【登場人物】

蝉鳴 エル♂
長男。悪魔の呪いで15歳まで歳を戻された。元は色気のある雰囲気。非情で冷酷だと兄弟以外からは思われている。

蝉鳴 カイ♂
二男。大人っぽいが少しチャラい容姿にチャラい口調。優しそうに見えるが心は闇。

蝉鳴 キルヤ♂
三男。大人びた雰囲気だが口調が荒く、エルの事になると殺意丸出し。

蝉鳴 ケイト♂
末子。見た目も中身も一番年上っぽい。口調はエルに似ている。性格は至って冷静。

神庭 玲果(カンバ リンゴ)♀
蝉鳴家と何らかの関わりがある。父親に言われ蝉鳴家で住むことに。人間だが特殊な力がある。

リアル♀
闇の魔女、悪魔(ノア)。猫に姿を変えられる。ゼロに仕えていて階級は上。エルに呪いをかけた張本人。(今回はあまり出ません。)

ゼロ♂
悪魔(ノア)の堕天使。ルシファーの後継だと言われている。リアルを使っているため、姿を見た者はいない。何故か母親似であるキルヤと瓜二つとか。(最後少し出てきます。)

エル:
カイ:
キルヤ/ゼロ:
ケイト:
玲果:
リアル:

♀2 ♂4 計6


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-屋敷の居間-


玲果 わぁ...大きなお屋敷...。にしても薄暗いなぁ。あのー!すみませーん!今日からお世話になる神庭 玲果です!すみませーん!...誰も居ないのかな。今日からって伝わってるはずなのに。

カイ おやおや〜?迷子かな?

玲果 っ!足音しなかったのに...いつ。あ、今日からこちらでお世話になる神庭 玲果です!よろしくお願いします!

カイ あー、君が。よろしくね。それより...ん〜いいにおい。今まで嗅いだことない、甘くて美味しそうなにおい。(頬に触れる。)

玲果 冷たっ。冷た過ぎる...。

カイ おっと、ごめんね?体温のある者が珍しくてつい(笑)

玲果 え、それってどうゆう...。

キルヤ この女の声で目が覚めちまった。どうしてくれんだ。台無しだな。

玲果 ... !あなたもどこから!

カイ キルヤくんそんな怒らないの〜。今日から一緒に住む神庭 玲果ちゃんだよ。仲良くね?

キルヤ 神庭...ああ、てめぇが(悪笑)

カイ 俺達が待ち望んでいた、イブだよ。

玲果 ...イブ?

カイ そう。アダムになるにはイブの血が必要なんだ〜。

玲果 さっきから何の話ですか...?それに...あなた達...何か違う...。

キルヤ 違うってのは、こうゆう事か?(玲果を自分の胸元へ。)

玲果 っやめて!離して...。っ!?...心臓が...動いて、ない...!

カイ ふふ。当たり前でしょ?

(間)

カイ だって俺達はヴァンパイアなんだから。ねぇ?

玲果 わ、私帰ります...!失礼しました。

ケイト 自分から疑問を投げ掛けておいて都合が悪くなると立ち去ろうとするとは。人間は礼儀を知らないのか。

玲果 また急に...!どいて下さい!何かの手違いですきっと!

ケイト 逃げるのか?別に構わないが。逃げた所でお前に待っているのは罰だけだ。

キルヤ どーせ逃げられねぇんだよ、ばーか。分かったら黙って聞てりゃいんだよ。

玲果 ヴァンパイアなんてこの世に存在するはずない...。

カイ そんなこと言われても、現に俺達いるわけだし(笑)

ケイト ...首から下げているロザリオ。

玲果 え?

ケイト リハネスのロザリオ。お前は神が実在すると信じているみたいだな。

カイ 俺からしたら、神のほうが存在しないと思うんだよな〜。

玲果 っ神様はいます!父が毎日私に神様の存在を教えてくれていました!

カイ 信じてるのは、君が教会育ちだからじゃないかな?神なんて人間が現実から逃げたくて作ったただの世迷言なんだよ。

玲果 そんな事ない。神様のご加護があってこそ私達の命があるんです!

カイ でもその神の存在を教えてくれたお父さんがここに君をよこしたんでしょ?ヴァンパイアの兄弟が住む屋敷に(笑)それに、ふふ。命なんて俺達にはないから関係ないんだけど。

キルヤ ああ、生きてねぇしな。

ケイト 余計なことを喋るな。手っ取り早く話を進めてほしんだが。

玲果 ...それじゃあ...身体が冷たかったり、鼓動がなかったりって...。あなた達は...本当に...。

ケイト 何度も言わせるな、ヴァンパイアだ。

カイ あー、そうだ。紹介がまだだったね。俺は二男の蝉鳴 カイ。あそこにいるのが三男のキルヤ。

キルヤ チッ。あんま手間かけさせんなよ。

カイ んでこっちが末のケイト。

ケイト お前はまず人ならざる者との接し方を学ぶべきだな。

カイ あとは、長男のエル。でもエルには用心してね?機嫌が悪くなると噛み殺されちゃうかも(笑)

玲果 !

カイ あっはは!君ってば本当に素直な子だね〜。

キルヤ エルはまだ来ないのか。

ケイト 時期にお前のにおいを嗅ぎつけて来るだろう。

カイ ふふ。

玲果 ...あの。

カイ ん?

玲果 イブってどうゆうことですか?

キルヤ ヴァンパイアに一生血を与え続ける生贄のことだ。

玲果 !?...生贄っ。

カイ こーら。怖がらせちゃったでしょ?

ケイト 相変わらず不躾だな。

カイ キルヤくんは女の子の扱い下手だからね〜。

キルヤ るっせ。本当のことだろーが。

玲果 ...その生贄が、私...?私がイブだなんて。...っ何かの間違いじゃ...!

カイ 間違いなんかじゃないよ。君のお母さんのこと、よーく知ってるしね?

玲果 ...母を?

ケイト お前は、イブの心臓を持っている。

キルヤ てめぇがどんだけ否定しても変わらねーんだよ。無駄な抵抗はやめろ、家畜。

玲果 家畜って...。私は神庭 玲果っていう名前があります!

キルヤ 口答えすんなよ。家畜が。

玲果 ...っ。

カイ あ、そろそろ起きたかな?

玲果 え?起きた?

カイ うん。ほーら。

エル このにおい。お前がイブか。

カイ ご名答(悪笑)これが長男のエル。

キルヤ ふっ(悪笑)

玲果 あなたが...蝉鳴 エル、さん?でも...。

カイ 俺達誰よりも見た目が幼い、でしょ?

ケイト 悪魔(ノア)の呪いで15まで歳を戻されてしまった。この呪いを解く鍵もイブであるお前だ。

玲果 呪いを解く、鍵...。

キルヤ てめぇがエルの呪いを解かねーと、俺達はアダムにはなれねぇ。

玲果 さっきからそのアダムって一体...。

エル アダムになれば世界を変える力を持つと言われている。俺達がアダムとなりその言い伝えを見届けること。それに必要なのはイブの心臓。生命の根源と言われる体内を巡る血は心臓に繋がっている。

カイ だから権利のある俺達がイブである君の血をもらって交わる時。

キルヤ 俺達は覚醒してアダムになれんだよ。

エル ヴァンパイアと人間のはじまりの存在を作るということだ。

玲果 アダムとイブ...はじまりの存在...。

ケイト だが、俺達がアダムになるには長男であるエルの呪いを解かなければならない。

玲果 何故アダムになるために呪いを解かなければいけないの?歳が若返るだけなら、エルさんは何も変わらないんじゃないんですか?

エル 歳を戻されたことで俺の覚醒するための力が失われた。

カイ つまり、本来の歳に戻して君の血を飲まないと覚醒出来なくてアダムになれないってこと。

玲果 なら、他の皆さんはアダムになるには問題ないんじゃ...。

キルヤ アダムになる権利をエルが得られねぇと、俺達兄弟も同じだ。

カイ 兄弟は一塊みたいなもんなんだぁ。考えれば気持ち悪い話だけどね〜。

ケイト こいつの言う通りだ。ひとつであるからこそ、エルの呪いは解かなければならない。

エル 俺達は必ずアダムになる。それにはまず、お前の力を確かめる必要があるな。(玲果を捕まえる。)

玲果 え...。っ!ちょっとっ...。何をっ!

エル 皮膚越しからでも分かる。これまでのとは段違いだ。...はっ。(牙を立てようと首筋に近付く。)

玲果 いや...!!

リアル 楽しいそうね。私も混ぜてもらえるのかしら?

キルヤ ...リアルてめぇ。

エル 何処から入って来られた。

カイ 猫になれちゃうんだから、小さな隙間から入ってきたんじゃない?

リアル よくお分かりで。んふふ。

ケイト こいつが入ってきた時、正門が少し開いていた。そこから侵入して来たんだろう。

キルヤ 分かってたなら閉めとけよ。...ったく。

エル 呪いをかけてこんな姿にする以外お前が俺に何か用があるのか。それとも呪いのことを詫びにでも来たのか。

キルヤ こいつに詫び入れるほどの礼儀はねーだろ。

リアル んぅ。そんな怖い顔しないで?男前が台無しよ?

エル 無駄な言葉を吐くな。俺が求める言葉だけを吐け。

ケイト さっさと用件を済まして立ち去れ。

キルヤ 場合によっちゃ二度と帰れねぇけど。

リアル ふふ。いいわ。愛するあなたの質問だもの、答えてあげる。私は悪魔(ノア)の中で階級は上だけど、欠陥があるの。それは、自分でかけた呪いを解くことが出来ないということよ。だからもし、あなた達が私を捕まえて拷問にかけたとしても戻すことはできない(悪笑)

カイ 自信たっぷりで言ってるけど、それは力不足だってことでいいのかな?

リアル ゼロはそれを考えて私にこの任務を任せてくださったのよ。

エル ゼロの下で働くとは。無様としか言いようがないな。お前には同情する。

リアル 慰めてくれてるの?ま、イブを見つけたとしても呪いの解き方が分からなければあなた達はアダムにはなれないわ。

ケイト 随分余裕だな。それとも、無能なお前なりの強がりか?

リアル 無能はあなた達ではないのかしら?ねぇエル。あなたは呪いを解けず、アダムにはなれない。なら私の血をあなたに捧げてもいいでしょ?あなたの贄にしてくれて構わないのよ。

キルヤ それ以上エルに触れてみろ。あの世でも懺悔出来ねぇくらい噛み砕いてやるよ。(殺気)

エル 悪いが、自堕落で悪魔の魂を持つ女の血など喉が渇ききって飢えていても求めることはない。さっさと消えろ。

カイ それに、呪いは必ず解く方法を見つけるから。てか、見つかるから。きっと。

リアル ...。その冷たい目。あの非情で冷酷なあなたのお父様にそっくり。歳が若くなってもあなたの魅力は変わらないみたいね。んふふふ。また来るわ。では、ごきげんよう。

玲果 ...今の女の人は。

カイ 悪魔(ノア)に魂を売った、可哀想な女だよ。

ケイト やつはもう人間ではない。恐らくお前がイブだということを確認するよう命令されわざわざ出向いてきたんだろう。お前がイブだと気付かれた今、あいつらに狙われるようになる。

カイ エルは面倒な女に好かれちゃったね〜。

キルヤ よっぽどのドMだな。

エル 悪魔(ノア)を纏めている堕天使ゼロはルシファーの後を継ぐ者だ。その右腕があの女。闇の世界を作り上げるには俺達が求めるはじまりの存在は邪魔なだけ。

カイ だから俺達と君がもしアダムとイブになるなら、始末しちゃおうってこと。

玲果 でも...私は...血なんてあげたくない。どうしてはじまりの存在を作らなきゃいけないの?今の世の中は...少なくとも私達人間の生活は、変えなくても堕ちることはない。神様がきっと守ってくれる!

キルヤ まだんなこと言ってんのかよ。家畜に拒否権なんかねーんだよ。

カイ いいねぇ〜その手が震えながらも気丈な態度の君。ふふ。まだ神を信じてるんだぁ(笑)

キルヤ けどてめぇを生贄として差し出したのはその神がいる教会、だろ?

玲果 ...っ。

ケイト 悪魔(ノア)の闇の世界が作られれば、お前が頼っている神にいくら懇願しても無駄なことだ。お前達人間の種族を野放しにはしないだろう。

玲果 そんな...。

エル それを阻止する兆しをやっと見つけた。

玲果 私...。

カイ 大丈夫。安心して?痛いのは最初だけだから。ね?

ケイト 悪魔(ノア)の連中に始末されるか、吸血され永遠の命を得るか。少し考えればどちらの選択がいいのか、分かるんじゃないか。

エル 今お前の中にあるのは恐怖。だがその恐怖はやがて悦楽に変わる。黙って俺達に命を委ねればいい。

玲果 いや!(走って逃げ出す。)

カイ あーあ。絶対クセになっちゃうのにな〜。いつもならエルが見つめて一発なのに。歳が若くなったせいかな?ふふ。

キルヤ チッ。めんどくせぇ。

ケイト 無駄な足掻きだな。

エル ...はは(悪笑)

玲果 っ神様...はぁはぁ...っ...助けて下さいっ。あれ...!扉が空かない...。どうして!

カイ そこは行き止まりだよ?

キルヤ 逃げてんじゃねぇよ。

ケイト 全く躾がなっていないな。

玲果 っ!いつの間に回り込んだの...。

エル お前に与えられた選択権はふたつのみだ。始末されるか、イブになるのか。選べ。

カイ イブになるなら、俺達が一生守ってあげる。

キルヤ 俺は守るつもりねぇけどな。結局家畜だろうがよ。

カイ キルヤくん、家畜家畜って(笑)女の子はすぐ泣いちゃうから呼び方には気を付けた方がいいよ?

ケイト 迷う必要はないだろ。悪魔(ノア)に捕まれば、生きる事も許されない。

カイ 待っているのは。死、のみなんだよ?

玲果 ...。

キルヤ どーなんだよ。黙ってねぇでさっさと答えろ。

エル まぁ待て。...もう答えは決まっているだろ。

玲果 ...イブに...なります...。

エル いい子だ。(微笑む)

玲果 っ。

カイ ふふ。あ、ねぇこのにおい。メイドがご飯の支度を済ませたみたい。さぁ、どうぞ。イブである以上、君には健康でいてもらわないとね?

玲果 えっ!?あ...はい。

キルヤ 今日は肉だな。俺の横取りすんじゃねぇぞ。

玲果 そんな食い意地張ってません!で、でも...ヴァンパイアって食べなくても生きていけるんじゃ。

エル 餓えで死ぬことはない。ただ単純に食べるのが好きだというだけだ。

ケイト 人間の口にしている物はどれも美味いからな。

キルヤ 早く行くぞ。飯覚めちまうだろうが。

エル ああ。ほら、来い。腹が減っただろう。

カイ 俺の目の前に座ってくれる?見える場所に華があれば食が進むしさ。

キルヤ くっせぇことばっか言ってんな。飯が不味くなる。

カイ 口ベタで何も言えないからって俺に当たるのはよくないよ、キルヤくん。

キルヤ てめぇ、喧嘩売ってんのか。

ケイト はぁ...またか。いい加減それくらいにしておけ。うるさい。

玲果 ちょっ、ちょっと...乱暴は!

エル 無駄だ。お互い気の済むまでやらせておけ。

玲果 ...。

エル どうかしたか。

玲果 ...あなた達、本当に分からない...。

ケイト 分からなくとも、いずれはイブとして生きる意味を理解する。必ずお前は俺達に屈服する。

キルヤ せいぜい楽しませろよ、家畜。イブとしての役目を果たしてもらわねぇといけねぇんだからな。

カイ 喉も渇いてきたなぁ。ご飯食べた後に君を味見させてくれない?もちろん、俺が一番で。駄目?

エル 悪いようにはしない。俺達の、俺達だけのイブだ。お前に感じた事のない感覚をこれから教えてやる。

玲果M 恐ろしいヴァンパイアなのに、逃げなきゃいけないはずなのに...怖いはずなのに...。四人が私達人間と変わらないと思うのは、何でだろう...。


-悪魔(ノア)の屋敷-


ゼロ そうか。奴らがイブを見つけたか。

リアル ええ。リハネスのロザリオを持っていました。間違いありませんわ。

ゼロ はは(悪笑)だが、呪いの解き方が分からないなら、イブがいても意味がない。少し遊んでやるか。すぐに始末するには惜しい。せっかく退屈じゃなくなったしな。

リアル ...早いうちに呪いを解き覚醒したとしたら、どうされるおつもりですか。

ゼロ それを監視するのがお前の役目だろ?俺の命令とはいえ、お前が呪いをかけたんだからな。当たり前のことだ。

リアル もし、彼らに覚醒の兆候が見えたとしたら。

ゼロ 迷わず始末しろ。まとめて灰にして肥料にでもしてやるといい。

リアル 灰にするならエル以外ですわ。

ゼロ 記憶力のいい女だ。エルの死体はお前にくれてやる。約束したからな。

リアル んふふ。

ゼロ なら頼んだぞ。

リアル どこへ行かれるんですか?

ゼロ 風呂だ。...リアル。

リアル はい。

ゼロ お前には期待している。任せたぞ(悪笑)

リアル 御心のままに...(悪笑)



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To be continued.