宇宙(58) 食(5) | thackeryのブログ

宇宙(58) 食(5)

冬と薬膳について、 述べることにする。 薬膳とは、 中国の伝統医学(=中医学)の理論に基づき、 食材や生薬(薬として用いるために、 そのまま或いは乾燥させる、 煎じる等、 簡単な加工をした天然の植物・鉱物・動物等のこと)を組み合わせて作る料理、 または食事のことである。 


●中医学に於ける冬とは
冬は一年で最も寒く、 一年間の気候の変化によって疲れが出て来るときである。 気温が下がり自然界には「陰」が増加する。 五行では「水」に属し、 臓腑では「腎」と関係する。 冬は寒邪に冒されやすくなる。 人も自然界の寒さの影響を受け、 身体が縮こまり、 毛細血管が収縮し、 血の巡りが悪くなる。 また、 寒いため活動が減り運動量が少なくなり、 実際、 激しい運動にも適していない。 この季節は静かに身体を休めるのに適している季節である。


●冬に起こりやすい症状
寒邪は風邪(ふうじゃ)と結びついて風寒の邪気による感冒(風寒感冒)を引き起こしやすく、 悪寒、 毛穴が開かず汗をかかない等の症状が現れる。 また、 血の巡りが悪くなり、 冷えや痛み(頭痛、 月経痛等)も起こりやすくなる。


●冬にとるべき食材
適度に「腎」を補い、 虚弱体質の人は特に冬場は身体を温めるとよい。 肉の煮込みや煮魚、 鍋料理に、 トウガラシ、 カショウやシナモン等の辛味の食材を調味料として使うとよい。 風寒の邪気による感冒(風寒感冒)の場合も、 辛味の食材で邪気を取り除く(辛温解表)とよい。 但し、 陰虚で虚熱がある人(陰虚火旺)、 実熱タイプの人は温め過ぎてはならない。 


→ 腎の陰液(血、 津液等)を増やす(滋陰)食材
白キクラゲ、 黒ゴマ、 黒豆、 ナツメ、 クコの実、 アワビ、 鴨肉、 豚肉、 スッポン、 牡蠣、 ナマコ等


→ 腎陽を補い身体を温める(補陽)食材
エビ(干しエビ、 桜エビ)、 クルミ、 羊肉、 ニラ、 八角、 酒等
※ショウガやネギは風邪の予防にもよい。


→ 温熱性の食材
モチ米、 鶏肉、 豚レバー、 ナマコ、 タチウオ、 コリアンダー、 ネギ、 ニンニク、 ショウガ、 ヨモギの葉、 タマネギ、 カボチャ、 アンズ、 クリ、 黒砂糖、 酒、 黒酢等


●養生のポイント
冷たいものはなるべく食べないようにする。 冷蔵庫から出した果物や生野菜をそのまま食べないようにする。 野菜は温野菜にして火を通したものを食べるようにする。 温熱性で、 腎を温める(補陽)ものや、 腎陰を養う(滋陰)働きがあるものを食べるようにする。 但し、 消化のよくないものも含まれるので、 量は控えめにする。 外邪による発熱や、 陰虚による虚熱のある人には強く温める食材は合わないので、 症状が落ち着くまでは強く補陽するものをなるべく摂取しないようにする。


― - - つづく