月を求め海を漂う | Q1999=Q-IIIの奮闘記

月を求め海を漂う

 今日はお休みでした。

 お袋の様子を見に行きました。

 元気と言えば元気そうでしたが、矢張り変な事を言っていますね。

 まあ妄想が完全に取れる事は端から期待していないので良いのですが、相変わらずの病識の無さにはこちらとしても正直びっくりしています。

 あれだけ苦しみながらもまだ精神疾患が理由では無いと言い張るのです。

 現実を見ようとしないのが良く分かりますよね。

 もう少し自分の置かれた状況を把握して貰いたいです。

 でもそれを出来ないのが病気と言う物でしょう。

 お袋からが客観性は全く消えてしまいました。

 全部自分が自分がの毎日です。

 正直言うとしんどいですよ。

 でも病気になるとはこういう事なのでしょう。

 ただ最近は作業療法に少し楽しさを見付けたのか、それをやっているようです。

 そこはこちらからすると千里の道を一歩で踏み越えた程大きな事だと思っています。

 あれだけ病院の作業療法を馬鹿にしていて、あんな物は自分がやるべきでは無いと主張していたお袋が、こうも変わって来るとはね。

 そこは素直に良い事だと思います。

 まあどういう理由でそうなったかまでは分かりませんが、お袋の中で何か変化が有ったのでしょう。

 かなり積極的に作業療法に取り組んでいるようです。

 しかし退院後の生活でもそれをするかと言われると中々難しいかもしれません。

 入院しているからこそ、作業療法以外にする事が無くそれでやっている感じは有ります。

 退院してまで、例えばデイケアに通うとかはしないと思います。

 そこが一つ課題です。

 でも作業療法は確実に効果が出ている気がします。

 見た感じ、前の入院時よりかはまだマシそうなのです。

 これは正直大きいと思っています。

 前に入院していた頃は、会話すら出来ないレベルまで落ちていて、意思疎通が全く図れない状態になっていましたが、そこまではなっていません。

 寧ろ見た感じ結構元気そうなのです。

 ただそれは私の見た限りの話で、本人がどう思っているのかはまた別問題ですがね。

 でも私はそこまで悲観するべき状態では無いかなと思います。

 寧ろお袋の頑張り具合が良く見えるなと思うのです。

 但し、相変わらず変な事はずっと言い続けていますがね。

 それを妄想と認めたがらない所がお袋の一つ駄目な所です。

 妄想なんです、現実では無いのですと伝えても、そんな事は無いと返って来ます。

 もうそれが疲れます。

 基本的に他人の言う事を聞かないタイプなので、そこは仕方が無いのかもしれません。

 もう意地を張るのを辞めて、もっと素直になってこちらの言う事を聞いてくれればどれ程楽かと思うと、中々割り切れないですがそれも病気の特徴なのでしょう、仕方が有りません。

 お袋はもう少し他人の言う事を聞くべきですね。

 特に今折角入院しているのですから、ドクターや看護師の指示にはしっかりと従うべきだと思います。

 その為の病院での生活のような物なので、そこは意識して徹底して貰いたいです。

 私はもう少し、お袋が軟化してくれれば良いなと常々思います。

 もう妄想に雁字搦めになってしまっていて、こちらの言葉が届かないのです。

 それって正直地獄ですよ。

 どれだけ色々言っても聞く耳を持って貰えませんからね。

 説得のしようが無いです。

 お袋には無理を言うようですが、自分の判断だけを頼るなと言いたいです。

 全部検査はクリアーしているんです。

 それなのに、身体が悪いと主張し続けています。

 今日は不整脈だとか言っていました。

 何かそれも違うとドクターは言っているようなのです。

 でも聞く耳を持ちません。

 はっきり言ってそこはお袋が頑固さ故に損をしている部分です。

 そこで医者の言う事を聞いて、それで回復に向かうにはどうしたら良いかを考えて行くのが入院生活での一種の目的で有るのに、自分は正しい周りは間違っている思考で動かれると、入院しても何も意味が無いと言えます。

 何時までも病院から出る事が出来ないなんて事は有り得ないのですから。

 それは経済的な理由だけでは無いです。

 何時か病院からは出て行かないといけない。

 ならばそれに向けてステップアップをして行くようにしないと何も意味は有りません。

 その事を本当はもっと分かって欲しいのです。

 でもその言葉も通じません。

 お袋は自分のやりたいようにやりたいのでしょうが、それが許される段階では無い事を理解するべきです。

 若しも今のまま再度退院なんかになれば、それはまた同じ事を繰り返すと言う事となり得ると思います。

 せめて自分がどういう病気なのかをはっきりと理解して貰いたいです。

 そして自分の感覚を疑う事を覚えて欲しいですね。

 お袋はそれが出来ていません。

 ただただ自分が正しいと思っています。

 そんなの間違いだと指摘しても無駄です。

 それがお袋の中に有る一種の病気の元になります。

 もっと私の言葉が届いてくれればそれがどれだけ嬉しい事かと思います。

 でもそれを望んでしまう時点で、私もお袋の現実を受け入れていない証拠になってしまいますね。

 家族としてはしんどい物ですよ。

 中々お袋も曲者で、どう説得しても持論を展開して躱して来ますからね。

 でもそのお袋の認識ってかなり的外れなのです。

 それくらいは認めて欲しいです。

 まあ認めていればここまで酷くはならなかったでしょうが。

 取り敢えず私は抱えている物が大き過ぎます。

 こちらに掛かって来る負担もかなりの物です。

 まあどうしようも無いのが現実なのですがね。

 ただ私が独りでそれを抱えてお袋を支え続けるのも違うとは思いますが。

 他の家族が全く機能していないのが本当にしんどいです。

 私ももう支援疲れが半端では無いです。

 どんどんと貯金は減っていますし、もういい加減にして欲しいですね。

 他の家族は皆ノーダメージでしょう。

 もうね、信じられません。

 と言うかふざけんなという話になります。

 何故私がここまでお袋を支えないといけないのでしょうか。

 私だって自由が欲しいです。

 この人生をもっとまともに生きたいです。

 そう願うのは駄目な事なのでしょうか。

 もう疲れた。

 取り敢えずお袋は思ったよりも元気ですがまだまだ妄想全開でした。

 何か色々ごちゃごちゃ言っていましたが、ならば病院に頼んで精密検査を受ければ良いんです。

 でもそれも聞く耳持たないでしょ。

 検査結果が改竄されているとか平気で言いますからね。

 ようするに自分の思ったような結果が出ないとそれは偽になるのです。

 だったら検査なんか何の意味も持たないのですがね。

 そして挙句の果てには病院に殺されるとか言い出すからもうこっちはしんどいです。

 今日はそこまで酷く無かったですが、結局どうしたら良いのかが分かりませんね。

 次に私の外来時にまたカンファレンスが有ります。 

 そこでどうしたら良いかを考えて行きます。

 明日もお休みです。

 ゆっくり過ごしたいです。

 一日一善。

 明日をバーンと信じましょ。

 ドロン。