今はどうなのか、全く存じ上げませんが、妊婦さんへの腰椎麻酔はとても注意が必要です。
胎児による腹部の圧迫や体位による影響、全身状態の影響、髄腔が狭くなっているために、麻酔薬の量も注意が必要ですし、それらにより麻酔が効きにくい可能性も考慮しなければなりません。
しかし、刻一刻と母体も胎児も状況は悪化していく為、待ったなしの状況でした。
(産婦人科の副院長はおそらく余裕があったのでしょうが、私はそれどころではありませんでした。)
腰椎麻酔を行い、手術台に乗せて、帝王切開手術が始まりました。
執刀は流石に産婦人科の副院長でした。
子宮を開いた所、用水が胎便で濁っていました。
私が肘で子宮を圧迫して子供を取り上げた時、鼻から胎便が出てきた為、
「まずい。」
と頭をよぎりました。
もし肺に濁った羊水が入っていると、命の危険が高まるからです。
鼻と口から羊水を吸い出し、背中を叩いていた様な…そこから先は、はっきりと覚えていません…
気持ち的に必死でしたが、気が付いたら大きな声で、
「おぎゃあ、おぎゃあ。」
と大きな声で泣いていました。
お腹を閉じ、母児共に問題なく、手術は無事に終えました。
体重はおよそ2,700gで、少し早かったために小さく産まれました。
その当時の宿舎が平屋建てで、床暖等も無く、冬は台所のサラダ油が凍っていました。
その様な所に寝かせても良いものか悩んで、デロンギのオイルヒーターを購入しました。
その後、丸々と育ってくれました。
ただ、その後小児喘息になり、特に冬は発作が多く、薬を投与して落ち着くまで、オイルヒーターを付けて、青白い唇をした娘を抱きかかえて、背中を摩ったり、軽く叩いて痰が出やすくしたりして朝を迎えた事もありました。
娘はその後、小児喘息は完治し、すっかり丈夫に育ちました。
オイルヒーターを見ていると、今では懐かしいその様な光景を思い出します。
最近知ったのですが、オイルヒーターは、特に空気が冷たい窓際等に置くのが良いらしいですね。
空気が必要以上に乾燥せず、寒い家には良い様です。