高市政権のもと、2026年8月からスタートした「高額療養費制度の上限引き上げ」
大病をしたときの自己負担額が増えるということで、現役世代を中心に大きな不安が広がっています。
この負担増に対して、政府は「浮いた財源を国民健康保険料(国保料)などの引き下げに回す」と説明しています。これを聞くと「じゃあ普段の保険料が安くなるなら?」と思いがちですが……
厚生労働省の公開データを調べてみると、安くなる保険料は、1人あたり「年間わずか1,400円程度」です。月額に直すと、たったの「月約116円」。
専門家の間でも「月にペットボトル1本分しか安くならない」と批判が殺到しています。
1,400円の値下げ vs 1回の入院で数万円の負担増
普段安くなる保険料:月116円(年間1,400円)
いざという時の医療費:一般的な所得層(年収約370万〜770万円)の場合、これまでの月額上限約8万円から約8万5,000円へアップ(月約5,000円以上の負担増)
つまり、普段の保険料が月100円ちょっと安くなったところで、もし入院や手術をして高額な医療を1回でも受ければ、一瞬で数年〜十数年分の保険料値下げ分が吹き飛んでしまう計算になります。
これでは元気な時に「月100円得した!」と思っても、病気になった瞬間に大赤字です。
この制度、「過去に一度、総理大臣の決断で白紙撤回されていた」のをご存知でしょうか?
当時の石破茂首相です。
患者さんたちの切実な声を直接聞いた石破首相は、「一番苦しむ方の声を聞かずに制度を決めていいとは思わない」こう言って方針をガラリと変えました。そして、予算案を修正して引き上げを全面的に凍結(見合わせ)することを発表したのです。
しかし、高市首相は、あっという間に引き上げを行いました。
ただ、石破首相が一度ストップをかけて議論し直したことは、完全に無駄になったわけではありません。
当初の計画では、平均的な所得層でもいきなり1.7倍近い大幅値上げになるプランでした。
しかし、石破氏の凍結を経て議論がやり直された結果、今回は以下のような「長期療養者を守るセーフティネット」が付け足されることになりました。
①「年間上限額」が新設:毎月がん治療などで高額な医療費がかかり続ける人には、年間の総額に上限(一般所得で約53万円)を設け、それ以上は払わなくていいルールができました。
②「多数回該当」の据え置き:頻繁に上限に達する人の負担をさらに増やす案もありましたが、これは据え置き(負担増なし)になりました。
短期の入院・手術をする人にとっては純粋な「負担増」ですが、何年も闘病を続ける患者さんにとっては、当初の最悪なシナリオよりは少しだけ配慮された形になっています。
しかし、このように高市政権は、社会保障をどんどん壊しています。そして、もっと恐ろしいのは、日本の経済も壊そうとしていることです。

