このブログの写真に関する話題が良かった、とお褒めの言葉でした。
写真の感性=「物を見る目」に関して一目置いている先輩なので、技術的なことだけの記述のみで、恐縮するしかないのですが、やはり嬉しいものです。
しかし所々いい加減に書いているので、やはり参考になるレベルまでの正確な記述を、心掛けないといけませんね(苦笑)。
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その一方で、前の「フォトレタッチ 5」の回の見本例の修正後の写真の色がおかしい、と他の写真仲間から指摘されましたorz。
わざわざプリントして来たものを見せてもらいましたが、確かに少し色がどぎつい。
マゼンタが強い、と言われましたが、背景を見るとシアンが浮いています。
人為的な原因として、多少いい加減で雑なレタッチをしています(^^;。
1枚1枚丁寧にレタッチしている時間がありませんから(;^_^A。
モニター上で全体の雰囲気を理解してもらえれば、というか、モニター上の小さい画像では細部の粗は分からないので、厳密な処理は必要ないだろうと思っていました。
それに加え、「モニター環境」の違いも大きいでしょう。
これはカラーマネジメントに関係してくるので、詳細は次のリンク先を参照して下さい。
ご自分のモニターのチェックも出来ます。
液晶ディスプレイとカラーマネージメント
Is your system ICC Version 4 ready?(プロファイルのテスト)
僕のモニター環境は次のリンク先からダウンロード出来る、「RGBワークフローガイド2007(PDF)」を参考にして、演色AAA昼白色蛍光灯(N-EDL)の部屋で、モニターの輝度を「80cd」に設定しています。
毎月測定器でモニター・キャリブレーションを実行しているので、機械に不具合がなければ表示に問題ないと思います。
DENJUKU WEB
僕のような環境を皆さんに強要するつもりはありませんし、全員は実行不可能でしょう(笑)。
ただ気になったのが、「80cd」というモニターの輝度です。
これは測定器を使わなければ判らない値(単位)です。
通常のモニターの最大輝度は 300cd 前後です。眩しいので最大値で使っている人は殆どいないはずですが、大抵は 150cd くらいが最適だと言われているので、その付近で使っている人が一番多いのではないかと思います。
すると僕のモニターの約2倍の明るさで鑑賞していることになります。
明るくなればコントラストが上がり、メリハリのある硬い調子の表示になることが推測出来ます。
今回はそう言う意味で、様々な環境を考慮した「画作り」が大切だと、教えてくれているのかもしれません。
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それとは別に、僕が話題にしているテーマは「階調性」に関する「ダイナミックレンジの調整」であり、色の問題とは直接関係ないので、色に関して疎かにしていました。
色は「RGB」、「CMYK」モードが有名ですが、写真を扱う上で「CIE Lab」と「HSB」モードの理解は重要です。
「CIE Lab」と「HSB」は共に似たような「色の表現モデル」ですが、特に「HSB」は色を扱うソフト(ワープロ等)に影響力を及ぼしているので大切です。
「HSB」は「マンセル表色系(色立体)」とも呼ばれ、1905年マンセルが発表した「色相」・「明度」・「彩度」の色の3属性についてのカラーメトリーと呼ばれる色立体が基本となっています。
一般的には各属性の頭文字をとって「HSB」という表記で使われます。
ちなみに JIS にも採用されています。
「ダイナミックレンジの調整」で基準となるヒストグラムは、どちらかと言えば感覚的に「明度」の要素が強いと思います。「露出の決定」に使われることが多いからです。
しかし、色は明るくなれば薄くなり(最終的には白)、暗くなれば濃く濁ってきます(最終的には黒)。
その為「露出の決定」は副産物として色の発色に影響を及ぼします。
よく「露出の良い写真は色も良い」と言われるのもそれ所以です。
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「ダイナミックレンジの調整」の続編ですが、先日調節の仕方が分からないと言う人がいたので、ソフトの説明書をご紹介します。
操作が分からないのに説明書を読まないのは、(車等の)無免許運転と同じで危険です(笑)。
「ダイナミックレンジの調整」は基本中の基本なので、どのソフトでも説明してあるはずです。
Photoshop の「レベル補正」と同じ効果です。
カメラの「自動露出」と同じで、条件の良い撮影では RGB のハイライト・ポイントとシャドウ・ポイントを揃えるだけで、露出だけでなく、カラー・バランスも整ってきます。
しかし全てそれで上手くいかないので、Photoshop の「レベル補正」には中間調(グレー・ポイント)と合わせて3つ調整スライダーがあります。
次の例は、ダイナミックレンジの調整だけではカラー・バランスが整わなかったので、R(レッド)の中間調を下げています。
中間調(グレー・ポイント)の調整には、画面内にグレー相当部分があると調整しやすいです。
この写真の場合だと、画面下の石畳部分ですね。
完璧なグレーではないので、撮影時の記憶が頼りですが……。
プロがスタジオ撮影等で、カラー・チャートを画面内に入れてテスト撮影するのも、ほぼ同じ意味です。
色に関して付け加えると、「肌色の再現の難しさ」です。
春先なので、彼女等の肌色は肉眼では同じように見えます。
脚下を見てもらいたいのですが、曇っていますが、光が右斜め上後方から左斜め下手前に差しています。
その為日向になった右の女性に比べ、日陰になった左の女性の肌が青味を帯びています。
ほんの少しの照度差ですが、肌色には影響を及ぼします。
脚の部分を注目してもらえば分かり易いと思います。
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硬い話が続いたので、最後に rinaco さんの写真で癒されて下さい。
見たら余計に硬くなってしまったって?
僕の責任ではないので、クレームは彼女の方に……(笑)。
僕だったら彼女に感謝しますが……、何か?о(ж>▽<)y ☆