未踏ジュニア
本日は、尊敬するブロ友栗山さんから教えていただいた、「未踏ジュニア」の研究をご紹介
教えていただいたのはこちら
リンク先のページから直接このプレゼン動画に飛べるので、是非ご覧ください
このアプリ、本当にすごい
場面緘黙だけでなく聴覚障害のある人や心身・脳機能の障害等で言葉が出ない人などの役にも立ちそうですし、翻訳版を作れば異言語間のコミュニケーションにも利用できたりと、今後様々な分野での発展が期待できそうです
場面緘黙当事者がプレゼン
そしてこのプレゼンで何よりも驚いたのが、
場面緘黙当事者が音声読み上げソフトでプレゼンをしている
ということです
場面緘黙について説明すると長くなるのでこちらをご覧いただきたいのですが
場面緘黙の子なら必ず一度は経験していると思われるのが、
「人前で話せないと社会に出た時に困るよ」
という言葉。
また、親に対しても、
「親が先回りして何でもしてあげるから喋らないのでは」
等の心無い批判があります
(場面緘黙は家庭環境に問題があるから発症するわけではありません)
場面緘黙は「症状」ではありますが、本人の意志や努力でどうにかなるものではなく(そんなものでどうにかなるのなら誰も苦労しない)、学校で合理的配慮の対象となる「障害」の一つとして扱われています。
※「症状」と「障害」の違いを簡単に説明すると、「症状」は一般的な病気のように“治療すれば治る可能性がある状態”、「障害」は“症状が固定して容易に改善する見込みがないもの”です。
なお、「障害」であっても症状改善することもあります。
場面緘黙は身体的に異常がないのに話せない=突然話せるようになる可能性もある状態であるため、「症状」とされているようです。
発達障害等の二次的症状として現れる場合もあるそうです。
例に漏れず私も色々言われた事がありますが、このプレゼンはそんな悩める親と子に
「話せなくたって全然大丈夫なんだ」
と勇気を与えてくれるものなのではないかと感じました。
そもそも話せないことの何が悪いのか
今回この動画を見てふと考えたのが、
「生まれつきの障害がある人や、病気のせいで後天的に話せなくなる人だっているのに、何故場面緘黙の人だけが無理して話せるようにならなければいけないのだろう」
ということです。
私は“発達障害の人の親に「親の躾が悪いからだ」と言うような無知な他人”のことを気にして、「どうにかして治さなくちゃ」と思い込んでしまっていただけなのではないだろうか…
そして、「(物理的に)話せないなら仕方がないけど、話せるなら話した方がいい」と思ってしまう根本的な原因って、どこにあるんだろう。
10年以上に渡って「どうにかしなければ」とずっと考え続けていた、そんな自分の意識を疑った方が良いのかもしれない、と。
確かに話せた方が便利ではありますが、それだけですよね。
「危険な目に遭った時に助けを叫べない」と言うのも聞いた事がありますが、話せても何かあった時には咄嗟に叫べない事の方が多いそうですし、叫ぶ事で逆ギレされて最悪の結果に至る事もあります。
叫んでも、誰かが助けてくれるとは限りませんしね。
叫ぶ練習をさせるよりも、スマホのSOSツールの使い方を練習させる方が良いと私は思います。
それに、話せない人が研究者としてやっていけないわけではない。
アメリカではもう30年近く前に合成音声ツールが開発されていて、ホーキング博士は日本でも有名になりました
音声読み上げソフトが安価で使えるようになった現在、話せないならツールを使えば良いだけのこと
それを否定するのは、何故か大抵優位に立っている側なのですよね。
困っている人が「困っている」と訴えているのに、困っていない人が「必要ない」と言う構図って、どう考えてもおかしくない
自分の優位性を保ちたいからなのでしょうか
社会の無理解…
このアプリが実用化されて学校でも使えるようになれば楽になる子が沢山いると思うのですが、以前こちらの本で、読み書き障害(ディスレクシア)の子が
板書を書き取れないのでデジカメで写真を撮らせてほしいと言ったら、「他の子から『ズルい』と言われて本人が辛い想いをする」という理由で断られたという話を思い出しました
当事者から見たら、「普通に漢字が書ける人はズルい」となると思うのですけれどねー
どこかのお坊ちゃまのように本来貰えないはずの賞を裏から手を回して不正に貰うのは“ズルい”と思ってしまうのだけれど、障害を補うためにツールを使うのを“ズルい”と言うのはおかしくない
その発想で行くと、メガネや補聴器や義足も“ズルい”のでは
スマホ一つで解決できる問題が沢山あるのに、「中にはスマホを上手く使えない子もいる」という理由で全部禁止されるのは絶対におかしい
単に教師が他の生徒に説明する手間を面倒くさがっているだけではないのか
(コロナ禍でも似たような“一律禁止”が沢山ありましたね…)
支援の必要な子が、補聴器やメガネレベルでスマホが使えるようになると良いなと思います
娘の場面緘黙
うちの娘は中学受験して環境を変えた事で、今は沢山の優しいお友達に囲まれて、特に苦労することもなく生活しています
小学生時代は原稿のある発表などはできましたが、学校では特に仲良しの2〜3人以外とはほとんど話すことができず、学校以外の場所では私と夫を除き一切話せませんでした
検診や病院で何度か相談したこともあるのですが、毎回「学校で話せるのなら、問題はないのでこのまま様子を見ましょう」と言われて終了。
場面緘黙(場面によって話せなくなる状態)から全緘黙(一切誰とも話せない状態)に悪化する事もあると知り、発症から10年くらいは常にハラハラしながら過ごしていました
中学受験では集団面接があったため、「本番で話せなかったらどうしよう」と最後の最後まで安心できることはありませんでしたが、こちらの作者様が書いていた
「場面緘黙の子は面接が得意」という言葉を信じて、娘にもその話をして、なんとか乗り切ることができました。
高2の今は、話せない相手は
・自分が話せない事を知っている人=昔からの知り合いや親戚
・圧の強い人
の2種類だけになり、逆に話せない相手の方が少なくなりました
「圧の強い人」は、嫌いだから話したくないだけかも
無理をさせずに環境を変えて、嫌な相手(娘をいじめた子達とか、碌でもない教師とか…)から遠ざけたのが正解だったと思います
逃げるは恥ではないし役に立つ
現在進行形でお子さんの場面緘黙に悩む人の中には、もしかすると
「苦手な人や集団から遠ざけるというのは“逃げ”であって、逃げ癖がつくと立ち向かう力が育たなくなってしまうのではないのか」
と悩まれている方もいるかもしれません。
でも、私が自身の経験を通して強く思ったのは、
「低レベルな人間とは付き合わない方がいい」
ということです。
何故か低レベルな人ほど、他人に自分の考えを押し付けて来る事が多いからです。
(「自分の口で話せないと社会でやっていけない」などと言う教師も同じです。)
低レベル=勉強ができない、というわけではありませんが、勉強ができない子の中に低レベルの子が多いのは確かです。
私も高校、大学と、自分の周囲に頭の良い人が増えるほど生きるのが楽になりました。
(就職したらまた低レベルな人が沢山いて、かなり消耗させられました…
結局耐え切れずに退職していましましたが、娘には私と同じ轍を踏まないよう「賢い人しかいない場所で働きなさい」と言い含めております)
馬鹿と鋏は使いよう、という言葉もありますが、馬鹿を上手く使えない人はさっさと使うのを諦めた方が消耗しませんし、人生の時間を無駄にしなくて済みます。
鋏が上手く使えないならカッターを使うこともできますし、対価を支払って使い方が上手い人に外注する事だってできるのですから。
(うちの夫は馬鹿を上手く使えるタイプなので、我が家では人付き合いは全て夫が担当しています)
学校が合わないなら学校を、仕事が合わないなら仕事を、人が合わないのなら人を変えれば良いのです
低レベルの人間から離れることは“逃げ”ではなく、悪環境から自分(子供)を守り、自分に合った場所を探すためのステップに過ぎません。
土や気候が合わないと育たない植物が多いように、人間も自分に合った場所でしか能力が発揮できない場合の方が圧倒的に多いのです。
逆境をバネにして飛躍できる人は、その能力が既に育っていた(或いは元々備わっていた)からであり、我慢の挙句の成功体験はレアケースに過ぎません。
ほとんどの人にとっては苦しんで悩むだけ時間がもったいないですし、パフォーマンスを下げて人生を消耗するだけです
だから、足を引っ張る人がいる場所からは離れる
場面緘黙の子は、信頼できる人に囲まれ安心できる環境でなら力を発揮できるのです
「話せないから」なんていうつまらない理由で才能の芽を摘まれる必要はないのだということを、身をもって示してくれたこの男の子に、心から拍手
スポンサーの近大も凄い
なお、第一スポンサーである近畿大学では、この「未踏ジュニア」と「未踏IT」の採択者に対する総合型選抜(AO入試)を行なっているそうです
近大は今や関関同立に肩を並べるほどレベルが上がってきているそうですが、こういった突出した能力がある人材を集めて育てようという気概が、良い研究を生み出す土壌になっているのだろうなと思います
最近は関関同立ではなく関関近立と言われているとか
特に理系はこの10年くらいでどんどん難易度が上がっているみたいです
(この大学群に関しては、他にも沢山動画が上がっていました
同志社はどこへ行ったかというと、早慶上理のような“関西トップ私大”という位置付けみたいです。
wakatte.TVで見た在学生の同志社愛も、慶応並に凄かった)
特に、昨年開設された情報学部なんて、国立難関〜準難関並みの得点率と偏差値ですよ…
学部設置に当たっては、プレステ開発者を学部長に招聘したのだとか
今後は会津大学のように、日本有数のIT人材を排出する大学になるかもしれません
近大マグロ🐟は全国的に有名ですよね🍣
一度食べてみたい…