金利支援策とは、企業向けに4%の金利支援(当時の銀行融資レート8%の半分を政府が負担)を実施するものです。これは今年末まで継続され、来年からは支援幅を2%に縮小した修正金利支援策へ移行します(先週末に決定)。
この修正金利支援策は中長期投資向け融資については来年末まで、短期投資向け融資については来年3月末まで継続します。金利支援策とは、要するに「実質的な低金利政策」でこの金利支援幅が4%から2%になるのですから、実質的に2%の利上げが来年から開始されると考えて差し支えないでしょう。
ベトナム政府は「経済成長目標到達のためにはあらゆる努力を惜しまない」としており、先月20日にグェン・タン・ズン首相は、「銀行融資額の伸び率は30%を超過しても構わない」との考えを示しています。
一方、地元証券の債券アナリストによれば、「政府は景気回復に躍起だが、銀行融資の高い伸び率はインフレリスクを高めている」と見ています。現在のところ、ベトナムの指標物5年債の利回りは10%台前半で金利は上昇気味です。
ベトナム統計局発表の消費者物価指数(都市部)では、2009年(1月から10月まで)の物価は、2008年(1月から10月まで)よりも7.87%上昇しています。気になるのは、直近の8月以降の消費者物価指数の上昇率が大きくなっていることです。インフレリスクは確かに高まっています。
加えて、ドン・ドル相場にも目が離せません。インフレになれば、ドンが対ドルで史上新安値更新というリスクもでてきます。
今後、ベトナムの中央銀行であるベトナム国家銀行は、「インフレ抑制」と「経済成長」の同時達成に向けて難しい舵取りを迫られます。ベトナム国家銀行はウェブサイト上で、「マネーサプライを適切な水準に維持し、流動性を保つために必要ならば外国通貨を市中銀行から買い上げる」と表明しています。また、同ウェブサイトにはマネーマーケット安定のためにマネーマーケットの監視を強化するとも記載されています。預金準備金については、現在のドル6%、ドン3%を少なくとも来年第1四半期辺りまでは維持する見込みです。
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ベトナムの代表的株価指数VN指数の最近1年間の推移(クリックで拡大します)。最近ボリンジャーバンド下限を割ってきているのは懸念材料だ。ただし、逆張り指標のRSIは目先割安ゾーンとなっている。
ベトナムの代表的株価指数のVN指数は先週後半から大きく下落。本日4日のVN指数は前日比2.12ポイント(0.39%)安の537.53ポイントで3日連続安となっています。ベトナム株式は中長期的な調整局面に入った可能性があります。但し、平均年齢27歳でコントロール可能な8500万人の人口を抱えるベトナムの内需は長期的に非常に有望な成長力を秘めているのは間違いないと思います。
まとまりが悪くなってしまいました。この辺で止めておきます。
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写真はサコムバンク証券店頭にて撮影。赤い服は民族衣装のアオザイ。決してオウムXXXではない。
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