ホーチミン証券取引所 続き | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

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 本日は、ホーチミン証券取引所(2000年7月20日設立)内部の写真をアップします。

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 ホーチミン証券取引所内部の写真。手前のパーティションで区切られた席は「KimEng Vietnam Securities」の会員席。

 上写真のように証券取引所(内部)には(学校の)講堂のような大部屋が1つあって、正面には大株価ボードがあります。ちょっと(いやかなり、シラー)例えは悪いのですが(そして古いですがショック!)バブル時日本の準大手証券・三洋証券(1997年倒産)の証券ディーリングルームを(かなり)小さく、そしてシンプルにしたようなイメージ。
 そして、大部屋はパーティションで細かく区切られています。そして各パーティション内部には2名程度座れる位のスペース。実はこのパーティションで区切られた場所に証券取引所会員、つまり各証券会社が陣取って売買を取り次いでいるのです。

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 会員証券会社の席。ディーラーの男性と女性の2名がいた。売買注文をコンピュータ売買システムでさばいている。

 先週の訪問時現在でホーチミン証券取引所にパーティション席を持つ証券会社は95社とのこと。時価総額が小さいベトナム株式市場にしては証券会社数は多いです。これは2006年、2007年の株式バブルの影響でしょう。
 おそらく、証券会社の多くはバブル時の自己売買などで損失を出しているのではと推測できます(同じく推測ですが、今後数年でベトナムでは証券会社間の合併などが相次ぐことが予想されます)。

 訪問時には丁度、米国からの視察団もホーチミン証券取引所を見学していました。これは産学協同での「アジアの証券取引所視察ツアー」とのこと。ホーチミン証券取引所の前に、中国の取引所を数箇所視察してきたそうです。彼らは一様にホーチミン証券取引所の「規模の小ささ」に驚いていました。
 とはいえ、規模が小さいのは逆に成長余力があるとも言えます。なにせ大手はまだ入ってきていませんからね。

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 米国からのアジアの証券取引所視察団。
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 遠い米国からわざわざホーチミン証券取引所を見学にきている。リラックスムードで記念撮影。(^∇^)

 メコン流域国では、ベトナムに政治的に近いラオスが韓国証券取引所支援の下、2010年10月10日にビエンチャン証券取引所を開設予定です。その前哨戦として、ラオスでは今年中に店頭株式市場を開設する意向。上場予定企業は主に国営大企業や半官半民企業で、水力発電会社、通信会社、ビール製造のラオ・ブルワリー、ラオシャン・ペプシ・ボトラーズなど。

 また、カンボジアでもフン・セン首相の「ゆっくりと確実に」という指示の下で、同じく韓国証券取引所の支援を受けて、2010年までにプノンペン証券取引所を開設する計画です。証券取引所への上場予定企業は「国家投資ファンド」「ウォーターサプライ・アンド・シアヌークビル港管理会社」「カンボジア・テレコム」などの政府系企業のほか、民間企業では「アクレダ銀行」「モビリティ・グループ」「ロイヤル・グループ」「ソーカ・グループ」など。

 計画通りならば、2010年にはカンボジアとラオスに新たに証券取引所が開設されることになります。近年、交通ネットワークが整備されつつあるベトナムにカンボジア・ラオス、そしてタイ北東部、ミャンマー北東部、中国内陸部のいわゆる「拡大メコン経済圏(GMS, Greater Mekong Subregion)」が2010年にはこれまで以上に世界の注目を集める可能性があります。