環境美化しちゃだめですか?

こんにちは、よしまるです。

最近、暑いですね。おかげで昼間からビールが飲みたくなって困ります。

 

というわけで(何が「というわけ」なのかはさておき)、前回に引き続きお付き合いしていた在日三世の彼女の話です……。

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何年か前の夏、彼女と2人で長野県へ泊りがけの旅行をしたことがあります。そこは古いテレビドラマのロケ地にもなった有名な避暑地で、宿泊施設の近くには馬や羊やヤギと触れ合うことができる、大きな観光牧場がありました。

 

現地に到着したわたしたちは、さっそく牧場へ……。そこには小さな豚さんやミーアキャット的な生き物(マングースなのか??)もいて、入場料を払って施設内に入ると、観光客が動物と遊ぶことができるようになっていました。角のあるヤギや、蹴ることもある大型の馬は柵越しに触れ合うかたちですが、ミニチュアホースのように危険ではない動物に関しては、芝生に放し飼いのような状態になっていて、鼻面をペタペタと触らせてくれます。

 

牧場にはポニーもいましたね。いっぱい触らせてくれました

 

彼女も動物は大好きなようで、子豚や生まれて間もないヤギさんと触れ合いながらキャーキャーと喜んでご機嫌でした。特に小さなヤギさん達は人間が大好きな様子で、自分からグイグイと頭や体を押し付けてくるんです。子豚さんも背中をこちらに向けて「撫でて♪」といった感じでお尻を振ります。かわいかったですよー。

 

そろそろ食事でも……ということになり、2人でロッジのある方へ歩き出しました。すると、わたしの目の前の芝生に空き缶が落ちているのに気が付きました。ペプシコーラの350ml缶です。きれいな緑の芝生の上にコーラの空き缶……。これ、気になりますよね?

 

わたしはロッジのゴミ箱に捨てればいいかと考え、そのコーラの缶をひょいと拾い上げました。すると……。彼女が大きな声でこう言いました。

 

「やめなよ!」

 

ん……? わたしは彼女が何を言っているのか、一瞬理解ができませんでした。え? 何? やめろって言ったの? だって、こんな綺麗な芝生の上にゴミが落ちてるんだから、普通片付けないか? ポニーやヤギさんもいるし……。まあ、こんなところに空き缶を捨てる奴が一番いけないんだけど、それはそれとして、ゴミはゴミ箱に捨てるべきでは?

 

……といったようなことを、彼女に説明しました。わたしは手に空き缶を持ったままです。で、このわたしの“説明”が、彼女の心の怒りの炎に点火をすることになってしまったのです。

 

「だって、汚いじゃない! そんなもの拾わないでよ! あなた、あとで手を繋いで歩きたいって言わなかった? そんな汚いものを触った手なんて、絶対に繋がないからね! 信じられない。なんでゴミなんて触るの? もうその手でわたしの髪とか触らないでよ! 汚いんだからそんなもの早く捨てて!!」

 

いや、あのさ……。たしかに空き缶を拾ったけど、ベタベタでドロドロのやつとかじゃなくて、さっき捨てられたばかりに見える綺麗な(ゴミを「綺麗な」というのも変だけど)缶だよ? そんなに「汚い」って騒ぐほどのものじゃないと思うんだけど……。それとも、韓国だとゴミが落ちてても片付けないの? 道や芝生がきれいな方が良くない??滝汗

 

というように、なんとか理解してもらおうと努めましたが、彼女はますますアツくなるばかりで――。

 

「なんで他人が捨てたゴミをわたし達が片付けなきゃいけないのよ!! わたし達、お金でももらった⁉ ディズニーランドのキャストはお給料をもらってるから清掃するんでしょ? なんでタダでそんなことするの!? そんなの“損”じゃない!! わたし達、その空き缶を捨てた人の使用人でも部下でもなんでもないのよ!?」ムキー

 

出た! 「損」の理論……。DAISOのビニール袋の時と同じだな……。なるほど。彼女にとって無償のゴミ拾いという行為は、自分が「ゴミを捨てた人間の下になる」という理屈になるようです。ふーん。すごいな。そういう考え方もあるのか……と、妙に納得してしまいました。

 

結局、わたしは空き缶をその場に捨てるようなことはせず、ロッジに備え付けのダストボックスに放り込みました。彼女はわたしがゴミを持ったまま歩くことが大層気に入らない様子で、ずっと不機嫌なままでした。

 

……って、これどう思います? わたしの中ではいまだに消化できていないです。環境美化しちゃダメかね? それとも、それは日本と韓国というお国柄の違いの問題なの?? 誰かわかる人がいたら教えてください。

 

好戦的な彼女の話……。思い出したら、また書きます。お読みいただき、ありがとうございました。