一昨日のことですが、久しぶりにトンブリ側に行ったので、三島の『暁の寺』を持参し、川沿いに座って長居して読んでみました。
実はタイに置いていた本は、本棚がシロアリでやられて、ほとんど廃棄してしまったのですが、日本に持ってきていたこの本は助かったのです。昭和15年当時のタイの描写、オリエンタルホテルやバンパイン、そしてもちろんワット・アルンが登場する本書は、仏教解釈の部分が長くてなかなかの難書ですが、改めてここで読んでみて大変な感動を味わいました。
初めて三島を読んだ学生の頃は自分がタイに来るとは夢にも思わない他人事だったんですが、こうして自分の好きな作家と好きな土地が作品を通じてシンクロする、なかなか得難い体験をさせてもらっているなぁと感じています。