運転免許更新のために | はったブログ

運転免許更新のために

 

  75歳以上になると運転免許証の更新は自動的というわけにはいかない。Mediaで高齢者の人身事故が集中的に報道され、「高齢者には運転免許を更新させるな」ふうな社会運動の賜物である(統計学的データで他の年齢群と正確に比較して議論されているのかは、怪しい。知らんけど)。

  高齢者が自動車を運転しなくなって、自動車産業が成立するの?その経済的影響は?と考えると、事故が起こらない自動車を作ることや道路整備の方が肝心ではないかと、高齢者側に所属する僕は言いたくなるのだが、ともかくも高齢者講習が必要になるのだ。無事、関門をクリアできたので、来月あたりに更新手続きの書類が届くはずである。

 

  4月初めに通知が来た。実地運転技能検査+認知機能検査+高齢者講習の全てをクリアしなければ、更新はできないという通知である。自動車教習所での予約は3ヶ月先しか取れない場合もあると大きな赤字で印刷された封筒が届いた。「早急に検査・講習の申し込みをせよ」とあった。時間の余裕はあるので、すぐに予約をした。3週間先が空いていた。高齢者講習は10人ほどの単位での実施なので混むのである。

僕には2年ほど前にスピード違反歴があったので(ガラガラの右車線を通り抜けると渋滞気味の左車線に埋もれていたパトカーを追い抜いたようで、すぐに後ろからサイレンが聞こえ、停車。人生で初めての経験であった。ずっと運が良かっただけなのだが)、高齢者講習が必須となっていた。2,900円が余計にかかり、加えて認知機能検査と運転技能検査、合わせて4,600円が必要であった。スピード違反はその罰金だけでは終わりでないということだ。

 

  高齢者講習は、教習所の中を実際に車で走るもので、隣にいる検査員の指示に従って、左右に曲がったり、信号で停止したりするのである。一番難度が高いのは「段差乗り上げ、急停止」で、コンビニ駐車場で高齢者がブレーキとアクセルを踏み損ねて突っ込む事故からの想定と思われた。僕の車には自動ブレーキ等のサポート機能が装備してあるので意味ないなと思いつつ、従順に運転して満点の運転成績であった(誰でもじゃないかと思うけど)。

 

  この日に他の検査をしてくれればありがたいのだが、そうは行かない。また予約を取り直し、4週間後に認知機能検査と運転技能検査を受けた。知人(教習所の所長歴あり)は試験準備をして受けたと聞いたので、自分もやるか、と認知機能検査の対策を講じた。

有難い時代で、U-Tubeでたくさんの動画が出ている。無料で練習できるのだ。試験の関門は手がかり再生記憶検査である。U-Tubeでは4つ物品の図が4個で1セットの問題が、4パターン存在し、合計64個の図を記憶すれば良いと教えられ、自分なりに工夫をして記憶するようにした。例えば、「カブトムシライオンとうもろこしフライパンで茹でて食べさせた」と勝手に文章を作成、下線部分を再生すれば良いとした。

  この方式で準備した結果、記憶検査は満点であった(はず)。あとは見当識(年月日など)問題なので、自慢するほどのことではないが、認知機能検査は問題なくクリアできた。全部できると気分は良い。

 

  話が逸れるが、毎年実施している北海道での住民健診で、我がチームは前頭葉機能検査の項目の一つに文章記憶課題を行っている。長文を2度聞いてもらい、文章の再生を求めるものである。文章のパターンは年度で変えるのだが、住民の中には「みんなで練習してきたのに、去年と違う」という人が毎年何人かいる。こんなふうに健診のために認知行動が増えるのは高齢者の脳機能低下対策になっていると考えているが、自分の今回の一連の行動は、同じことをしていたことになる。

 

  高齢者の運転免許更新は、高齢者から免許を取り上げるのが目的とばかり考えていたが、実は高齢者の脳機能低下対策なのかもしれないと思ったことである。

 

  やっと自由な時間が持てるようになったので、今しばらくは、自分の車はサポート機能満載にしてあるので、自動車運転は楽しみたいと思っているのであります。