足廻りの整備が終わったので、次はエンジン。
ボンネットを開けると、なんとも埃っぽいエンジンが顔を見せる。
どうやら長女は片付け掃除が大変苦手のようである。
エンジンを覗き込むと、ヘッドから下に向かって満遍なくオイル汚れが見受けられた。
慌ててヘッドカバーガスケットを注文。
部品注文前の下見が手薄だったみたいだ。
きっとプロはこんな段取りの悪い仕事はしない‥と思う。
ヘッドカバーの中は固形化したスラッジ等は無く、走行距離を考えるとまあまあ奇麗な印象。
オイルは5000㎞毎に交換。
使用オイルは 主にモノタロウの10W-30。
プラグはかなり頑張っていた模様。
きっと今まで無交換だったに違いない。
この状態でもしっかり走ってしまうからと言って、他の車バイクで同じことをしても良いと言うことではないらしい。
さていよいよタイミングベルト廻りの部品交換である。
いよいよなどと仰々しく言ってみたけれど、前回10万キロの時も僕が交換し、その際たいして困窮した記憶も無いので、作業用の画像記録はそこそこにどんどん部品をバラシて行く。
ハタと気付いてこれではイカンイカン、と慌てて画像を撮ってみたものの、ベルトを外しベルトラインも分からぬようになった画像など何の役に立つのだろうか。
ベルトテンショナー、ウォーターポンプ、オイルレベルゲージ等を外し、更にはタイミングベルトカバーを外すとタイミングベルトに到達。
滅多やたらとマーキングを施してからベルトを外す。
クランクプーリー、カムシャフトプーリー、タイミングベルトテンショナー等を外す。
JA11ジムニーの時はクランクプーリーを外すのに一週間、今回は一瞬間である。
上下プーリーを外したことで露出したカムシャフトシール、クランクシールを、ワイパーの芯を削って加工した特殊工具(?)で引っ掛けて外す。
オイルパンの液体ガスケットが汚く盛られているのは、以前行った僕の仕業。
ここからのオイル漏れがなかなか納まらず、何度もやり直した挙句この様な造形になった。
ここで折り返し地点である。
あとは間違いなく組み上げていくのみだ。
9月になって自宅での最高気温が30度前後となった。
ああ、これでこの猛夏もようやく終わりか、と安堵していてふと気が付いた。
僕が最も謳歌していた20世紀の夏とは、ちょうどこのぐらいの気温だったのだ。
あの頃住んでいた東京の家にエアコンは無く(よく考えたら今も無かった)、夏は絶えず網戸から入ってくる強い風が家の中を吹き抜けていた。
毎週のように西伊豆に出掛けてはキャンプをしつつ海に潜っていた。
などと、在りし日の思い出に目を細めていたが、よく考えてみれば、お陽様がいささか寂しげな色を見せているものの、あの大好きだった夏をなぞらえて過ごすには、今がまさに申し分のない季節の到来ともいえる。
この夏を乗り切る為に、建設中の作業小屋には我ながら珍しく頑張って夏前に屋根を掛けた。
その傍らで、いただいた種から育ったフウセンカズラとアサガオが、グリーンカーテンとなって西陽を和らげてくれている。
と思ったら、また空気は沸騰し今世紀足る夏に戻ってしまった。
ならば我再び空調服を身体に纏い、また現世の夏を長らえるのみである。
まだ続くよ