高校での講義 | はったブログ

高校での講義

福井県立高校で心理学とは何かについての授業をした。これは、高校の進路指導の一貫と言うことで、2年生に大学でのいろいろな学部についてのイメージを与えるという趣旨のものである。まことに結構なことだと、「国文学」がテーマの学部長と「心理学」がテーマの僕とで出かけた。内実は、この種のことを他の忙しい先生方に依頼するのは如何なものか、執行部でかぶりましょうということでもあった。
大したことでもないと思っていったが、実はそうでなかった。
その第1は50分で授業というのは大変難しいということを知った。時間配分がままならないのである。「現代心理学は心のケア風の臨床心理学だけではない」、「名大の心理学研究者の学部別構成の特徴」、「情報行動論の構成」、「その他の大学での心理学研究」、「実際に大学で、あるいは自分がやっている研究の具体例」、「心理学を学ぶのに必要な心構え」などなど、言いたいことがたくさんあるのをどのように凝縮するかは実に難しかった。「情報文化学部の構成」など言い忘れたことも多い。そのうち生徒らが感想を教えてくれるのであろうが、笑いをとろうとそれなりにあがきもしたが、評価に自信はないのが正直なところである。教育実習では授業計画案を作成させるが意味のあることだと今頃判った次第である。
第2は高校2年生はずいぶん幼い印象でとまどってしまったということがある。純朴な地方都市の高校生だからかも知れない。大学の講義では、このおっさんの言うこと聞いておくか、という雰囲気なので、適当に冗談など交えて客をいらう(翻訳しにくい大阪弁)のは難しくないが、真面目な目でじっと聞こうとしている対象を相手には冗談も言いにくかった。真面目すぎる相手を扱うには新しい工夫が必要に思えた(真面目すぎる女性に言い寄られた経験のないことが災いしているのかも知れない)。
このように、不完全燃焼気味の時間を過ごすと疲労感は強い。運悪いことに、帰りの特急はグリーンを含めて指定席皆無、自由席はぎゅうぎゅう詰めで2時間程立ちっぱなしであった。かくて、疲労感は倍増。まあ、これも管理職手当の一部かと納得しつつ、新しい経験には新しく学ぶべきことが多い、未熟者であることを自覚させられたという次第である。次回があれば捲土重来を期したいものである。