今日も上機嫌でいきましょう!
バイリンガル手打ちそば職人の御尓沢明です。
「そば通」シリーズも、いよいよ5回目となりました。ここまで読んで
下さっている皆様のそばリテラシー、かなり高くなってますよ〜!💪
さて今回は、皆さんから一番多く聞かれる質問「そばを美味しく食べる
方法ってあるんですか〜?」です。
私なりに考える美味しいそばの頂き方について、まとめてお伝えします。
ただし、これはあくまでも私個人の見解ですので、くれぐれもここで
お伝えするいただき方に囚われないようにして下さいね。
大前提は、
ご自身が一番美味しく感じる方法で頂くことです!
それでは、行きましょう。
①そばは「そば汁」にどのくらい漬ければいい?
持論:まずは「そば」自体を2〜3本つまんで、汁に漬けずに頂きます。ここで
そばの味を楽しみます。
①江戸そば→そば汁が濃いことは分かっているので、まず汁の味見をして
濃さを確認します。辛めであれば、そばは1/3漬けるだけ。
それ以外は1/2付けて頂きます。
②田舎そば→まず1/2漬けて頂きます。それでも薄いな〜、と感じたら
全部浸けて頂いてしまいます。太めのそばは、迷わず全部
汁に漬けてしまいます。
③変わりそば→まず1/2漬けて頂きます。変わりそばで風味が弱いこと
は稀なので、全部漬けて頂くことはありません。
②薬味はいつ使う?
持論:そば汁が薄い時:途中から汁に入れてしまいます。飽きてしまうので。
そば汁が濃い時:使いません。そば湯を注ぐ時に薬味を入れ、スープの
具材のような役割として頂きます。
※本物のワサビを出してくれる店であれば、そばの上に少しのせ、汁に
漬けて頂くことはあります。
※※本物のワサビは特有のネットリ感と甘味があります。また、お湯に
入れると辛味が消えるのも本物の証です。練りワサビは西洋わさび
なので、お湯に入れても辛味が消えません。
※※※薬味のネギは、クタっと垂れているネギは機械で切ったもの。
シャキッと立っているネギは包丁で切ったものです(こちらは
残念ながら、最近はほとんど見かけませんね〜涙)。
③よく噛んで食べてはいけないのでしょうか?
持論:ご自由にどうぞ!です。が、話がここで終わってしまいますね、、、
細打ちのそば:基本的にほとんど噛んでません。喉越しと香りを楽しむ
感じです。
田舎そば:よーく噛みます。その方がそばの味を楽しめます。
④天ざるそばを頼んだら天つゆが付いて来なかった。どうすれば?
持論:天つゆ要りません。天ぷらをそば汁に漬けることで、油のコクが加わり
旨味が増します。それが天ざるそばの醍醐味です。私は天つゆを出され
ても使わない派です。
とは言っても、やはり別々で食べたい!という人もいると思うので、
その場合には、「天つゆ下さーい!」とお願いすれば宜しいかと思い
ます。
※そば屋の天ぷらと天ぷら屋のそれとは以って非なるものである事を
知って頂きたいです。そば屋の天ぷらは花を咲かせますし、冷めて
も美味しい天ぷらを作ります。天ぷら屋の天ぷらは花を咲かせず、
揚げたてを楽しむよう作りますので、目的が違うんですね。
⑤「もりそば」と「かけそば」どちらを先に注文した方がいい?
持論:お好きな順番で!です。これまたここで話が終わってしまいますね、、、
私は「かけそば」を頂いて運悪く舌を火傷して「もりそば」の味が
全然分からない、となるのがイヤなので、いつも「もりそば」から
注文します。冷たいそば汁が美味しい店は、かけそばの汁も美味し
い、という私の経験則からそうしています。
※因みに、そば職人の料理人としての技量が一番良く分かるメニュー
は何だかご存知でしょうか?実は「玉子とじそば」です。あれ、
簡単そうに見えるかもしれませんが、溶いた玉子を上手にフワッ
と花開かせるには絶妙な火加減と玉子を落とす量とタイミング、
最後に蕎麦を覆うように丼に素早く汁を注がなければいけません。
鍋底に玉子が少しでもこびり付いていたら失格です。時間にして
僅か10秒以内の作業ですが、その人の料理人としてのセンスが
如実に反映されるメニューなんですよ〜。
⑥(マナーについて)蕎麦屋で長居はダメですかねぇ〜?
持論:ランチのピーク時、又は満席で店外にお客様が待っている時以外は
好きなだけ長居する、です。
蕎麦屋だからって長居しちゃいけない、なんていう決まりはありま
せん。それにもし、お店が忙しくなければ、長居してもらった方が
サクラになって頂けるので有り難いじゃないですか!
あと、出されたそばはサッサと食べきる、というのも以前はそう思
っていましたが、今はそれも人それぞれと感じるようになりました。
福岡に来て、クタクタのうどんをいただくようになったことも影響
しているかもしれません(笑)。
※お酒を飲まれる方であれば、そばが伸びてしまったら日本酒を振
ってほぐしていただく、という方法もあります。
☆番外編
最後に、このブログを読んで下さっている方の中にはいらっしゃらない
と思いますが、「そば通」ならば、どうかどうかそば屋でして頂きたくな
いことがあります。これ、正直、そば屋の主人から最も嫌われる行為です。
(そば屋に限らず、どの業態でも歓迎されないと思いますが)
それは、
品評会での試食かい!のようにそばを
食べることです。
まぁ、大抵は男性のお一人様なんですけど、、、、、経験則です。
この方々は、そばを提供するなり、
①そばの香りを確認する
②汁だけを味見する
③そばだけを味見する
④そばを汁につけて味見する
⑤そば湯を出すと、蓋を開けて色を確認する
⑥そば汁にそば湯を注ぎ味見する
⑦そば湯だけを味見する
⑧①〜⑦の間、何度か考え込むように天を仰ぐか、首を傾げる。
⑨黙って出ていく。
⑩店では無表情だったのに、グルメサイトに熱い評論文を投稿する。
お気づきでしょうか。
①〜⑩の間に一瞬も「楽しむ」という行為がないのです。
全てが確認、点検という作業になってます。せっかくお金を払っている
のに、わざわざ遠くから足を運んできて下さっているのに、挙げ句の果
てに店主からも嫌煙される、、、もったいないです。
もし、そば好きなお友達がこういう行動をとっていたら、「それ、そば
屋さんから嫌われるよ」とアドバイスしてあげましょう。
以上、今回は100%私見の内容となってしまいましたが、参考になれば
嬉しいです。
では、また!