「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ著 ★★★ | 一兵卒のブログ

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呑んで食って遊んで
呑まれて食われて遊ばれて
日々是好日

人類の壮大な歴史。
副題は
「文明の構造と人類の幸福」

前から読みたかった本を
先輩から借りました。

●ホモ・サピエンスが
何故、ネアンデルタールに
勝ったのか。
それは虚構を発明する能力。
虚構は複雑なゲームを編みだし、
人を纏めあげる。
50人の集落のネアンデルタールは、個々の体力に勝っても
虚構の共有により
500人の集落をつくる
ホモ・サピエンスには勝てない。

●狩猟採集民は週に35-40時間労働、
狩りは3日に一日、
採集は毎日3-6時間。
食は多様性に溢れ、
栄養不足もない。
感染症の原因となる家畜に
依存せず、疫病も免れた。
農耕以前の採集狩猟生活は
原初の豊かな社会であった。

●農耕は一万年前に始まる。
然し農耕が産み出したのは
人口爆発と飽食のエリート層、
平均的な農耕民は
平均的な狩猟採集民より働き、
見返りの食べ物は少ない。
農業革命は史上最大の詐欺。
誰が詐欺師か、
王様でも聖職者でもなく
犯人は小麦、稲、じゃがいも等の
植物群。
ホモ・サピエンスがそれらを
栽培化したのでなく
ホモ・サピエンスがそれらに
家畜化されたのだ。
種の繁栄は
DNAの複製の数。

●狩猟採集民は
天然資源を求めて移動するが
その足枷となる子供達を
毎年作らないように
子供が大きくなるまで
授乳していた。
(授乳は妊娠の可能性を下げる)
農耕は定住を生み、
人口増加を生み、
兄弟間の食料争いを生み、
若年者の死亡を生むが
人口爆発のスピードが勝る。
人々の生活は以前より厳しいが
一生懸命働けば明日は
良くなると考える。
人口爆発は後戻り出来ない。
それは現代も同じ。
一方で家畜化された動物たちは
農業革命の大惨事。
ホモ・サピエンスの集合的な
力の増大と表向きの成功は
個体の多大なる苦しみと
密接に繋がる。

●生活を支配する秩序、
個人の欲望は想像上の秩序の砦。
欲望はロマン主義、
国民主義、
資本主義、
人間至上主義により
形作られる。
想像上の秩序を逃れる方法はない。
個人が欲望から超越しても
他の人を説得するのは困難。
想像上の秩序は
共同主観的秩序。

●貨幣は最強の統一者
貨幣 2つの普遍的価値
・普遍的転換性
貨幣は錬金術師のように
土地を忠誠に、
正義を健康に
暴力を知識に転換できる。
・普遍的信頼性
貨幣は仲介者として
どんな事業においても
どんな人どうしでも
協力出来るようにする。

●人類を統一する3つの要素、
貨幣、帝国、宗教。
社会秩序とヒエラルキーは
想像上のもので脆弱、
社会が大きくなるほど脆い。
宗教はその脆弱的な構造に
超人間的な正統性を与える。
宗教とは、
次のとおり定義できる。
「超人間的な秩序の
信奉に基づく、人間の
規範と価値観の制度」
異なる人間集団の
広大な領域を統べるため
宗教には更に2つの特性が必要。
①いつでもどこでも
正しい普遍的な超人間的な
秩序を信奉している必要がある。
②この信奉を全ての人に
広めることをあくまで
求めなければならない。

●歴史を研究するのは
未来を知るためでなく
視野を広げ、
現在の状況は
自然的でも必然的でもなく
想像よりも多くの可能性が
あることを理解するため。

歴史上、
輝かしい成功を修めた文化が、
ホモ・サピエンスにとって
最善だった根拠なし。
進化と同じで
歴史は個々の生物の幸福には
無頓着。
人間はあまりに無知で
弱いため、
歴史の流れに影響を与えて
自分に有利になるように
することは出来ない。
西暦1500年頃、
歴史は最も重大な選択を行い
人類のみならず
あらゆる生命の運命を変える
科学革命を迎える。

●科学革命の
フィードバック・ループ。
力→資源→研究→力→‥‥
科学の進歩
は科学と政治と経済の
相互支援に依存。
政治と経済の機関が
資源を提供。
資源を基に研究が行われ、
そのお返しに新しい力を提供。
その用途の一つが
新しい資源の獲得。
獲得された資源の一部が
また研究に。

●資本主義と消費主義は、
信奉者が求められることを
実際に
やっている史上最初の宗教。
富めるものは更に強欲に
金儲けに励み、
一般大衆は欲望に基づき
多くを買う。

●幸せとは何か
個人的な妄想を
時々の支配的な集団的妄想に
一致させることなのか。
幸福は主観的な感情なのか。
仏教では
苦しみの根源は
束の間の快い感情を
追い求めること。
その追求により決して
心が満たされることはない。
特定の感情を渇愛するのを
やめて、
どんな感情も受け入れる。
期待が満たされるかどうか、
快い感情は重要ではない。
自分自身の姿を
見抜けるかどうかだ。

●超ホモ・サピエンスの時代
私たちが抱える疑問は
私たちは何になりたいか、
ではなく
私たちは何を望みたいのか。

●物理の法則しか
連れ合いがない、
神にのしあがった私たち。
自分が何を望んでいるのかも
わからない、
不満で無責任な神々ほど
危険なものがあるのか?

人類とは何か、
何をしてきたのか、
様々な切り口で
深く考えさせられた。
面白かった。
★★★