『愛しのチロ』;涼木りらんさん(着物) | Down to the river......

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写真・音楽等の趣味や、日々の雑感、または個人的な備忘録……

時間がなくて更新が滞ってました。

少し前のニュースですが、個人的にもちょっとショックな話題なので採り上げます。


妻なき後のアラーキー支えた愛猫死ぬ


通称「アラーキー」の名で呼ばれる写真家「荒木経惟」氏の飼い猫の死がニュースになるなんて、ファンではない方は不思議に思うでしょうね。

でもこの「チロ」は海外でも有名なんです\(゜□゜)/。

というか、海外でも高い評価を得ている荒木氏の写真にしばしば写っていて、この猫のファンの外国人もいるのです。

僕と「この」チロとの出会いは、有名な次の写真集です。



愛しのチロ/荒木 経惟

¥1,305
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親がこの『愛しのチロ』を買って来たのですが、何故かというと、その当時我が家で飼っていた猫の名前も「チロ」で、外見もそっくりだったのです(^▽^;)。

この写真集は僕にとってまともに見た最初の写真集で、とても記憶に残っています。

この頃は未だ写真に興味がなかったので、そういう意味では現在の趣味へのきっかけの1つと言えるかもしれません。

この写真集がなかったら、僕も飼い猫の写真を撮ろうとしなかったのかも……。

我が家のチロは約10年で亡くなりましたが、荒木氏の悲しみはなんとなく分かるような気がします。

ということで、哀悼の意を込めて生前の(荒木氏の)チロの姿です。




荒木経惟 CM - "Switch"





荒木氏といえば、彼の世界観を表した独特の言い回し「エ○トス」(「エ○ス(生・性)」と「タナトス(死)」の合成語)を思い出します(←フィルタリング対策に「○」と伏せ字にしてます)。

この「エ○トス」のような概念は、他の芸術作品においてもよく見られる要素で、官能的な作品にはよく「死の香り・予兆」が漂っています。

古くは『アラビアン・ナイト』なんかも、その部類の1つに入るのではと僕は思っています。




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次に「涼木りらん」さんの写真をご紹介しますが、このセッティングを見た時、僕の頭の中ですぐさま「エ○トスだーっ」と浮かびました(^^ゞ。

正確には「荒木氏の写真のような設定だ」と書くべきところですが、撮っている最中、頭の中は「エ○トス」の言葉がリフレインしていました(笑)。

りらんさんは、時折過去の有名な写真を僕に思い出させるモデルさんで、撮り手のインスピレーションを刺激する意味では、僕にとってはとても貴重な存在です。

念の為断っておきますが、決して同じような写真が撮れる訳ではありません(僕の腕が悪い?)(^^;。




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荒木氏の写真との違い、というより彼女の(写真の)特徴の1つが「品の高さ」だと感じています。

【追記】
この「品の高さ」は僕にはない要素なので、敏感に感じてこの写真をセレクトしたと感じています。
つまり僕は「品の高い」ものに魅かれている(憧れている)のでしょう。

ただしここで説明している「品の高さ」とは、「下品ではない」という意味ではありません。

「品がある」という言い回しとも少し違うと思うのですが……。

彼女に下品な感じで、と注文すればそれっぽいものが撮れると思いますが、他の人よりも「品の高い」写真になると僕は想像しています。

っていうか、この写真も品のない設定ですよね(^^;。

彼女は「花魁(おいらん)」の格好をしていますし……。

あっ、「りらん」だから「おいらん」と韻を踏んでいる訳ではありませんからね(笑)。

こちらの方で服装の注文はしていないので、おそらくそうではないと……(本人に訊かないと分かりません)(^^;。

芸術作品の「品格」はなかなか言葉では説明しづらいので困りますが、例えば「上品な人」を撮ればその写真の品も高いか、といえば(必ずしも)そうなりません。

……こう書くとりらんさんは「品がない」かのように誤解するかもしれないですね(^^;。

普段の彼女を僕は知らないので分かりませんが、写真に写るからにはその人格のどこかに「品の高み」が存在するのでは、と思っています。

つまり、俗に言う見てすぐ分かる「品」とは少し違うと感じています。

……と色々考えていたら、その解釈の1つを説明しているページを見つけました。


花について/荒木経惟論(3/加筆2)


価値観によって受け止め方は様々だと思いますが、品が高いからといって必ずしも芸術的価値も高い訳ではないのでご注意下さいm(_ _)m。