今日も上機嫌でいきましょう!

 

バイリンガル手打ち十割蕎麦職人の御尓沢明です。

 

前回は、ハワイ進出時にかかる「隠れた高くつく経費」について

お話ししました。

 

今日は「立地」についてお話しします。

 

ハワイに出店する際、よぉーーーーーーーーーーーーーーーーく

検討しなければならない事、

 

 

それは

 

ワイキキか、それ以外か

 

です。

 

ウケ狙いではないですよ!

 

ワイキキに出店するか、郊外に出店するかで客層が全く変わって

しまいます。

 

まず、大前提として、

 

地元の人はワイキキに行きません。

 

せいぜい大学生、またはハワイに駐留している米国軍人が週末に行く

くらいでしょうか。

 

地元の人(以下、ロコ)がワイキキに行くというのは、

 

東京都内に住んでいる人が、

にはほとんど行かない

 

福岡市に住んでいる人が、

(念のため、福岡タワー)に行かない

 

のと同じ、と言えば、感覚は伝わるかと思います。

 

ワイキキはあくまでも「観光客のためのエリア」なのです。

 

また、人気の観光地といえば、

 

・全てが高い

 

・駐車場がない

 

・人が多い

 

ですね。

 

ロコにしてみれば、遠方から友人・知人が来ない限りは、

行く理由がないのです。

 

ワイキキに出店するのであれば、対象は観光客に限定し、

ロコが来ることは一切期待しない、これが鉄則です。

 

さらにワイキキの場合、日本人観光客を対象にするか、

それとも欧米の観光客を相手にするかも明確にしておく

必要があります。

 

日本人と欧米人が海外で取る行動パターンは興味深く、

 

例えば、未知のローカル食に遭遇した時、

    ハワイの郷土料理「ロミロミ・サーモン」

 

日本人→せっかくハワイに来たのだから!→食べる。

 

欧米人→何これ!しかも生魚じゃん→マックを探す。

 

意外にも、欧米人の方が日本人以上に保守的なのです。

 

ですから、日本の味を海外の人に知ってもらおう!という

意気込みでワイキキに進出するのは、おすすめしません。

 

それだったら、米国本土の都市で勝負した方が良いです。

 

私の店が11年間生き残れた(因みにハワイで10年以上生き

残ると「老舗」と呼ばれますよ〜)のは、日本人観光客が

ハワイの滞在中に日本食が恋しくなる、というニーズ、日本

人駐在員さん達の「乾麺じゃない、旨い手打ち蕎麦が食いた

いなぁ」という欲求を満たしていたからです。

 

マーケット戦略でよく言うところの「お客様の痛みを解決

する」(、、、なんてカッコいい事は一切考えてませんで

したが)ということですね。

 

ですから、開業後しばらくして、欧米の観光客に来てもら

おうとは思わなくなりました。

 

日本人観光客で満席の蕎麦屋さん、そこを通りかかった

日本食好きの欧米人が「おっ、ここの日本食レストランは

日本人が沢山入ってるぞ!ってことは本物の日本食を出し

てるってことだ。よし、入ってみよう!」となって、欧米

のお客様も利用してくれる、という流れが出来ていました。

 

でもこれはワイキキだから成り立つやり方です。もしウチの

店がワイキキと同じスタイルで郊外に出店した場合、苦戦を

強いられたはずです。

 

まず、ボリュームと価格で対抗できません。

 

なんなら水グラスのサイズで、すでに勝負あった、です。

 

日本だと、大体手に収まる大きさですね。

 

これがアメリカになると、

 

 

 

もはや、スタバのグランデ・サイズですよ。

 

以前のブログ ハワイでお店を出す前に押さえておくべきポイント その2

 

 

でも書きましたが、ハワイのロコはやっぱり質よりも量なのです。

 

郊外に出店する場合、もう一つ心得ておかなければならないのは、

 

ワイキキの観光業が冷え込むと、郊外は北極並に

に冷え込んでしまうということです。

 

ロコの職場は2つのエリアに大別されます。ワイキキかダウンタウン

のどちらかです。ダウンタウンは官公庁や金融機関が集まっています。

ただ、ハワイの経済が観光業に頼っている以上、観光客が減ることは

ワイキキで働いているロコの懐具合にダイレクトに影響します。

 

今回のコロナで直近3ヶ月の観光客数が300分の1以下に激減した

ハワイ。ワイキキも深刻な状況ですが、郊外はもっと大変なはずで

す。9.11で観光客がピタッと来なくなった時も同じでした。郊外の

飲食店の方が受けたダメージは大きかったのです。

 

郊外に出店した場合、ワイキキが活況であれば、売上は安定します。

日本の連休に合わせてオンとオフの波があるということもありません。

 

村社会ですので、良い評判が確立できれば常連がそれこそ連日のよう

に来店してくれます。その点、ワイキキは7割以上が一見さんです。

 

、、、何だか、ハワイには絶対出店するな、と言っているような内容

ばかりになってしまいましたが、誤解しないでくださいね。ハワイで

成功している日系の飲食店もあるのは事実ですし、やり方さえ間違わ

なければ、大きな痛手を被ることは避けられます。

 

リサーチにはしっかりと時間をかけましょう。現地に赴き、皮膚感覚

で現状を理解することが大切です。よく金融機関の現地支店を通じて

情報を得る人がいますが、ほとんど役に立ちませんので、気をつけて

下さい。

 

ハワイまたは米国進出を考えている方の参考になれば、嬉しいです。

 

では、また!