犬神家か!

こんにちは、よしまるです。

最近、よく父のことを思い出すので、何回か思い出を書かせていただきました。

 

 

 

今回は父とお酒について……。

 

とにかくお酒が好きな人でした。ビール、焼酎、日本酒をよく飲んでいました。以前も書いた通り、休日は午後の3時頃から飲み始め、夜の0時くらいまでずっと飲み続けるんです。座間駅前のスナック「ジュン」にも顔を出したり……。ただ、それで二日酔いになって仕事を休むので、借金もずいぶんかさんだみたいですが。

 

父の休日のルーチンとして、午後3時近くになると、台所でスーパーで買ってきたモヤシを炒めはじめます。酒のつまみですね。それでテレビを観ながら、焼酎の「純」(720ml)を麦茶割りにして飲み出します。麦茶割りってあまりやらないですよね。でも、父はそれが大好きでした。

 

モヤシ炒めを食べてしまうと、次は冷蔵庫から豆腐を取り出して冷奴をアテに飲みます。時刻は午後5時に近く。このあたりからもうつまみを作るために何かを調理するような元気はなくなっているため、パックから取り出すだけで良い豆腐くらいしか食べなくなります。

 

冷奴を食べてしまうと、次は缶詰を開けます。サバ缶とか、当時は安かったですからね、いつも買い置きがありました。今ではサバ缶もなかなかの値段ですから、あまり買えなくなりました。

 

そういえば一度だけ、缶詰で焼酎を飲んでいた父が「味が薄い!」と怒っていたことがありました。「おい、○○(わたしの本名)! このツナの缶詰は味が薄いな!」と文句を言いながら、しょう油をかけて食べていました。

 

でも、それって猫缶だったんですよね。パッケージに猫の写真が付いていないやつだったので、間違って食べちゃったみたいです。酔ってるし……。まあ、食べても死にゃあしないだろうと思って放置していましたが。

 

こういう猫缶だったから分かりづらかったみたい。でも、サバ缶より高級なんですよ!

 

で、だいたい午後10時を過ぎると、食卓で寝てしまいます。横になる訳ではなくて、胡坐(あぐら)をかいた姿勢のまま頭を前に倒して居眠りするんです。なぜか周りの物音には敏感で、何か音がすると「はっ!」という感じで起きて、少し食べて、また飲んで、そして、眠る……を繰り返します。

 

もう家族はあきらめているので、父のことは完全にほったらかしにして、銘々で食事をしたり風呂に入ったりして、それぞれの部屋で寝てしまいます。

 

ある日、わたしが風呂から出ると、いつものように父が食卓で眠り込んでいました。ただし、その時は頭を垂れた姿勢で寝ているのではなく、完全に食卓に突っ伏したかたちでした。しかも、前に置いたメシ茶碗に顔を突っ込んで寝ています……。マジか。

 

たぶん、わたしの気配に気付いたのでしょう。酔っぱらい特有の動きで、また「はっ!」という動きで顔を上げたのですが、父の顔にはごはんつぶがベッタリ付いて真っ白になっていました。思わず「スケキヨか!」とツッコんでいました。あほなんだから、まったく……。

 

スケキヨ

 

父があまりにも長時間座り続けるので、今の床のその部分だけ根太が沈みこんでいましたもんね。よくまあ、あんなに長時間お酒を飲み続けられると感心したくらいです。結局、それが原因で頭の血管が切れて、入院して、病院を勝手に抜け出して(味気ない病院食とアルコールが摂取できない生活に耐えられなかったんです)、自宅で倒れて亡くなってしまいましたが……。

 

健康診断なんかも一切受けようとしませんでしたからね。風邪気味の時でも、絶対に温度計で熱を計ろうとしないんです。

「熱を計って38度という数字を見た瞬間に人は病気になる。熱を計らなければ熱がないのと同じなんだ」

という謎の理論によるものでした。理解できますか、これ?

 

 

父のことを話しだすときりがありません。思い出したらまた書きます。

お読みいただきありがとうございました。