ホーチミン証券取引所 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 ホーチミン証券取引所は2000年7月20日に設立、同7月28日から取引を開始しました。現在の同証券取引所の時価総額は249兆4889億ドン(昨日現在)です。といってもタイバーツに換算すると、5000億バーツを下回る小さな小さな市場規模。

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 ホーチミン証券取引所。メコン河近くにある白い建物だ。タイ・SET市場に比べると時価総額も取引所の建物も小規模。

 タイ・SET市場の時価総額が4兆5558億バーツ(昨日現在)ですから、ホーチミン証券取引所はその1/9以下です。これではベトナム株式市場に大きな資金が入ってくればまさに「池の中の鯨」となり、一方通行の相場になってしまいます。
 株式市場の規模は、まだまだ外資の大手証券が参入するほどの段階まで成長していないのが現状。これは証券業だけではなくて不動産業にも言えることです。
 逆に言えば、若しベトナムがタイ並のインフラを完成し経済発展するならSET市場並の時価総額があっても良いとも言えます(ベトナム沿岸には海底油田など資源が豊富なことにも要注目)。結構それは10年程度の近い未来の可能性も十分にあると思います。

 但し、現時点では問題は山積み。例えば、企業決算の信用度。KPMGなどのBig4と呼ばれる信用度の高い監査法人の監査を受けているベトナム企業はまだ少数派です。地元会計事務所によるお手盛り監査も多いと聞きます。投資の際には注意が必要。また、ベトナム企業自体の基本情報も不足しています。現時点では同じASEANの雄・タイ企業とは比べ物になりません。

 投資家にとっては、対策として、サイゴン証券の店頭に群がる昨日のブログ写真のベトナム人のような短期・デイトレード型の投資ではなく、「ベトナムの国の成長に投資する」長期スタンスでベトナムの代表的企業を追っていけば良いと思います。
 また、ベトナムでは2005年7月に政治の中心・ハノイにもハノイ証券取引所が設立されていることも付け加えさせていただきます。日本で言えば、2部市場といったところか。但し、ハノイ市場だけに上場されている大手企業もあるので注意。

(参考)ホーチミン証券取引所ウェブサイト