少年の瞳とナイフ

　今日、お袋が退院しました。

　体調は微妙そうです。

　もう完全に治る事は無いのかな。

　それも有り得る話です。

　まあしんどいですが、このままやって行くしかないですね。

　正直言うと支援疲れは出ています。

　私がここまで奮闘しても結局お袋自身に意地でも治ろうと言う気が無いのですから。

　それが悪いように働いています。

　結局お袋は治りたいのかどうか分かりません。

　もう諦めている節が有ります。

　ただ今回はデイケアに通う事が退院条件になっています。

　それには意地でも通って貰わないと行けません。

　ただ、それもまたお袋にとっては不満なのでしょう。

　お袋はデイケアを馬鹿にしていますからね。

　ただ遊んでいると思い込んでいます。

　でもあれも立派な治療の一つなのです。

　それを理解して欲しいですね。

　まあ理解するなんか無理なのでしょうが。

　取り敢えず退院出来た事は一つ救いになるでしょう。

　病院での生活に慣れ過ぎるのも良くないですから。

　相変わらず変な事は言っていますがドクターが退院しても良いと判断したのでしょうし。

　また今回もソーシャルワーカーにだいぶ助けて頂きました。

　それもまた大きいですね。

　お袋ともちゃんと人間関係を築こうとして下さっていますし。

　非常に有難いです。

　ただお袋の側はどう思っているかは分かりませんがね。

　でもさ、こんな事言ったら切りがないですが、お袋にはもっと素直になって貰いたいです。

　これだけ色々な人が動いているのに、それをお袋が自分で関係を築く事を拒んでいては何にもなりませんよ。

　そういう所は確かに有ります。

　これも若しかすると病気の症状の一つなのかもしれません。

　昔私の主治医が病気と仲良くなると厄介だと言っていましたが、今のお袋はまさにそうだと思います。

　完全に病気に支配されてしまっています。

　だから周りの人の意見なんかどうでも良いのです。

　そんな物には一切靡かないような状態になっています。

　だから厄介なのです。

　もう少し他人の言う事をお袋が聞くようになればそれはだいぶ大きな進歩だと言えるでしょうが、その気は一切無いようですし。

　しかもはっきり言って、お袋は頑固過ぎます。

　どういうアプローチをしても結局は言う事を聞きません。

　それがお袋の最大の短所です。

　おまけに妄想を妄想だと指摘されても結局言う事を聞かないので、馬鹿みたいに大騒ぎしてしまいます。

　誰かに妄想だと言われたら一度立ち止まって自分の状態を確認するとかして欲しいですね。

　それが無くただただ突っ走るだけでは何にもなりませんし、そういうのは悪いですが馬鹿だと言っても良いです。

　シンプルに他人の言う事を聞けないのです。

　それは本当に良くない事だと思います。

　結局はそこに帰着します。

　誰か他人の言う事を聞くようにならないと、何にも始まりません。

　それをお袋には分かって貰いたいですね。

　自分が自分がではどうにもならないのです。

　医者にしろソーシャルワーカーにしろ誰でも良いので言う事を聞いて欲しいです。

　今回もデイケアに通う事を一つ条件にして退院しましたが、そのデイケアを小馬鹿にしているので果たして通ってくれるかどうかが分かりません。

　ちょっと色々私としては自信が無いです。

　お袋は平気で他人との約束を破るようになりましたしね。

　取り敢えず、暫く様子を見ます。

　デイケアも単にがちがちの治療という訳では無いので、少し楽しむ気分も忘れずにいて欲しいです。

　ただ嫌だとか馬鹿馬鹿しいとか言っていないで、もう少し素直になる方向にベクトルを変えて行って貰いたいですね。

　私もデイケアで一年間過ごしましたが、そこでの体験は本当に大きい物となっています。

　まあKG山やたかみーと言った人間の屑みたいなのにも絡まれましたが、ヒロちゃんのように生涯の友を得られましたし、何より今の私の仕事でのコミュニケーション能力の現れ方はデイケアで鍛えた物になります。

　結局は扱い方なのです。

　そういうのがお袋には分かって貰えないようですね。

　素直になればデイケアもきっと楽しい物になるとは思います。

　少なくとも私にとってはデイケアは糧となりました。

　そこで学んだ事は大きいです。

　それをお袋にも同じように感じろとは言いません。　

　きっとそれは恐らく無理なので。

　でも出来るだけ素直になっては貰いたいですね。

　私が社会復帰出来たのはデイケアの力が大きいですから。

　それと同じ物を期待したいです。

　まあお袋は、兎に角他人の言う事を聞くようになって貰いたいです。

　そうしないと話が進みません。

　それを一個目標として今後やって行きたいです。

　幸いソーシャルワーカーが同郷らしく、それで一つ会話の糸口が掴めているので、それをまあ何と言いますか切っ掛けとして、それでやって行って貰いたいですね。

　またお袋も誰か相談出来る相手がいた方が良いと思うのです。

　そういう意味でも決して無駄な事ばかりでは有りませんとそのように感じて欲しいですね。

　私に出来る事はお袋がまた食事を取らなくなったならば、入院に踏み切る事くらいです。

　それが一つお袋に出来る最大のアクションになります。

　ただきっとお袋は私に病院にぶち込まれたと恨むでしょうが。

　そうやって私とお袋の関係が悪化する事は一個防いで置きたいですね。

　何しろそうしないと本当にお袋は言う事を聞いてくれなくなります。

　中々難しいんですよこれが。

　ただお袋は今回退院出来た事をどう思っているのでしょうか。

　一応院内で少しトラブったのでそれで退院する事となったのですが、それで本当に良かったのかなあとは思います。

　しかしあの担当看護師から逃れられた事は大きいです。

　今回の入院時の担当看護師が結構酷い人でね。

　頓服薬を出してくれない人だったんです。

　それも独断でですよ。

　何かそれって違くないですか。

　医者に確認したらそういう指示は出していないと言うのです。

　時々いるんですよ、そういう外れの看護師。

　今思えば秋ちゃんがそうだったからなあ。

　まああの人から離れられるだけマシかなとは思いますね。

　これからまた自宅療養です。

　訪問看護もびっしり入っています。

　それで様子を見つつですね。

　私も頑張ります。

　今日は退院して来て疲れたでしょうから明日親父の事を話そうと思います。

　尤も良い報告は何も出来ませんが。

　明日も仕事です。

　頑張ります。

　一日一善。

　明日をバーンと信じましょ。

　ドロン。