てくてくとルーと子犬が歩いていくと、ギルドまで比較的早く着いた。
不思議だなと首をかしげつつも、ルーは中に入るためドアを開ける。
中に入りきょろきょろとあたりを見回すルーの様子に気が付いたものもいるがいつもの光景なのですぐに気に留めなくなった。
ルーは目的の人物を見つけるとそのテーブルへと歩いていく。
「こんにちは、カルモ!」
「…どうした?」
普通の人より体が大きく強面のカルモは基本人に怖がられてしまう。
だが、ルーは見た目で判断してはいけませんと祖母に教わり、ギルドにいると様々な人間と話す機会も増える。子供の順応性もありルーはすぐになれ、カルモとも打ち解け今は犬と森のことは困ったらカルモに聞けばいいと思っている。
「んとね、子犬が犬に成長したけど、必要なものはありますか!」
「……そうだな……犬小屋、新しい首輪、頑丈な紐だろうか」
カルモが言うものをフンフンと頷きつつ、子犬はカルモにじゃれ付いている。
カルモも子犬を真剣に見つめ撫でつつ子犬の状態を観察していた。
「犬小屋は、自分で作ればいいかな?」
「そうだな…できるか?」
「うーん…わかんない」
静かに聞かれ、ルーは考えるが実際わからなかった。
ルーは穴は掘れるし掃除はできる、料理も少しはできるが、犬小屋を作ったことはなかった。どうしようかと、若干悩み始めた。