藤尾先生 | OFFICIAL BOOTLEG!!

藤尾先生



加古川東高校というところに入学してすぐに

僕は大阪へ引越しをした。

1学期の授業と夏休みの部活の終了とともに転校。

そのとき担任の先生から1冊の文庫本を渡された。

ちらっとみただけで

何やら押し付けがましい漢字の多い説教じみたその本は

荒廃し自暴自棄気味で

拒絶することでしか存在を確かめられなかった僕にはまったく届かず

かといって捨てる根性もなく

本棚に挟み込み

その後の幾度の人生の転機と引越しのドサクサの中

いつの日か自然消滅してしまった。


そんなことを思い出したのが数年前。


あの本なんだっけかなあ。


どうしても思い出せず

そんなことを思い出したことさえ

またいつの日か自然消滅してしまっていた。



伊坂幸太郎氏の短編集『終末のフール』を読み終え

『チルドレン』を読み始めた直後

その小説の中に登場した本のタイトルが

僕の記憶をつらぬいた。



お元気ですか?



ネットではなく


本屋さんに買いにいこうと思っている。



裏切られ世界にたったひとりになったような気がしたあのときも
(ホントはそうじゃなかったんだけど)


強く、


強く、


明日を睨みつけていたような気がする。


いまもそうありたいと思う。



ドキドキするな。


芥川龍之介『侏儒の言葉』