週末は天気が荒れ気味のロンドン。
遺跡日和とはかけ離れていたので、今週は買い物へ。
O2アリーナにある、アウトレットショッピングモール。
O2はイギリスのdocomoとかauみたいなキャリアで、そこが持っている東京ドームのようなところ。
錦織圭選手が出たことのあるNitto ATPファイナルズの会場です😆
かなり大きなレストラン街も入っているのだけど、半分かそれ以上やってなかった、、
コロナの影響だろうなぁ😟
さてさて。
表題についてですが
(メンタルヘルスだけじゃなく、専門の世界史はもちろんまだまだ勉強します😆)
この週末、ある王国について知る機会がありまして。
その王国とは、
ナバテア王国。
と聞いて、ああ〜となる日本人はどのくらいいるかな。
ちなみに高校世界史ではかすりも出てきません💦
場所はここ。
いやー、、なんだかどの時代でもきな臭そうなエリア😅
Wikipediaがとてもわかりやすいので引用させていただきますと
ナバテア王国は、紀元前2世紀前半頃にペトラ(現在のヨルダン西部)を中心に栄えたナバテア人の王国。元来ペトラ周辺を拠点に活動していた遊牧民であったナバテア人はキャラバン貿易によって莫大な富を形成し、ペトラに先住していたエドム人を排除して定住生活を営むようになった。紀元前168年に建国され、キャラバン貿易の商隊路に沿う形で領土を広げていった。紀元前63年にハスモン朝イスラエルの内戦に介入するが、共和政ローマ介入によって最終的にローマ軍にペトラ目前まで攻め込まれ、ローマの属国となった。その後、アラビア半島西を通る交易ルートは紅海を通る海上ルートが主流になっていったためペトラの商業都市としての重要性が低下し、その衰退の勢いを止めることができないまま、106年にローマのアラビア・ペトラエア属州に組み込まれて消滅した。
と聞くと、あぁ〜ペトラとなるかと思います。
これですね。
この文章だけではなるほど、小国が栄えて大国に負けて滅んだのか、よくある話だな〜…だけど、もっと掘り下げると見えること・考えさせれることがたくさん…!
当時の猛者たちの存在を確認したあとにナバテア王国の位置を改めて見ると、めちゃくちゃ恐ろしいことがわかります💧
ビッグマムとカイドウに挟まれてる…的な💧
(ワンピースネタ)
ちなみにインドにはクシャーナ朝、中国には後漢と、世界史の中でも稀に見る猛者時代。
世界史勉強するときは、その時代の世界全体を見ることを超絶オススメします
このナバテア王国。
とにかく、ものすごい交易拠点でした。
アラビア半島南部の乳香がものすごい高級品で、それを独占的に扱っていたようで、その売買額たるや凄まじい。
もともと馬を使った貿易を行っていたナバテア人の定住により、シルクロードの通商上の要所でもあったペトラは、隊商都市として繁栄を極めた。優れた灌漑・貯水機能を有し、砂漠の都市にもかかわらず水に不自由することは無かったという。交易により巨万の富を築いたナバテア王国はペトラからエドム人を排除して領域の支配を固め、一方で超大国であったローマ帝国とは対立を避けることで国を安定させた。初代王のアレタス1世の時代には既に貨幣の鋳造が始まっており、広範囲な経済的、政治的自由を謳歌していた。
ここ、めちゃくちゃ大事で。
優れた灌漑・貯水機能
この、水の技術はめちゃくちゃすごくて、今でも機能しているそう。
ローマの技術もものすごいけど、それに匹敵するすごさ。
この時代の人類の技術ってほんと凄まじいんだよね。
この時代を調べれば調べるほど思うけど、人類はまっすぐ進化なんてしていない…
ローマンブリテンもそうだけど、ナバテアもお金持ちの家はセントラルヒーティングシステム完備だし、水洗トイレだし。
「時間なんて存在しない」という研究者もいるくらいだけど、ほんと「時間の流れ」のみに囚われていたら大事なことを見落としそうな気がするよ。
そしてもう一つ。
一方で超大国であったローマ帝国とは対立を避けることで国を安定させた。
小国ならではのやり方で、ローマ帝国を翻弄…というか、絶体絶命を切り抜けた。
この戦法は、超大国の性格を見抜いたうえで、小国としてどう生き残るか、というもの。
超大国であるローマ帝国は、超大国であるがゆえにここまでは許すだろう、というギリギリのところで駆け引き。
ナバテア人は、アラブ人の先祖ともいわれていて。
つまり…
手のひら返し、ズルいこと、騙すこと、狡猾さ
が美徳とされるとのこと😅
(これはある研究者談。まぁアラブの国に行って、騙されなかったことなんか一度もない🤣)
小国が超大国の狭間でいかに生き残るか、これはなんだか日本も見習うべきことがありそうです。
ローマ帝国とパルティアという化け物に挟まれたナバテア王国と、アメリカと中国という超大国に挟まれた日本が被る被る💦
(ちなみに超大国ローマと直接対決した大国、ナバテアを困らせたプトレマイオス朝エジプトは敗北してローマに吸収されてる。)
外交なんて、生き残りをかけた騙し合いだからね。
選択肢は常にいくつも用意しておかないとダメだということです。
陸の国は海の国とは比べ物にならないほどすべてがシビアだから特にね。
このナバテア王国は…
363年に発生した大地震の影響からペトラは隊商路として機能しなくなり、陸上交易の要所としての地位をパルミラに明け渡す形で次第に表舞台から姿を消す事になる。
大地震…
そんなとこまで一緒じゃなくていいよ😫
まだまだ発掘途中で、王宮すら見つかっていないのです。
そして…
たしかに派手な表舞台から姿は消したけれど、全盛期のときの灌漑システムのおかげで、それからは麦やイチジク、ブドウなどの栽培をする農業エリアとして生き残り、今でもそれが続いているそう。
本当の意味で生き残るとはどういうことかを考えさせてくれる国でもあるなぁと思います。
そして水インフラがいかに大事か
めちゃくちゃ難しいんだけど、大国ばかりではなく、小国がいかに生き残りをかけて全力で生き抜いたか、というほうがなんだか個人個人の人生を考えるうえでも参考になるんじゃないかなぁと思ったのでした
(手のひら返し、ズルいこと、騙すこと、狡猾さなどを推奨するわけじゃ当然ないんだけど、なんというか世の中誠実さだけでは渡れないよね、とも思ったり。個人の人生も、陸の国と渡り歩くにも)
ということで、ガッツリ世界史でした