夕涼み | Down to the river......

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写真・音楽等の趣味や、日々の雑感、または個人的な備忘録……

Pearl_Pierce8月が終わりますが、例年にない肌寒い日が続いています。
体調を崩された方も多いと思います。
しかもここに来て、各地で甚大な被害をもたらした局地的大豪雨。
正直ここまで来ると国レベルではなく、個人レベルで環境問題に取り組まないといけない、とさすがの僕も考えてしまいます。
日本の夏(否、季節)が崩壊していると感じざるを得ないです。


label_Aそんな僕の思考の片隅で思い出したのが、松任谷由実の「夕涼み」という曲です。

今の若い世代には、「夕涼み」という言葉自体が死語(=意味分かんない)かもしれませんね。
僕が子供の頃は、今みたいに日本の夏は一日中(朝晩)暑くはなかったんですよね。
午前の早い時間や、宵の口の手前の晩の時間は、真昼に比べると過ごしやすかったんです。
で、父親がひと風呂浴びて、枝豆をつまみにビールを飲みながらTVの巨人戦のナイターを観るのが、大半の日本の家庭の光景でした……。


label_B当然今と違って、エアコン(クーラー)を備えていない家庭が殆どでした。
それでも、扇風機だけでそれなりにしのげていました。

多くの家の前の通りでは、打ち水をして暑さをしのいでいたからです。

現在では、打ち水をする家庭は殆ど見かけません。
そうです。そんな手間がかかり、効果もより低い事をしなくても、皆さんクーラーをかけるからです。


mizumaruそう考えると、今の生活習慣が本当に快適なのか、疑問に感じてきます。
クーラーのかかった涼しい室内で、かき氷やビールを食する事が本当に快適な事でしょうか?

かつての日本の夏は、夕立等で晩や夜は暑さがおさまり、一息つけるメリハリのある一日でした。

そんな情緒ある日本の夏の情景を歌ったのが、松任谷由実の「夕涼み」です。


1982年に発表された『PEARL PIERCE』に収録された一曲が「夕涼み」です。
イラストを担当したのは、『象工場のハッピーエンド』等の村上春樹とのコラボで有名な、安西水丸さんなんですね。
このアルバムは、評論家やリスナーから高い評価を得ていたので、数年後中古で購入しましたが、一聴した感想は、「ユーミンにしては、結構地味だな」でした。
それもそのはず、当時流行のピークであった AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック=今で言うアダルト・コンテポラリー)を意識したサウンドだったのです。
そのため、何度も聴き直すごとに良さが分かる、通向けのアルバムになっています。


DAYDREAM 灼けつく午後
水撒きしてはしゃいだあのガレーヂ
HEY! DREAM ゴムホースで
きみがふと呼びこんだ虹の精

みがいたルーフを金の雲が um…流れた

窓を開けて 風を入れて
むせるくらい吸い込んだね
二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節

STAY DREAM 傾いてく
陽差しの魔法はとてもはかないね
SAY DREAM 願いごとは
叶いそうになったら教えるよ

笑った瞳に細い月が um…映った

濡れた髪と 焼けたうなじ
むせるくらい抱きしめたね
二人きりの夕涼みは
哀しすぎる記憶

窓を開けて 風を入れて
痛いくらい吸い込んだね
濡れた髪と 焼けたうなじ
痛いくらい抱きしめたね
二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節



夕涼み(YouTube へのリンク)

この曲を聴くと、夏は少し汗ばむくらいが男も女もセクシーだな、とつくづく思います。
勿論、普段から清潔にしている事が前提ですが(笑)。

音譜
窓を開けて 風を入れて
痛いくらい吸い込んだね
濡れた髪と 焼けたうなじ
痛いくらい抱きしめたね

音譜