終わってしまいました。

 

(4/30/2023)