CTC検査について⑤ と EMT | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。

CTC (循環腫瘍細胞:Circulating Tumor Cells)の薬剤感受性を調べる事に意義があるのかどうかについてですが、採取するCTCがバラバラの一個一個の単一細胞が前提で話しを進めます。



CTCDNARNA発現を調べるとした場合、とても重要な問題があります。


それは「形質転換」です。


乳がんは乳管上皮から発生します。


基本的には、比較的早期の原発巣は多くが上皮系ですが、増大に伴って悪性化の過程として、間葉系がん細胞に移行する細胞が現れます。


この形質転換は「上皮-間葉移行(EMTepithelial to mesenchymal transition)」と呼ばれています。


乳がん細胞が上皮系である間は、比較的薬剤感受性や放射線感受性が高い状態にあります。


間葉系がん細胞は、薬剤抵抗性や放射線抵抗性があり、治癒しにくい状態にあります。


間葉系細胞になると接着因子(E-カドヘリン)の発現が低下して、細胞がばらけ始めます。


また遊走能・浸潤能が高まり、やがて血管・リンパ管に到達します。


それが血管に入って、血流に乗り、血管内をぐるぐる回り始めます。


これがCTCです。