ベトコムバンクを訪問 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 ベトコムバンク(VCB)は今年6月30日にホーチミン証券市場に新規上場しました。VCBはベトナムの四大国営銀行のひとつで。子会社として証券会社(ベトコムバンク証券)、不動産会社、資産運用会社などを保有しています。また、ベトナム国内に65支店と220出張所を持つベトナム最大のリテールバンクでもあります。

 同行のROE(純資産利益率)は20%で大手銀行ではナンバーワン(国営大手銀行の平均ROEは15%)です。総資産は128億米ドルでベトナム1位、アジアの銀行では70位。不良債権比率は昨年の4.6%から3.75%へと急速に改善。融資残高は前年同期比で20%伸長しました。

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 訪問したベトコムバンク本店(ハノイ)の写真。

 IR担当者は、第3四半期の業績については「かなり良いですよ」とおっしゃっていました(これは主観的判断が入る表現ですから気にしないでください)。

 現在、金融セクターの平均PER(株価収益率)はベトナム市場の全セクターで最も低くなっています。言い換えれば、金融セクターはいわゆる出遅れ感のある割安なセクターとも云えます。ベトコムバンク(VCB)は金融セクターの代表的な銘柄です。

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 ベトコムバンク(黒線)とホーチミン市場の代表的な株価指数であるVN指数(赤線)の株価を指数化して比較したチャート(ベトコムバンクが上場した6月30日以降、クリックで拡大可)。同行の株価は下値モチアイで、順調な上昇相場をみせるVN指数を下回っている。これを悪い動きとみるか、それとも出遅れ株とみるか、は投資家の「判断(ジャッジメント)」次第だ。個人的な経験から言えば、こういうチャートは上場後の高値を抜けた時に「強力買い」となる。但し、それはディーリングの場合の話で「玉」を集めるのは下値でということになる。データ出所はホーチミン証券取引所。