こんなことを思い出していました。
小学校のクラスメイトに
けい君という男の子がいました。
彼は片方の肘から下がなく、
義手をつけていました。
夏でも
長袖の白いシャツを着ていて、
袖から肌色の冷たい手が
のぞいていました。
私はけい君と仲が良かったです。
席が近かったので
休み時間もよく遊んでいました。
でも、そういえば
どうして義手なのか
理由を聞いたことが
ありませんでした。
それが彼の普通だったので、
疑問にも思わなかったし、
「それが」けい君だったから。
私たちの学校は、高学年になると
1年生や2年生のクラスの
掃除をするようになります。
あるとき、私とけい君が
低学年のクラスの
掃除をしていたとき、
そのクラスの担任が
けい君に注意しました。
「そんなふざけたほうきの掃き方して！
ちゃんとやりなさい！」
けい君は義手で
一生懸命掃除をしていました。
先生はそのことに気づくと、
「あら、ごめんなさいね。
手が不自由なのね」
と言いました。
けい君は、きっと
人生の中で何度となく
自分の手について考えたでしょう。
そして義手であることで、
いろいろな思いを感じたでしょう。
大人になった今、
私はふと思いました。
そういえば彼は、
どうして義手になったのだろう？
…でも、そんなことは
私にとってはどうでもいいこと。
けい君は、けい君だから。
あなたの輝く未来が叶いますように
私はいつも応援しています。
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