1970年代央「パブ・ロックの雄」Dr. Feelgoodの新録"Damn Right!"が11月30日国内発売予定で、「ミュージック・マガジン」の評文を読んで「そうか、Wilko Johnsonもだいぶ前に居なくなっているんだ。フィールグッズという名前は、音楽家が交替しても演っている音楽が同じ路線であれば引き継いでいくことが可能な、のれんみたいなものになっているんだな」とひとり納得していたのですが、21日そのジョンソンの訃報が入りました。かつてのジョンソン/故Lee Brilleauxのコンビ、実に格好良かったですね。

☆ 掲題シリーズ"R"は、'60年代後半のThe Raiders、'70年代前半のRaspberriesと、米国産ポップ・バンドのベスト盤で始まり、まずはRip Rig & Panicの"God"。The Pop Groupの残党が作った「ポスト・パンク」バンドの、この時代らしい12インチ・45回転・2枚組という仕様のデビュー盤で、ゲスト参加のNeneh Cherryを交えて、ニュー・ウェイブ/ファンク/ジャズ/レゲエのごった煮のような音楽を生み出していました。当時、同じような結成経過を持ち、よりファンク色の強いPigbagも12'シングルでよく聴いていたことが思い出されます。

☆ 続いて、Scarlet Rivera。彼女は、Bob Dylanがツアー"Rolling Thunder Revue"('75~)とその後のスタジオ作で採用したバイオリン奏者で、私は初のソロ('77)と3作目"Journey with an Angel"を持っています。当時米国ものには興味が薄かった私が何故1作目を買う気になったのか、今は定かではありませんが、このアルバムは彼女の他4名(鍵盤+リズム隊+歌手)の固定的なメンバーで、彼女と鍵盤のDominic Cardinaleが書いた曲を演奏するというバンド色の濃い内容で、「米国版Curved Air」というべき趣です。

 

※ The Rolling Stonesの2枚は、ともに親戚からのプレゼント。何故か自分で買った盤は「皆無」

 

☆ 早くも"S"に映って、Sad Cafe。第1期Mandalabandの主要メンバーが結成したバンドだというのは知っていて、梅田・LPコーナーで試聴させてもらい、1曲目"Babylon"の活きの良さを確認し一発で買いました。新たに加入した歌手Paul Young(あの人とは同名異人)が旧マンダラの連中の鉄壁の演奏と上手く溶け合っていて、'70年代末の英国ロックの最良の到達点だと思います。

☆ その後は、Sade、Sandraといった'80~'90年代の歌姫、Santana、Scritti Politti、Shakatakといったところが続きますが、その合間に2nd Vision唯一のアルバム"First Step"があります。最終盤のSoft Machineに居たJohn Etheridge (g)とRic Sanders (vln)を2枚看板とするインストルメンタル・バンドで、'80年の発表ですが未来的なフュージョン音楽で、現在も古さを感じさせません。

 

(11/26/2022)