BBL、KTB、SCB、KBANK、SCIBなど、タイ大手銀行が続々と決算発表 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 昨日(10月20日)は、タイの大手銀行が続々と第3四半期の決算発表を行いました。総資産でタイ最大のバンコク銀行(BBL)ほか、クルンタイ銀行(KTB)、王室系のサイアム商業銀行(SCB)、カシコン銀行(KBANK)、サイアム・シティ・バンク(SCIB)などです。

 まず業界トップのバンコク銀行の第3四半期純利益は、72.6億バーツ。第2四半期の91.8億バーツに比べ20.1%減となりました。前年同期の純利益86億バーツからは18.5%の減少。これは例の米国「リーマンブラザーズ証券」が発行した仕組み債による損失31億バーツが大きく影響しています。リーマン絡みの損失を含めなければ、営業利益は103億バーツで前期比12.6%増。一方、不良債権比率(NPL)は昨年末の7.9%から5.6%へ、純利鞘(NIM)は07年第3四半期の3.17%より3.37%へ、それぞれ良化しています。

 業界2位、クルンタイ銀行の第3四半期・純利益は80%増となりました。ただし、CDO(社債や貸出債権などから構成される資産を担保として発行される資産担保証券の一種で証券化商品)へは引当金100%計上したものの、その他の証券投資への引当金が少なすぎるのではないかという懸念があります。一方、不良債権比率(NPL)は前年同期よりも3.5%下がりましたが、インタレスト・カバレッジレシオ(借入金等の利息の支払い能力を測るための指標)が前年同期より2.3%下がって37.3%になったことも気になります。

 業界3位サイアム商業銀行は、第3四半期の純利益が前年同期比9%減の48.3億バーツ。バンコク銀行と同じく、仮に米・リーマンブラザーズ証券絡みの損失7.32億バーツがなければ増益のところでした。

 長くなるので、続きは明日に。