サコムバンク証券を訪問 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 昨日(26日)はサコムバンク証券を訪問してきました。応対していただいたのは、日本人顧客担当のティエンさん、アナリストのクインさんとヒュイエンさんの3名でした。

 同社は2006年末にサコムバンクの100%出資で設立しました。現在、同社の日本人の個人口座数は800口座以上、日本の法人やファンド口座の数は10口座以上あるとのことです。ベトナムのバブルが崩壊した影響については、(バブル崩壊が)設立後まもなくだったため、証券ディーリングや子会社を通じての不動産投資をほとんどやっておらず、幸運にもバブル崩壊の影響は軽微だったとのことです。具体的には2008年に300億ドン(約1億5400万円)の証券ディーリング損失を出していますが、同業他社ではその何十倍もの証券ディーリング損失をだしたとのことなのでその軽微さが分かると思います。

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 サコムバンク証券の本店写真。一階が一般銘柄用、二階がOTC(店頭銘柄)用の店頭になっている。

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 ビル入り口の会社看板(?)の写真。

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 一階、サコムバンク証券の店頭の様子。アオザイを着た女性の姿も見える。

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 右がクインさん、左がヒュイエンさん(共にアナリスト)。

「ベトナム企業全体にバブル崩壊の後遺症はどの程度残っているのか」、との質問をぶつけてみました。答えは、「ほとんどのベトナム企業は不動産の購入仕入れ値が非常に廉価で今の価格を下回っているため、影響はほとんど無し」とのことです。

「最近、例えばSSI(サイゴン証券)が無償増資(株式分割)したとか・・出所不明の情報が日本語サイトを通じて市中に出回っている」がそれについてどう考えるか、との質問に対しては、「ベトナムは新興市場なので、投資家の方々にはインサイダートレードなどのリスクは先進国市場よりも高く独特のリスクがあることを理解してほしい。サコムバンク証券としては、外国人には上場基準の緩いハノイ市場上場銘柄ではなく、透明性のあるホーチミン市場上場銘柄の購入をお奨めしている」とのこと。現在、ベトナム企業のなかで4大会計事務所の監査を受けている企業は少数派に過ぎない。

 同社では、流動性(リキディティ)、企業財務(ファンダメンタル)、企業規模(キャピタルスケール)の3点から、投資家にはホーチミン市場の30銘柄、ハノイ市場の3-4銘柄の合計33-34銘柄のブルーチップ銘柄を選定し、主に推奨しているとのことでした。