さてそのメンドクセー作業を進めることにする。
 
交換すべきハブベアリングはハブと一体となってナックルアームに収まっている。
 
ネット情報によれば、それらは例外無く錆で固着し、ちょっとやそっとの力では抜けないので、先ずナックルアームそのものをサスペンションアーム、ステアリングロッド等と分離し、単体となったところで裏側から力を掛け(若しくは盛大にブッ叩いて)、ベアリングを外して行くとある。
 
これが仮にナックルスピンドルのブーツや、ステアリングロッドのブーツが破れたりしてくれていれば、
 
「おまーらもついでだコンチクショー!」
 
とばかりそれらをバラして行くのだが、残念ながら(?)それらは無傷である。
 
ここはいっちょうその辺りの手間を省くか、と車載状態からいきなりハブベアリングASSYのみをスライディングハンマーで引っこ抜く為の治具を作ってみることに。
 
作製した治具。
治具と呼ぶには恥ずかしいぐらい簡単な物で、廃棄品として貰った6ミリ厚のアングルに、ホイールナットのピッチに合うよう穴を明けただけの物である。

 

 
 
こちらはスライディングハンマー側のアタッチメント。
今回作製したものではなく、時々お手伝いする貨物用モノレールの仕事の為に作った物。
ちなみにそのモノレールの仕事ではほぼ使わなかった。
そもそも、山の斜面にへばりつきながらこんな重い工具を使いたくないし。
作っておいて言うのもナンだけど。

 

 

 

 

 

スライディングハンマーをセットし、渾身の力と勢いで何度もハンマリングを施すもびくともせず、もうちょいで耳と手がオカシクなると言うところで気を取り直し、イヤーマフ装着と手袋の増強をし、ありったけの力と、心の底からの怒声を浴びせかけつつハンマリングすると、
 
「チッ、アンタにゃ負けたヨ」
 
とハブASSYは降参投降した。
 
瞬間的とはいえ、恐ろしい程の衝撃が加わっていたと思う。
 

 

 
 
ちゃんとした手順を踏もうとすると直ぐに面倒くさくなってやる気を失い、手間を省くためには俄然やる気が出てしまうという困った性分なのである。
 
つづくよ