宇宙(79) 原子の正体(13) | thackeryのブログ

宇宙(79) 原子の正体(13)

太陽は何故輝いているのか。
 - 核融合でヘリウムを作り出す


重い原子核が分裂すると巨大なエネルギーが生まれるが、 軽い原子核同士が融合しても巨大なエネルギーが生まれる。 融合を起こすのは簡単ではないが、 例えば、 超高温・高圧の状態になれば起きやすくなる。 これが本当に起きているのが太陽である。 太陽はなぜ輝いているのか。 この疑問は古いギリシアに始まり、 20世紀になっても科学者達を悩ませた。 結論が出たのは、 1950年代初頭のことである。 謎を明かすきっかけは、 1868年のヘリウムの発見だった。(この年の8月、 インドで皆既日食が起きた。 この際、 普段は見ることのできない太陽のコロナを調べることで、 未知の元素(ヘリウム)の存在が確認された。) ヘリウムは、 地球で見つかるより先に太陽で見つかった元素であり、 名はギリシア語の太陽「ヘリオス」に因む。 そしてこのヘリウムを作り出す過程こそが、 太陽の輝きの源ではないかと考えられた。 その候補として理論的に考えられたのが、 陽子(水素の原子核)4個が融合してヘリウム原子核1個を合成する反応であった。 1グラムの水素の核融合からは、 15トンの石油を燃焼させるのに等しいエネルギーが生じる。 1950年代になって、 実際に太陽の中で核融合が起きていることを確かめたのは、 アメリカの天体物理学者ウィリアム・ファウラー(1911~1995。 1983年にノーベル物理学賞を受賞)らのグループだった。 ファウラーらが核融合に必要な温度を調べたところ、 太陽の中心部(コア)であれば陽子の核融合が起きると結論できた。


太陽は核融合で輝いている
核融合は、 太陽の中心部(コア)で起きている。 現在では、 毎秒6200億トンの水素からヘリウムが作られていることが明らかになっている。 これは実に9300トンの1000兆倍の石油を燃やすエネルギー量に相当する。 尚、 太陽のコアは約1500万度Cであり、 本来この温度では核融合は起こらない。 同じ核融合を地上で起こすとしたら、 1億度C以上の温度が必要である。 太陽で核融合が起きるのは、 超高圧条件になっているためと考えられている。


●太陽で起きている核融合の流れ。


1)原子核が単独で存在(太陽の内部は超高温・高圧状態なので、 水素原子から電子が分離して、 原子核[陽子]が単独で存在する。) → 2)2個の陽子が融合(陽子が2個融合する。 このとき1個の陽子は、 陽電子とニュートリノを出して中性子に変る。 陽電子は、 電子と質量が同じで電荷が反対の素粒子のことである。) →  3)更に陽子が融合(そこへ陽子がもう1個ぶつかり、 融合する。 融合してできるのは、 陽子2個、 中性子1個のヘリウム3の原子核である。) → 4)ガンマ線を出す(ヘリウム3の原子核からは、 強力な放射線であるガンマ線が飛び出す。) → 5)ヘリウム4ができる(ヘリウム3の原子核が二つ融合して、 ヘリウム4ができる。 このとき二つの陽子が勢いよく飛び出す。 核融合の際に生じるガンマ線や、 飛び出す粒子の勢いそのものが太陽のエネルギー源となっている。)


― - - つづく