Começar De Novo - Ivan Lins | Down to the river......

Down to the river......

写真・音楽等の趣味や、日々の雑感、または個人的な備忘録……

お盆休み。

ある人が「この期間、東京生まれの東京育ちだけの東京になります」と表現されていますが、それは今は昔——ここ最近はその様子が変わって来ています。

たしかに住宅街周辺ではそうですが、繁華街や観光スポット等では(おそらく関東周辺の)地方から来た人で賑わっています。

都心の道路も、昔はどこもガラガラだったのが、今は結構混んでいる所があります。

空いているからと都心に遊びに行く気になったのも、今や過去の出来事です(^^;。

それでも、普段の平日に比べたら電車も道路も空いているのですが……(^o^;)。




ーー◇ー◆ー◇ーー◇ー◆ー◇ーー◇ー◆ー◇ーー◇ー◆ー◇ーー◇ー◆ー◇ーー




前回、「MPB (エミ・ペー・ベー)」と呼ばれる音楽ジャンルの「ジャヴァン (Djavan)」の曲をご紹介しました。

今回はもう一人の世界的アーティストである「イヴァン・リンス (Ivan Lins)」の曲をご紹介したいと思います。

イヴァン・リンスについては「以前のエントリー」でも言及しています。

現在の世界的アーティストとしての地位への礎になったのは、その存在を世界に紹介した「クインシー・ジョーンズ (Quincy Jones)」の功績が大きいでしょう。

クインシー自身のアルバム(『愛のコリーダ』等)だけでなく、彼がプロデュースした他のアーティストのアルバムでもイヴァン・リンスの作品を度々採り上げています。






全米1位を記録した「Baby, Come To Me」を収録しているこのアルバムの中でも、イヴァン・リンス作の「The Island」が収められています。




The Island - Patti Austin










The Island」の原曲はポルトガル語の歌詞の「Começar De Novo」(1979年)です。

タイトルは「新たな始まり」という意味で、「The Island」の英語の歌詞との関連はありません(^^;。

単なる別れのラヴ・ソングのようにも思えますが、1970年代当時ブラジルは軍事政権下で歌詞の検閲も行われていました。

ブラジルの音楽家は検閲で通るために、色々と表現上の工夫に苦心しておりました。

「新たな始まり(出発)」とは、そんな表現上の工夫を施した、社会的な希望のメッセージのようにも思えます。

歌詞の日本語訳をご紹介します。


最初から始めよう
自分自身を頼りに
新しい夜明けを迎えたことにも
きっと意味が見つかるだろう

怒り
あがき
自分を傷つけ
生き延びてきたことにも

テーブルをひっくり返し
自分を知り
転覆する船に乗り込み
救い出されたことにも

最初から始めよう
自分自身を頼りに
夜明けを迎えたことにも
きっと意味が見つかるだろう

いつも自信たっぷりだった
君の元気は もう感じられない
君の幻影も もう見えない
君の壁に嵌められてしまうことも もうない

君の支えを失い
その支配から逃れ
刺激を受けることもなく
魅惑されることも もうない

だから もう一度はじめに戻ろう
自分自身を頼りに
君を忘れてしまったことにも
きっと意味が見つかるだろう(対訳:国安真奈)





Começar De Novo - Ivan Lins






 ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇ 




おまけで、イヴァン・リンスの他の曲もまとめてご紹介します。




Anjo De Mim/Ivan Lins

¥2,079
Amazon.co.jp




1995年作のこのアルバムでも、「稀代のメロディー・メイカー」ぶりを遺憾なく発揮しております。




Pra Alegrar Coração De Moça - Ivan Lins









これは、欧米のアーティスト達によるトリビュート・アルバムですが、この中で僕が好きなのが次の曲です。

Grover Washington Jr.」が心臓発作で亡くなる直前の、最後の録音と思われるだけに、その意味でも貴重でしょう。

とても亡くなるとは思えないくらい、グルーヴ感たっぷりにサックスをブロウしているのが印象的です。




Camaleao (Ivan Lins) - Grover Washington Jr.






最後に、同アルバムから、2001年のグラミー賞「ベスト・男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス」を受賞した、「Sting」の「She Walks This Earth (原曲「Soberana Rosa」)」をご紹介します。




Sting - She Walks This Earth