出逢ったひと | 【asa】晩酌と音楽と小説と日々のブログ。そしてランチョンマットと食器が好き【blackout】

【asa】晩酌と音楽と小説と日々のブログ。そしてランチョンマットと食器が好き【blackout】

酒と音楽と料理と読書と現実逃避と絵空事が大好きなんですが
大体毎晩晩酌で記憶なくしblackoutに陥ります。
翌朝シラフ状態で自分の酩酊時を振り返る為の自分の為の記録。

大井町の店に入って少ししてから19歳で定時制高校に入学した。
勉強好きだから高校2回行ったと未だに嘯いている。

夕方17時に登校し先に給食。
終わりは21時くらいだったかな?
そこからダッシュで店へ向かい22時から朝4時まで仕事して帰宅。
定時制高校は四年制だけど、全日制に高3の冬までいた私はほとんどの単位を持っていて
必要な単位を取得するにはあとわずか通えばよかった。
とはいえ1年はいないといけない。
でも結構サボって働いてた。



友達は少なかった。
気の合いそうなのがいなかった。
意気がってるヤンキーくずれと暗い子が多かったかな。
普通な感じの子がいなくて。
その中で仲良くなったのが愛という同い年の女の子だった。


愛はやはり物静かなタイプだったけど、こちらから話しかければニコニコと返してくれた。
まだ話せるって程度でそんなに仲良くはなかったけど、お互い他にいないし一緒にいた感じ。
ある日相談を受ける。
彼女はチェーンの中華屋さんでバイトをしていたが、時間帯的に仕事と学校の両立に悩んでいた。
そこで私は店を勧めた。
彼女は最初かたくなに拒んでいたが、体験だけでもしてみれば?と連れて行った。


基本的に店は常に求人をしているし、愛は地味だったけど雰囲気は加藤あいに似て綺麗だった。
完全な初心者ということで、とりあえず1ヶ月、常に私と一緒に席に着くとういことで入店した。
源氏名をアイと名乗った。
初日アイは出勤前に私のマンションへ来て一緒に化粧をした。
奥二重で切れ長な彼女の目は寒色系のアイシャドウがよく似合った。
化粧すらまともにしたことないという彼女に濃い目のメイクをして二人で出勤した。


アイは男の人と付き合ったことも、ましてや話したことも余りないという子だったので心配したが、結構すぐにケラケラ笑って楽しそうに接客しだした。
それでもやはりかわし方などわからずに、気付くと隣でおっさんに触られて黙って我慢してたりとかあった。
私は約束の一ヶ月間目を光らせて彼女を守った。


そして一ヶ月後、アイは無事入店した。
ここからは本入店で他の子と同様一人で接客をしていく。
そこそこに指名もとったりしていたし、うまくやってるようだった。


あるとき私の指名客とそのお友達の席に、私とアイでついて4人で飲んだ。
私は自分の客と話していたのでお連れさんの方は任せっきりにしていた。
それから少しもしない内にアイは急に店を辞めた。
順を追わない退職は罰金やら給与カットやら色々ペナルティがあったが、それらを全て負って彼女は辞めた。
理由はあの日のお連れさんとお付き合いすることになったからだと、指名客から聞いた。
お連れさん40代半ば、アイと私は20歳くらい。
お連れさんのマンションに半同棲状態だとのことだった。
一度だけ二人を見かけたが、デレデレのオジサンと手を繋いで歩いていた彼女の出で立ちはアイではなく愛だった。
店で見ていた姿ではなく、高校で見ていた朴とつな雰囲気の愛だった。



その後彼女とはあまり話してない。
記憶にあまりないが卒業はしたんだと思う。
最後までその程度の仲だった。