立川 | 日常蹴辺

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身辺雑記

あらためてカレンダーを見ると、開幕まであと3週間。早く始まったはずのシーズン・オフは、いつの間にか残すところ僅かとなっていた。
これから気持ちを高めていくところに、絶好のタイミングで催されたゲーフラ作製会。どんなイベントになるのかすごく期待していた。

立川というところにはほとんど行ったことがない。昔は、鶴見育ちの人間には「南武線の先にも似たような環境の悪い街があるらしい」程度の認識しかなかった。しかしそんな立川は、今やゲッツ板谷の世界だけの話である。モノレールが走り、大型商業施設が軒を競うのが現代の立川だ。

そういえば5年前の同じ季節に、車で立川へ行ったことがあった。町田に転居してすぐで、一刻も早く、恥ずかしい「横浜」ナンバーを「多摩」ナンバーに付け替えたかったのだ。平日の午前中に行ったのだが、渋滞がひどく2時間半もかかってしまい、「立川=すごく遠いところ」というイメージが焼き付いた。
ところがよくよく地図を見てみて、味スタへ向かう鎌倉街道→東八道路ルートのすぐ西に立川があるので驚いた。どうやら間違ったルートを選択したせいで2時間半もかかったらしい。東八道路から国立側が、地図で見るとなにか道路の伸長を拒む存在があるらしく、狭い一通だらけを縫っていかなければならないが、妻に運転させて地図を読み上げ、1時間かからずに到着した。

到着するまでの前振りが長くなってしまった。会場である柴崎中央公園は、既にブルーシートが張られ、作製に取りかかっていらっしゃる方もいた。ちゃんと布もテープで押さえて参加者の名前が貼ってあって、下絵用のチョークや本塗り用のハケ、紙コップもジップロックに入れてひとつひとつ用意してある芸の細かさ。とりあえず持ってきた既成ゲーフラをフェンスに張らせてもらい、早速新しいやつの製作にとりかかる。

下絵は仕事の合間にやっつけで作った。「大橋 マリノス」でGoogleイメージに引っかかった 、神奈川新聞のサイトのを借用。よりによって、昨年のゼロックスの得点シーンであったりする。イラレで適当にパスを書き、ちょっと寸詰まりすぎるので適当に細長くする。ここまでが5分。続いて適当に文字を配置し、フォントを選び、線の太さだけ変える。これにも5分を費やす。出来上がった画像から下絵用の線画を作り、InDesignに配置し、実寸でタイル印刷する。ということを金曜日の昼休みにやった。翌土曜日に家で繋ぎ合わせ、アメリカ戦が始まる前に駅前にダッシュして、ユザワヤでチャコペーパーを買っておく。これで下準備は完了。

なので下絵描きは楽勝……なはずだった。チャコペーパーを適当になぞっていると息子が「それで本当に写るの?」と聞く。「あたりまえだろ、写らなかったらチャコペーパーの意味がないだろ……おや?」これは盲点だった。公園のタイル張りの上でやってるので凹凸が多く、ボールペン1本でなぞるだけでは全然見えない。なにか下に敷くものを持ってくればよかったのだがなにもないので、適当にガリガリと太くなぞっていく。予定外に時間がかかってしまった。
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まあ、塗りは楽勝である。なにせ図案が単純だから。時間が限られているから簡単なデザインにしたのであって、そもそもデザイン練ってる時間をとらなかったとか、僕の能力に問題がある、とかいうのではない、そう信じたい。ペンキは洋平くんがサービスよくたっぷりくれるので、遠慮無くガンガン塗る。風が強くて布が煽られたりペンキが撥ねたりゴミがついたりするが、そんなことは気にしない。ディテールより勢い勝負、ということで。どうにか時間内に出来上がった。

ペンキが乾くまでの間、カフェ・ド・クラッキで温かい紅茶をごちそうになる。初めてのクラッキだったので、とても得した気分。同じテーブルのおにいさんと、昨日の代表戦の話などをしながら暖まらせてもらった。

最後に、第1回ゲーフラコンテストの発表と全員での記念撮影。驚いたことに拙作が1位となる。本気で申し訳ない。次回作こそはかっこいいの作りますんで(と毎回思う)。
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賞品にクラッキの食事券までいただいてしまった。これで1ヶ月以内に立川再訪の理由ができて、すごく嬉しい。

なんだか長文エントリーになったが、最後に書いておかなければならないことがある。
主催者のみなさん、本当にたのしいイベントをありがとうございました。準備も大変だったろうし、持ち出しも多いだろうし、僕らがクラッキでぬくぬくしていた間も寒い公園で待っていてくれて……。なぜ君たちはそこまで頑張ってくれるのでしょうか。

昨年出た「サッカーJ+」創刊号の記事に、こんなコメントが載っている。
「みんなが気楽にスタジアムへ来て、熱く応援して、気持ちよく家に帰る。そういう風になれば一番いい。文化として定着というか……」
誰もがそう思う。でも、実現のために自分を犠牲にできる人は少ない。この発言は、今日のイベントの企画者、とーすけくんのものだ。本当に頭が下がる。