陽射しと雨露がオセロゲームのようにひっくり返るこの時期、そして樹緑旺盛なこの季節、家の前の大きなネムの木がそろそろ、

「こやつは勝手に生えて勝手に育ってるんです」

と言えないレベルにまで存在を主張してきた。


ネムの木は、まったく草のように生えてきて草の如く育ち、そのまま立派な木になってしまうというある意味恐ろしいショクブツで、あまり庭木にするような樹種でもなく、地元のおっちゃんなんかからは、
「こんなん斬ってまえ。」
などとヒドイ事を言われてしまうが、僕はタマに枝を散髪するのみでその成長を見守ることにしている。

というのは、この木陰である。




ネムの木の葉は他の落葉樹よりも葉をつける時期が遅く、そして葉を落とすのが早い。

つまり大方彼らが葉を持たない季節と僕が陽射しを欲している時期が合っていて、さらに素晴らしいのは暗い雨の日や、風呂に浸かりながら星空を見上げたい夜には、そっと葉を閉じてそっとネムったふりをしてくれる。


これほど優しい木が他にあるだろうか。