【登場人物】

山上 朱里(ヤマガミ アカリ)♀
明るく元気。素直で可愛らしい。中学の頃に大人しく友達が居なかった。高校デビュー的な。

武石 大和(タケイシ ヤマト)♂
女子の注目の的。優しいく爽やか。修平とは高校から仲良くなった。

伊賀 菜月(イガ ナツキ)♀
大人っぽくサバサバしている。イケメントリオの大和、雅人と幼馴染み。

宝井 雅人(タカライ マサト)♂
こちらも女子の注目の的。クール。

村尾 修平(ムラオ シュウヘイ)♂
またまたこちらも女子の注目の的。スポーツマンで明るい。

朱里:
大和:
菜月:
雅人:
修平:
女子:

♀2 ♂3 計5 (ちょい1)


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


大和 ずっと好きな子がいるんだ。

朱里M ひとは必ず誰かを想う。幸せと感じることもあるけれど。相手のことを想えば想うほど、胸の奥が苦しくなる。立ち止まれば...いつだって、遅いんだ。

修平 「好きの二文字が言えなくて。」


菜月 朱里?

朱里 へ?あ、ごめん!

菜月 文化祭なにやりたいか。決まった?

朱里 あー...。どうしよっかな。お化け屋敷はB組がやるって言ってたし、やっぱりメイドカフェ?

菜月 なに、そうゆう趣味あったんだ。

朱里 ち、違うから!

菜月 ははっ。からかってみただけ。

朱里 からかい方が雑ですな...。

菜月 ...何かあったの。

朱里 え?

菜月 それくらい分かるよ。大和のこと?

朱里 ...。な、何もないよ!

菜月 そっか。

朱里N 後悔する前に伝えたかったはずなのに。答えを聞く前に、答えが出てしまった。大和くんは雅人くん、修平くんと三人でいると学校中の女子からイケメントリオと噂されるほどかっこいい。仲良くなれたのも菜月ちゃんがきっかけで...元々叶わない恋だって、分かっていたはずなのに。こんなにも切ないなんて。

朱里 少し、自惚れてたんだ。

菜月 ...。

大和 山上さん、菜月!おはよう!

朱里 ...っお、おはよ!あ、そういえば今日日直だった!職員室行ってくる!

菜月 分かった。...。(大和を睨む。)

大和 え...俺、今睨まれた?

修平 おっす!大和、伊賀!

菜月 おはよ。

修平 ん?大和、何かやったのか?

大和 何もやってないと思うんだけど...どうしたんだろ?

修平 ふーん?ま!思い出したら謝れよな!



朱里 失礼しました。...はぁ。

朱里M 勢いで逃げちゃった...。でも、今は大和くんと上手く会話出来そうにないや。...あの時、告白の現場を見てなかったら。こんな気持ちにならなかったのかな。



女子 あの、武石くんが好きです!付き合って下さい!

大和 ありがとう。けど、ごめん。気持ちは嬉しいんだけど付き合えない。

女子 好きな子、いるの?

大和 うん、ずっと好きな子がいるんだ。



朱里M ずっと好きな子ってことは、前からってことだよね。私は二年から仲良くなったし。もっと昔から...ってことは。

朱里 考えれば考えるほど、嫌な女になってく...。

雅人 嫌な女?

朱里 わぁっ!雅人くん!

雅人 菜月が戻って来ないって、気にしてた。

朱里 あ、うん。ありがとう。今戻る!

雅人 山上ってさ。

朱里 ?

雅人 ...いや。早く戻ってやって。

朱里 うん?

雅人 ...。



朱里 メイドカフェになったね(笑)

菜月 皆考えるのが面倒くさかっただけでしょ。でも大道具班で朱里や大和達と一緒だから良かったけど、文化祭まで放課後は残らなきゃね。

朱里 うん...。そう、だね。

菜月 ね、やっぱ大和と何かあった。

朱里 え、何でー(笑)

菜月 仲良くなってからずっと朱里のこと見てるし、大和と何かあったことくらいすぐに分かるよ。

朱里 ...。

菜月 ま、無理には話さなくていいよ。朱里が話したくなるまで待ってる。

朱里 ...大和くん、ずっと好きな子がいるんだって。

菜月 ...そうゆうことか。

朱里 私、大和くんと知り合って少ししか経ってないし。高嶺の花だったイケメントリオと菜月ちゃんと仲良くなるなんて...遠目から見て、終わりだと思ってたから。そんな欲張ったこと言うのも間違ってるって思うんだけど。

菜月 イケメン、トリオ?...あいつらそう呼ばれてるんだ(苦笑)

朱里 大和くんは誰からも人気で顔だけじゃなくて中身も素敵な人なのに、私なんかが好きになるのは烏滸がましいのに。好きになっちゃって...想いを伝える前に答えが出て終わって。当たり前のはずなのに...苦しくて。

菜月 ...今のままの朱里じゃ無理。

朱里 そ、そうだよね(笑)私なんか...。

菜月 それ。私なんかって気持ちがあったら絶対に無理。よく見て、皆同じでしょ。何も違わない。大和だって同じ人間なんだから。それに、告白してないのに終わったって早とちりし過ぎ。

朱里 ...。

菜月 本人の口から直接聞く、それが本当の答えだと、私は思うけど。道具取ってくる。

朱里M 私、あの告白の現場に遭遇しただけで。大和くんから直接聞いてないから、今勝手に考えているのは...私の勝手な解釈なのかな。だけど...。



菜月 ...。

雅人 山上のことか。

菜月 聞いてたんでしょ。

雅人 いや、ずっとお前といるし考えてること分かるってだけ。

菜月 なにそれ(笑)

雅人 何かよく分からんが、お前は間違ってないんだし思ったように山上に伝えればいいんじゃないか。ほれ、これ食っとけ。好きだろ。

菜月 買ってきたの。

雅人 いや、いつも持ってる。お前がこうやって難しい顔してる時に和らげるための餌。じゃあな、これ持ってく。

菜月 ...やっぱ聞いてたんじゃん。ありがと。



大和 なぁ、菜月どこ行ったか知らない?

修平 俺もさっきから探してんだけど。何か用事?

大和 ちょっとね。修平も?

修平 お、俺!?い、いや、大した用じゃないけど...。

大和 ふーん?(悪笑)

修平 な、何だよ!その目!

大和 いやー?修平スポーツバカだと思ってたけど。へぇ、ああいう大人っぽいのがタイプなんだー?(悪笑)

修平 スポーツバカとはなんだ!そうゆう大和はどうなんだよ!

大和 お、俺は別にいいだろ!

修平 好きなやついんだ(悪笑)

大和 うるさい!好きな子ぐらいいるだろ普通!

修平 俺のこと弄ってる場合なのかー?(悪笑)

大和 〜っ!

雅人 口動かす前に手、動かせ。

修平 へいへーい。ちぇ〜。大和の好きなやつ分かるチャンスだったのに。

大和 ...ったく。あいつ。

雅人 想いは、早く伝えなきゃ。手遅れになるぞ。

大和 え?

雅人 ほら、手動かせ。

大和 あぁ、うん。



朱里M ずっと好きな子って。やっぱり...。

大和 あ、山上さん。ありがとう。丁度俺、それ取りに行こうと思ってたんだ。重かったでしょ?

朱里 え、あ!ううん!大丈夫!私結構力持ちだし!

大和 ははっ。また何か要る時言って。俺持ってくるからさ。

朱里 あ、りがと...。

大和 ん?どうかした?

朱里 何でもない!じゃあ、次からお願いしようかな。

大和 うん!任せて。

朱里 (微笑む)

大和 あ、菜月ー!重いだろ(笑)持つよ。怪我されても困るし。

菜月 いいよ。これくらい平気だし。

大和 だーめ!少しは誰かに任せることをしなさいよ。何から何まで無理してたら心配するだろ。

菜月 じゃあよろしく。

大和 切り替え早(笑)あぁそうだ。後で話あるんだけどいい?

菜月 別にいいけど、今ここじゃ言えないことなの。

朱里 ...。

大和 ...うん。二人きりで話したいから。

朱里 ...っ。(走って逃げる)

菜月 朱里。...分かった、後でね。私も話したいことあるし。



朱里 はぁ...はぁ...。...ぅっ...。

朱里M やっぱり、大和くんの好きな子って...。

朱里 そんなのっ...勝てるわけ...っ...ないじゃんっ...。

雅人 あ、山上。

朱里 ...っ、雅人、くんっ...。

雅人 大和に何か言われたのか。

朱里 えっ...何でそのこと!

雅人 見てれば分かる。

朱里 ...そっ、か。...告白する前に、振られちゃったって感じ...かな。

雅人M あれ、大和の好きなやつって。

雅人 それ確定する何かがあったわけ。

朱里 うん...。さっき、分かったの。大体予想はしてたけど、思ってたより...辛いなぁっ(笑)

雅人 (頭撫でる)

朱里 ...雅人、くん?

雅人 本人の口から直接聞く、それが本当の答えだろ。

朱里 ...っ。

雅人 菜月が山上にそう言ったんだろ。それ、間違いないから。まだ泣くには早いと思うけど。

朱里 でもっ...どうしたらいいのか、分からないっ...。

雅人 山上にとって大和は、ちゃんと考えなくてすぐ諦めるぐらいの存在なのか。

朱里 っそれは違う!

雅人 なら、考えれば分かる。俺は菜月が好きだ。だからいつもあいつのこと考えてる。それで俺は焦らずゆっくりいこって答え出した。

朱里 えっ。雅人くん、菜月ちゃんのこと好きだったの!?

雅人 そうだけど。

朱里 そうなんだ!わぁ...。

朱里M 大和くんの好きな子、言わなくて良かった...。

雅人 まぁ、頑張れよ。

朱里 う、うん!雅人くん、ありがと!私ちゃんと伝える!

雅人 ん。

雅人M 山上って、やっぱウチの犬に似てるな。

菜月 ...っ。



菜月 遅くなってごめん。で、話って。

大和 あ、うん。山上さんってさ、好きな人居るのかなって...。

菜月 何で。

大和 いや!気になったって言うか。菜月いつも一緒だし、知ってんのかなって。

菜月 好きなんでしょ、朱里のこと。

大和 ...っ!

菜月 分かりやす。

大和 ...。好きだよ。高一の時、一目惚れしてからずっと。

菜月 それで朱里の好きな人聞いて自分だったら告白しようってこと。

大和 そんなこと!...ない。

菜月 冒険心のないやつ。

大和 仕方ないだろ。本気なんだから。

菜月 本人に伝えたら、それ。

大和 俺の話聞いてた?

菜月 告白しちゃえば。いいじゃん。

大和 いや、だからさ...。

菜月 早く言ってよ!好きだって!答えは決まってるんだから...。答えが分かっててもグズグズしてたら取られるかもしれないんだよ。

大和 菜月らしくない。何をそんな焦ってるわけ。

菜月 今の私は誰かに何かを言える立場じゃない。やっぱ、答えが分かったら...怖いよ。考えれば考えるほど、嫌な女になってく...。

大和 菜月...。

菜月 !とにかく、自分で確かめて。それだけ。

大和 あ!おい!...。

菜月M 答えが見えてるだけ...いいじゃん。

修平 伊賀ー!急にいなくなるから!あのさ、話あんだけど...え。

菜月 ...っ。何か用。

修平M あ、泣きやんだ。何で泣いてたんだ?(教室の中を見る)...大和。!もしかして、大和に告って振られたとか!?え、じゃあ今俺が告るのは間違い?けど...。

修平 うん。大事な話だから。場所変えない?



修平 俺さ、伊賀のこと好きです。だから、付き合ってほしい。

菜月 ...。

修平 急に言われたらびっくりするよな!けど、仲良くなってからずっと好きだった。初めて笑った顔みた時、伊賀の色んな表情一番に見たいって。俺!泣かせたりしない自信あるし!

菜月 ...弱ってる時に、ずるいね。いい人過ぎ。

修平 え?

菜月 ありがと。でも、ごめん。こんなに私のこと想ってくれて勿体ない気もするけど。私好きな人いるから。

修平 だ、だよな。分かってて言ったから大丈夫!気持ちはちゃんと伝えるって俺の気持ちにけじめつけたかっただけだしさ!やっぱタイミング悪かったよな(笑)

菜月 タイミング?

修平 教室に大和いるの見てさ。人生色々あるけど、お互い切り替えて頑張ろうぜ!伊賀にはさっぱり振られたし。これからも友達でよろしくな!

菜月 うん。

菜月M あー、これ勘違いされたやつだ。

修平 じゃあ俺手伝い戻るわ!伊賀も早く来いよ!(走って行く)

菜月M ま、いいか。振られたと同じだし。間違いないから。



朱里M 菜月ちゃんや雅人くんに背中押してもらったんだ。どんな結果でも、大和くんが菜月ちゃんのこと好きだとしても、私の想い...伝えなきゃ!

朱里 はぁ...はぁ...大和くん、どこにいるんだろ。あ!修平くん!

修平 ん?山上じゃん。どしたー?そんな慌てて。誰か探してんの?

朱里 大和くん、どこにいるか知らない?

修平 大和?

修平M まさか、山上も大和に告るのか!?タイミング悪ぃ...。

朱里 修平くん?

修平 告んの?

朱里 !?何で分かるの!?

修平M やっぱか!慌てた態度に大和くん、どこにいるか知らない?は完全にフラグ立ってたろ!

修平 い、いやー。どこだったっけかー。

朱里 知ってるなら教えてほしいの!どうしても、今伝えたいの!

修平 ...マジなんだ、大和のこと。

朱里 ...うん。答えが見えていたとしても、伝えたい。後悔だけはしたくないから。どう伝えたらいいのか分からないけど、この今の気持ちのまま大和くんに伝えたいから。

修平 いざ伝えるってなったら怖いけどな。

朱里 イケメンでも、怖いことあるんだね。

修平 なんだそりゃ(笑)けど、どんだけ答え見えてても伝えたいって気持ち。分かるからさ。

朱里 好きな子、いるんだ。

修平 あぁ。ま!さっき振られたけどな!

朱里 さっき振られた?ご、ごめん!空気読めなくて...。

修平 謝んなよ(笑)俺後悔とかねーし!それより、伝えて良かったって気持ちのが勝ってるからさ。

朱里 修平くん、強いんだね。

修平 強いわけじゃないその人のこと考えたら自然とそうゆう考えになれたんだよ。

朱里 ふふ。そっか。

修平 あー、そんなことより。大和のとこ行くんだろ?

朱里 そうだ!行かなきゃ。

修平 大和なら教室。頑張って伝えてこいよ。応援してる。

朱里 うん!ありがとう!修平くん!(走って行く)

修平M タイミングなんか、そいつ次第...だよな。



朱里 はぁ...はぁ...っ大和くん!

大和 ?山上さん?あ!もしかして手伝い呼ばれてる!?サボっちゃってるから戻らなきゃね(笑)今行くよ!

朱里 違う、違うの!大和くんに伝えたいことがあって来たの。

大和 伝えたいこと?

朱里 うん。そこで聞いてほしい。あのね。

朱里M もしかしたら、この気持ちを伝えるのは迷惑かもしれない。友達じゃいられなくなるかもしれない。答えが決まっているのに伝えるのは、怖い。だけど、伝えなきゃ。後悔しっぱなしのままは...とてもじゃないけど耐えられない。

朱里 大和くんは私にとって知り合う前は高嶺の花で、遠くから見てるだけだった。でも、菜月ちゃんと仲良くなれて。大和くんとも仲良くなれて。遠くから見てるだけじゃ分からなかった色んな大和くんを知るようになって。

大和 山上さん...。

朱里 ごめんなさい。この前、大和くんが告白されてるの見てしまって...。好きな子がいるって知って。すごく、胸の奥が苦しくなったの。

大和 あ、あれは!

朱里 分かってる。大和くんの好きな子。だから自分の気持ちをちゃんと伝えて、きっぱり振られに来た(笑)

大和 ...。

朱里 私、大和くんが...。

(間)

朱里 好きです。

大和 ...山上さん。

朱里 聞いてくれてありがとう!すっきりした!

大和 待って。まだ、俺何も言ってない。

朱里 ...。

大和 俺も、山上さんが好きだよ。

朱里 ...え。でも、ずっと好きな子で菜月ちゃんに真剣な顔で話があるって言ってたから、私。

大和 菜月は大事だし、好きだけど。菜月への感情は雅人とか修平と同じ、友達として。実は高一から山上さんのこと知ってて。一目惚れ、だったんだ。今日菜月に話があるって言ったのも...山上さんのことだった...から。

朱里 そう...だったんだ...。

大和 伝えてくれてありがとう。...じゃあ改めて。好きです、付き合って下さい。

朱里 ...っ...はいっ!



菜月M あんなこと言っちゃったけど、私が一番無理だ。余裕なくなってるし、自信もなくなってる。朱里にどんな顔して会えばいいのか。

菜月 はぁ...。とりあえず今日は帰ろ。

雅人 なんだ、帰るのか。

菜月 ...っ雅人。

雅人 珍しいな。お前がそんな反応するとか。

菜月 朱里といたんじゃないの。

雅人 少し前までな。てか、あの時見てたなら話かければ良かっただろ。山上泣いてたんだし、俺よりお前だったと思うけど。

菜月 二人の邪魔したくなかったから。

雅人 もしかして嫉妬か。

菜月 ...。

雅人 そんなわけないか。お前クールだもんな...。っ!

菜月 嫉妬なんか...するわけないよ...っ。馬鹿。

雅人 ...その顔で言われても、説得力ないけど。

菜月 見ないで...っ。

雅人 見せて。

菜月 嫌。

雅人 わがまま。(抱き締める)

菜月 そうだよ。

雅人 可愛いと思うのは気のせいか。

菜月 気のせい。

雅人 ははっ。俺ら会話淡白だな。

菜月 いつもと変わらないでしょ。

雅人 ...そうだな。(微笑む)



修平 好きって、繊細で難しいよな。それが、いいのかもしんねーけど。(微笑む)

朱里N 人は必ず誰かを想う。その想いが届けられなくても。好きの二文字が言えなくて、分からなくなり立ち止まる。だけどまた、歩いて誰かを想わずにはいられなくなる。それはきっと一生なんだ。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
end.