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昨日は豚インフルエンザという悪材料でアジア市場は全面的安となりました。
SET(タイ)指数は0.48%安、その他、日経225(2.67%安)、香港ハンセン指数(1.92%安)、シドニー(0.62%安)、シンガポール(0.56%安)、クアラルンプール(1.47%安)、ソウル(2.95%安)、台北(1.90%安)、上海(0.16%安)など。ボンベイ(インド)、マニラ(フィリピン)も安くなっています。高くなったのはタイ・2部市場ともいえるMAI市場とジャカルタ(インドネシア)市場くらい。
航空会社230社が加盟するIATA(国際航空運送協会、本部ジュネーブ)の月次旅客ステートメントによれば、景気後退による企業コストダウンなどで3月旅客輸送は前年比11.1%減だったとのこと。特に景気後退の影響をまともに受ける貨物輸送は前月比21.4%減。豚インフルエンザの影響で4月旅客輸送は更に減少が見込まれます。
世界の航空会社にとっては豚インフルエンザは「泣きっ面に蜂」といったところ。航空会社株は一昨日に続いて昨日も下落しています。英国航空は4%安、中華航空は7%安、カーニバル・コーポレーションは6%安など。
2003年に中国で発生した新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)時には、アジア地域(香港・シンガポール・台湾)の旅客輸送高はおよそ半分になっており、航空業界は2003年のSARS発生以来の悪影響を受けると予測されています。
タイでも豚インフルエンザについては大きく報道されています。タイの航空会社や関連企業は景気低迷、政治混迷などに続いて豚インフルエンザの打撃を受けることになります。
また、タイの食品業界。豚肉販売への影響も懸念されています。そんななか、養豚・豚肉加工業界は豚インフルエンザによる大きな影響はないとする楽観的な見方を示しています。理由は、(中国などと比べて)衛生管理が徹底していること、加工品のみを輸出していることです。ただし、各社とも万全を期して感染防止策を徹底し、警戒水準を高めるとのこと。案外、中国製食品の「代替物」としてタイ製食品が人気を集めるのかもしれませんね。
豚インフルエンザの蔓延防止とともに景気低迷時だけに豚インフルエンザを口実とした各国の保護主義化を防止することも大事だと思います。また、航空業界にとっては更なる再編のキッカケとなる可能性もあります。
株式投資は偶には悪材料で買うことも大事です。原則は「安きを買い、高きを売る」こと。人の噂も75日といいますね。(1月の営業日数を22日とすると)3~4ヵ月後に航空会社株が底入れの動きをみせたら仕込み場かもしれません(但し、豚インフルエンザがSARS並という前提条件で)。