台南の結婚式(年の瀬に第2弾) | はったブログ

台南の結婚式(年の瀬に第2弾)

2007年も残すところ2日となったが、台南の成功大学に学会で来ている。2年ごとに開催されるもので、もともとは漢字の認知処理に関する学会であったが近年は言語学の研究者が多く参加するようになり、心理学からの参加者は減少気味である。今回で12回目ということになる。僕と、斉藤洋典教授が日本からの国際委員ということになっており、10年ほど前には名古屋大学で開催したことがある。僕は言語心理学の専門家ではないのだが、かつて漢字のラテラリティを研究していたせいで、香港3回、シドニー1回と半分くらいの大会に参加してきた。陳振宇教授が今回の大会長なので、前回の香港での約束もあり、年末ではあったが参加することにした(そのために年賀状を準備するは大変であった)。
僕も斉藤さんもNIRSを使っての研究発表で、言語心理学の発表の中ではやや異質という印象であった。中国や台湾の若い研究者の発表は、基本的には1980年代の研究を広東語や北京語で検討するというものが多い。しかし、かつては英文をスライドで提示して、それを読むという形が少なくなかったのに、中国の研究者の英語発表はずいぶんと進歩した。日本の院生のレベルを超えてしまった感じである。
学会についてはさておいて、昨夜の国際委員会(ここで、次回の開催地が決められる)は、10人ほどでホテルの中華料理を囲んでのものであり、それは特段のことはないのだが、同じフロアで結婚披露宴が行われていた。「夜に披露宴か」と思ってしまった。夜の披露宴はかつての日本の田舎では当たり前であったのに、しばらくそのような経験をしないと違和感を持つものらしい。習慣や文化とはこのように移ろい易いもののようである。自分を含めて変わってしまっていることを実感したことである。
こちらの結婚式にはプロの歌手(たいしたレベルではないと陳先生も言っていた)が、呼ばれて宴会を盛り上げているようで、われわれの食事をしている個室にまで大きな音量で歌を歌っているのが聞こえるのである。同定できたのは「上を向いて歩こう」と尾崎キヨヒコの「また逢う日まで、逢えるときまで、別れのそのわけは話したくない、今はむなしいだけ…」と台湾出身の歌手であったテレサテンの「時の流れに身を任せ、あなたの色に染められ一度の人生それさえ…今は貴女しか愛せない」というものであった。思わず隣席の斉藤さんと同時に「結婚式では歌わんやろ」と顔を見合してしまった。日本の歌がともかくも好まれているようである。
そう言えば台湾では日式という看板がやたら目に付く、日本流のという意味で日本ブームである。ひらがなが書かれているお菓子の中身はまったく台湾のものというような具合である。日本でも何でも英語やフランス語で表示されていると有難がっているのと同じである。そんなにまねをされるほど日本は手本にされてよいのか、最近の食品偽装など報道されているのだろうかと心配になってしまう。
大学のキャンパスは朝の8時過ぎから大勢の学生がバレーボールやサッカーなどに興じている。一見したところ高校生のように見えてしまう。こんな元気に運動をしている光景は最近の日本の大学では見かけなくなった。女子学生は化粧をしていないことも大きな違いである。純真そうな学生を相手に台湾の大学に勤務するのも悪くないなあ、と名古屋大学を辞めるという僕に話に対しての陳教授の誘いを悩ましく感じたことであった。
テレビでは日本の大雪の天気予報を報じている。台南は日本の4月の気候で、日中は暑いくらいで、Tシャツ姿やダウン姿の混在する不思議な空間にともかくも元気で来ることができて、学会発表で2007年が終わろうとしている。
大いなる何者かに感謝!