⚫︎ 人が育つ環境でしょうか?
今年、立て続けに似たような新人の話を聞きました。
面接時や、新人研修の段階では「優秀な人」「将来が楽しみ」だったと期待された若手社員。
ところが研修後の配属先で3年が経った頃、若手社員の上司の、さらに上の立場の人から
「3年経っても、この程度か」
とかなり厳しく指導されたそうです。
その指導は、ハラスメントとはいえないまでも、かなりキツイものでした。
結果として、その若手社員は、すっかりやる気を失ってしまいました。
でも少し距離を置いて見ていた隣の部署の人たちは、別の事に気づいていたそうです。
「確かに新人研修時の評判のようなポテンシャルは、この若者には感じなかった。
それは新人研修を担当した部署と、配属先の部署とが人材に求めるものや重視する価値観が違うからだ。
でもそれ以前に、この人が使い物にならないのではない。
求められる業務をできるように教えるスキルが、部署や上司に足りなかったのではないか」
ということに。
それにもかかわらず、仕事ができないレッテルだけが本人に貼られてしまう。
その若者は今、
「自分はできない人間なのだろうか」
「この会社で、もう挽回はできないのだろうか」
と、悩んでいないでしょうか?
数カ月で辞めてしまうならまだしも、新卒で入社し、3年もの時間を過ごした職場で身についた価値観や仕事観は、良くも悪くも、その後のビジネスライフに大きな影響を与えます。
「三つ子の魂 百まで」という言葉があるように、最初に属した組織で学んだことは、その人の”当たり前”になってしまうのです。
問題があったのは、その新人の若者でしょうか?
本当に問題だったのは、教える立場の上司や周囲の先輩の責任でもありますが、業務の現場の教育システムが機能していなかった組織そのものの課題ではないでしょうか?
人は教えられて初めて育ちます。
そして、人を育てられない組織は、子孫を残せない動物のように必ず衰退します。
「本人の能力が足りない」
で終わらせるのか、
「私たちは、育てられる環境を用意できていたか」
と立ち止まれるか。
その違いが、組織の未来を大きく分けるのだと思います。
Q : あなた自身の新人の頃はどうでしたか?
Q : あなたの職場はどうですか?
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